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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年5月号

ユーザーの声

スマホは欠かせない便利な存在

鈴木知美

私の視力は左右各0.1ほどで、視野は中心以外の約90%が損失しています。いわゆる弱視者です。

私にとってスマートフォン(スマホ)は、生活する上で欠かせない便利な存在です。今回は、弱視者の立場でガラケーと比べて優れた点、見やすくするための変更方法、よく利用しているアプリ、課題と提案について述べます。

スマホの優れた点

1.カメラ、時計、電卓など、よく利用する機能を実現するためのアプリがたくさんあり、使いやすく見やすいものをカスタマイズして利用できるようになりました。2.本や雑誌の電子版の普及により、文字の大きさ、背景と文字の色などが自由に変更でき、読みやすくなりました。3.表示を拡大する際、画面が大きいのでスクロール移動が減りストレスが少なくなりました。

画面を見やすくするための設定

コントラストをはっきりさせる、文字を大きく表示させる、ズーム機能を使用しています。また、文字入力の際には、視覚に頼った操作に加えて音声入力機能を使って誤字脱字を少なくすることもできます。しかし、アプリによっては文字の大きさが変えられない場合があるので、携帯用ルーペと併用して画面の見えにくさを補っています。

よく利用するアプリ

エバーノート:オンライン・ストレージの一つで、大学で作成したパワーポイントやワードの資料を移動中に自由に呼び出して確認できます。

ナビウォーク:徒歩用ナビアプリの一つです。地図の拡大縮小処理が速く、目的地までの地図に示される道順が目立っていて見やすいアプリです。

Kindle:電子書籍の閲覧アプリです。表示文字の大きさ変更や背景と文字の色が3パターンから選択できます。

課題と提案

このようにスマホの優れた点はたくさんありますが、弱視者の私には万能ではありません。私が感じる課題と提案についても述べたいと思います。

1.字を打つ際に、ボタンを押している感覚がないため入力ミスが多くなってしまい、誤字脱字が増えました。そこで、画面上のキーボードをしっかり押さないと反応しにくくし、ボタンをたたく感覚で文字入力ができるようになるとよいと思います。2.バッテリー残量数の文字が小さく見づらいので、大きく表示できるよう変更できると便利だと思います。

おわりに

今後もスマホはますます発展していくと思いますが、弱視者にとっても使いやすく役立つものになっていくことを願ってやみません。

(すずきさとみ 恵泉女学園大学4年)