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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年3月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●一日の癒しの場~バスタイムをゆっくり楽しむ工夫、他●

提案者:五位渕真美 イラスト:はんだみちこ

五位渕真美(ごいぶちまみ)さん

ピアカウンセラー、社会福祉士。電動車いすを使用し、都心に住む脳性マヒ者。大学卒業後、アメリカへ単身留学。帰国後に上京して、文京区の自立生活センターで10年間の勤務を経て、現在はフリー。田舎へUターンする前に、インプットの時間を今は楽しむ!


一日の癒しの場 ~バスタイムをゆっくり楽しむ工夫

私の大好きな入浴タイム。わが家のバスルームは、トイレと一緒になっているごく一般的なものです。見た目は狭く感じますが、使ってみると、狭いからこそ安全というか、もし倒れそうになっても壁やつかまるところがすぐそこにあるので安心感があります。

床には、すのこと市販のバスマットを設置して、入口との段差を解消するとともに、私の足も傷めません。また底上げすることにより、バスタブの高さが和らぎます。バスタブに入るには、座面がくるっと回転するバスボードと2本の手すりを上手に使って入ります。バスタブの中には、グリップ式の手すりがもうひとつあり、また一面に滑り止めマットを忘れずに敷きます。

お湯に浸かりながら、その日一日を振り返ったり将来の妄想を延々としたり、いっぱい汗をかいて、いっぱい水分を取って、心身ともに無理なく、癒しタイムを楽しんでいます。


内と外をつなぐ玄関は自動ドアに 自由さと快適さがUP!!

玄関のドアを自動ドアにしました。ご存知の方も多いかと思いますが、自動ドアといっても、そんな大それたものではなく、既製のドアに機械を設置するだけです。確か半日ぐらいの工事で済んだと思います。

鍵はリモコンタイプが2つと、リビングの壁に取り付けたボタン1つの計3つあります。リモコンは、1つはお出かけのバッグの中に、もう1つは寝室に置いてあります。ボタンを押すとドアが開き、そのまま30秒後に自動的に閉まり、鍵も同時にかかるように設定しています。30秒より早く閉じたい場合は、もう一度ボタンを押すと閉まります。実に便利です。

それ以前は、一人では外に出られなかったり、夜遊びができなかったりしましたが、これで解消です。手動車いすから電動車いすに変えた時のような、自由さと快適さに感動したことを覚えています。今ではそれらに慣れてしまって、気温が低く寒い時などは、自動で早く閉まってくれたらよいのに、などと思いますが…。


私が生きるには ~介助者さんとのコミュニケーションを楽しむ

介助者さんの存在が必要です。もちろん日常生活全般で介助は必要ですが、加えて介助を上手に使いながら「おしゃれを楽しむ」のも私が生活する上で大きなポイントです。

ピタッとしたジーンズをはいたり、後ろにボタンがあるブラウスを着たり、ある意味、介助を使う身である方が有利というか(笑)、自分の身につけたいものを、やっぱり身につけたい! 障害を理由にあきらめるのはもったいない! 電動車いすで街を歩くとやはりまだまだ目立つ存在です。どうせ見られる存在であるなら、可愛く見られたいという女心でしょうか(笑)。

要するに、おしゃれを楽しむには、介助者さんとのコミュニケーションを楽しむことにつながるようです。自分がどうしたいかを伝え、介助者さんに理解してもらって、手助けしてもらう。これこそ、まさにエンジョイライフでしょう。