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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年6月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●自分で連絡帳を書きたい! メールで自由にやり取り、他●

提案者:竹内智美 イラスト:はんだみちこ

竹内智美(たけうちともみ)さん

先天性緑内障で、現在は全盲。大学では図書館司書と中・高社会科の教員免許を取得。2000年に東京都の福祉職で採用され、ソーシャルワーカーを経て、現在は都立精神保健福祉センターの相談員。夫と4歳の娘と3人暮らし。欲張りな性格で、新しいことや自分が変化していけそうなことへのチャレンジが大好き。現在はコーチング、カウンセリングや精神保健福祉士資格取得に向けての学びを始めている。埼玉県朝霞市在住。


自分で連絡帳を書きたい! メールで自由にやり取り

娘が1歳になった時から保育園に預けて仕事を続けています。担任の先生とのやり取りについては、必要な時だけでOKというスタンスですが、私はどちらかというときめ細やかなやり取りをしたいと思っています。ただ、私は全盲なので連絡帳の読み書きはできません。夫は晴眼者ですが、私自身が先生とコミュニケーションを取りたいという思いを園長先生と担任の先生にお話ししたところ、園ではこれを快く受け止めてくださり、メールでのやり取りをさせてもらっています。実際に、園長先生や担任の先生とメールを始めると、意外に私も筆まめかも、ということに気づきました!いつでも自由にやり取りできることが私にとっては重要で、安心感につながってるってことなのかな(笑)。


色、いろいろ?! 色分けに便利グッズも活用

私は7歳くらいまで色と明暗が分かる程度の視力があったので、今でも折り紙のいろんな色や、青空、太陽などをイメージすることができます。イメージできることが、服の色を記憶しておく時に役立っているように思います。布の感触と色を結びつけて覚えておくことが得意な方で、手触りからこの服はもしかしてピンク?って思うと当たってたりします!

服の色分けで工夫しているのは、色違いのTシャツや靴下などを買わないこと。色違いで何組か買うとお得になる!なんていう時にはちょっと気持ちがぐらっときますが、ぐっとこらえるようにしています。娘のものも同じでしたが、最近は娘が自分で服を選んだり、色も自分で分かるので、娘に任せることにしました。

自分の服も色違いで買ったりしたいと思い、高価なものでしたが「カラリーノ」を買っちゃいました!色を知りたい物に当てると「茶色がかった緑色」などとしゃべってくれる機械です。機械と物が接触した1点で判断するので、チェックなど柄物は1色しかしゃべってくれないのが物足りないのですが、これは便利に活用できそうなグッズです。


工夫することに労力をかけない工夫

私は面倒くさがりです。できる限り工夫せずに、そのまんまで生活したいと常日頃思っています。工夫することにあまりにも時間や労力をかけるのはかえって大変と感じてしまいます。

たとえば、子どもの頃からメモを取ることが面倒だと思っていたら、できるだけ記憶に留めているようになっていて、今でもスケジュール帳を使わなくても、ダブルブッキングやドタキャンもなく生活できています。これがいつまで続けられるのか、この先が楽しみです。

コープの個別宅配で買う冷凍食品も、自分なりに分かるようにラベルを付けることが面倒なので、できるだけ手触りで区別できるようなものを買ってそれが何かを覚えておく、これで何とか乗り切っています。

ただ、やっかいなのは各種書類です。役所から来るものなどいろいろあるのですが、紙の手触りや大きさはほどんど違いがありません。さすがの私も、こればかりはその紙にじかに点字を書いて区別しています。これからも面倒くさがりな私なりに、工夫しない工夫をしつつ生活を楽しんでいきたいです♪