音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へナビメニューへ

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年3月号

被災地首長からのメッセージ

須田善明(すだよしあき)
宮城県女川町長

平成23年3月11日午後2時46分に発生した、これまで経験したことのないような巨大地震によりもたらされた大津波により甚大な被害を受け、多くの尊い命と財産を失った東日本大震災から早いものでもう3年が経過しようとしています。これまで、復旧・復興に向け全国各地の皆様から暖かいご支援、ご協力を賜りましたことをこの誌面をお借りいたしまして改めて厚く感謝申し上げます。

本町では、震災前、障害のある人もない人も、町民すべてが安心して自立した暮らしができる地域社会をつくることを目指した施策を進めてきました。

しかし、平成23年3月に発生した東日本大震災では、町内の生活基盤の多くが被害を受け、障害のある人の暮らしも一変し、他の町民と同様に、これまでの生活や活動の場、また就労の場を失った人が数多くいます。

本町では平成30年度まで8年間の復興計画で、100年に一度の新しいまちづくりに向け全力で取り組んでおりますが、その中で、乳幼児、児童、成人、高齢者、障害のある人それぞれの視点に立ち、それぞれの生活の質の向上を目指し、総合的な取り組みが求められております。

現在、平成27年3月、JR石巻線の全線開通に併せて駅を中心とする市街地のまちびらきに向け造成工事を実施しており、居住環境の整備についても、平成26年3月、陸上競技場跡地に200戸の復興公営住宅が完成するのを皮切りに、順次高台の住宅地の造成に取り組んでまいりますが、障害のある人もない人も暮らしやすいまちをつくるには、障害のある人にとってサービスが充実しているまちということはもとより、まち全体にさまざまな配慮があることが必要であり、その点から「障害のある人もない人も、町民すべてが安心して自立した暮らしができるまちおながわの実現」を基本理念とし、

「ともに暮らすことのできる地域の構築」

「いきいきとした生活のための支援」

「住み慣れた暮らしを実現する仕組みの充実」

「安全・安心で快適なまちづくりの推進」

「障害福祉サービスの体制充実」

といった5つの基本目標を実現する健康福祉の政策とまちづくりの政策が一体的となっていくことが大切です。

「女川」で頑張っていこうと復興の日々を共に歩む町民、一日も早い復興をじっと耐えて待つ町民。女川以外の場所から復興のため力を注いでくれる方々。女川への強い思いが大きな力となり、女川を信じる心が大きな力となり、世代や枠組みを超えた力を紡ぎ、満ち溢(あふ)れた力で女川の復興を、活力あふれる女川の新生を成し遂げます。