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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年4月号

フォーラム2014

こう変わる 障害者総合支援法
その2:グループホームの一元化

光増昌久

はじめに

障害者自立支援法が始まる時に、それまでのグループホームの事業が、介護給付(ケアホーム)、訓練等給付(グループホーム)に分かれました。運営の形態は一体型の運営をする事業所が多くあり、総合福祉部会の論議でもグループホームに名称を統合し、自立支援法で一住居(ユニット)2~10人になり、住居の大規模化が進んだので、本来の家庭的な雰囲気で生活できるような4~5人の住居に見直し、小規模でも運営できる制度にすべきとの論議がありました。「障害者の地域生活の推進に関する検討会」では、各団体のヒアリングを行い一元化に関する論議も行われました。検討会の論議、パブリックコメント資料、3月7日の主管課長会議の資料から紹介します。

一元化って何?

介護給付のケアホームがなくなり、訓練等給付のグループホームに一本化することをグループホームの一元化といいます。しかし、入居者の生活が変わるわけではありません。

グループホームは2つの類型に変わります。今まではグループホーム、ケアホーム、グループホーム・ケアホーム一体型と事業形態で分かれていましたが、4月からは、従来のケアホーム、一体型が「介護サービス包括型」になり、グループホームが「外部サービス利用型」の2類型になります。

「介護サービス包括型」は、世話人と障害支援区分(区分3~6)による割合で生活支援員が、暮らしの支援、介護サービスを提供します。区分4以上の場合、経過措置で個別の居宅介護が使えます。

「外部サービス利用型」は、世話人による暮らしの支援を行いますが、生活支援員の配置基準がないので、身体介護を必要とする場合、事業者が障害福祉サービスの居宅介護事業者と契約して、入居者に身体介護のサービスを提供します。

外部サービスの考え方は、介護保険の特定施設入居者生活介護等への外部からの介護の導入と同じ考え方で、15分単位で障害支援区分による標準量(案)が国から示されています。【参考・参酌すべき受託居宅介護サービスの支給標準時間 区分2で150分(月)~区分6で1900分(月)】

外部サービス利用型グループホームで身体介護を必要とする入居者(区分2以上)は、支援区分の認定調査と医師意見書が必要になります。

サテライト型の創設

新しくグループホームのサテライト型が誕生します。アパート等の1室を利用して、一人暮らしを目指す人が利用できます。家賃助成も上限1万円があります。本体住居の世話人、支援員が支援します。

サテライトを支援する本体住居の定員4人以上の場合、サテライトが2か所運営できます。3人以下の場合は1か所です。本体住居とサテライトの距離は公共交通機関を利用して約20分の距離で、サテライトの利用期限は支給決定を受けている3年以内の利用期間になります。サテライトの入居者数は事業所全体の数になりますが、夜間支援体制加算を算定する場合は、本体住居の入居者数に含まれます。

加算の見直し

1.日中支援加算(1)

入居者が65歳以上の高齢な場合、支援区分4以上の重度の場合、毎日、日中活動に通うことが困難な場合で計画相談、個別支援計画でグループホームで過ごす計画が作成している場合は、初日からこの加算は算定できるようになりました。2人以上を見る場合は加算は半額になります。

2.日中支援加算(2)

従来の3日目からの算定は、日中支援加算2になりました。1人の場合のほか2人を支援する場合は、加算報酬が半額に見直されました。

3.夜間支援等体制加算(1)、(2)

1は夜勤、2は宿直、夜間支援の体制が夜勤か宿直かで判断される加算になり、今までの1人の夜間支援員が障害程度区分と何人支援するかで算定された加算が撤廃され、1人の支援員が何人支援するかで、報酬算定が変わるようになりました。また、住居単位で夜勤と宿直を併算定できるようになりました。

夜勤だと13,440~13,450円(4~7人)、宿直だと4,480~4,500円(4~7人)となり、宿直形態で支援している事業所は、従来の報酬と比較すると大幅の減額が生じるようになります。宿直から夜勤への体制の切り替えにも人手が必要なので、経過措置が検討されています。

4.夜間支援等体制加算(3)

従来の夜間防災・緊急時支援体制加算(1)は、警備会社との契約の実勢価格を調査し廃止になり、防災・連絡体制を評価する加算に統合されました。

5.医療連携体制加算(5)

介護保険における認知症高齢者グループホームの正看を配置して日常的な健康管理を行なったり、医療ニーズが必要な場合の適切な対応が可能な連絡体制をとっているかを評価する新しくできた加算です。医療連携体制加算(1)~(4)との併給はできます。

6.自立生活支援加算

今までの加算の考え方を見直し、1人でもグループホームから自立生活に移行した人の支援を評価する加算で、入所施設から地域移行した場合の加算と同じく該当月、翌月の2回算定できます。

その他、第4期障害福祉計画でのグループホームの居住支援機能についての論議もありましたが省略します。

(みつますまさひさ 松泉グループ総合施設長)