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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年5月号

ユーザーの声

足りない部分を補うためにアプリの活用

石川直

会社から帰宅途中に交通事故に遭い、頭部外傷(外傷性くも膜下出血)の影響で高次脳機能障害と診断されました。

記憶力、注意力等の低下により、予定や情報が覚えられない、覚えていても曖昧(あいまい)だったり、他の情報と混同してしまうこともあり、対策としてノートにメモを取るようになりましたが、今度はどこに書いたか分からない、確認するのを忘れる、ノートを家に忘れてしまう等の問題がありました。

どうしようか模索して、携帯電話のアプリを使うことに気付きました。アプリを使うことでいろいろなことを克服することができました。一つはスケジュール管理。情報が見やすく、知りたい情報が簡単に検索できる、アラーム機能の使用で情報を確実に知ることが可能になりました。一覧でスケジュールの確認ができ、他のスケジュールと重なることが減りました。日にち指定で当日のスケジュール確認もでき、1日の計画が立てやすくなりました。アラームも1件につき前日、1時間前、30分前と複数回の設定をすることで事前に準備ができるようになり、余裕が持てるようになりました。

二つ目は金銭管理です。お金の入出金管理や計画的に考えて使うことが難しくなっていたものを、アプリで管理するようにしました。アプリで管理することで残高が解(わか)り、スケジュールアプリ同様に日にちを指定すればその日の収支が解り、検索機能を使用すれば週、月、何日~何日までと指定して詳細を知ることが可能になり、知りたいことがすぐに解るようになりました。また、何に使ったかのメモを記入でき、メモ内容でも検索が可能なので、各費目のメモで同一の内容があれば、同時検索して全体を知ることもでき管理がしやすいです。

また費目ごとに管理できるので、さらに細かく詳細を知ることもでき、個別に予算設定をし、予算内で生活するように気を付けるようになり無駄使いも減りました。固定費も設定でき、毎月決まった金額を費目へと自動で振り分けもできます。最初の設定は手間がかかりますが、一度設定すれば、後は自動で振り分けられるので手間がかかりません。今は両アプリとも使い方も分かってきて細かく設定して、自分の使いやすいようにカスタマイズするのが楽しくなってきています。

今後は、音声でのスケジュール、金銭管理の入力や確認ができたり、メールで受信した内容を各アプリに入力できればいいなと思います。金銭管理では、レシートの写真を撮れば入力できるようになれば便利だなと思います。

(いしかわすなお 高次脳機能障害者支援センター 笑い太鼓豊橋)