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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年3月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●できる時に、できることを、ほどほどに、他●

提案者:尾下葉子 イラスト:はんだみちこ

尾下葉子(おしたようこ)さん

アラフォーの主婦。30歳を過ぎたころから、やたらと痛くてかゆくてしんどくてしびれる身体とつきあって暮らしています。今までにもらった?病名は「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」「慢性蕁麻疹(じんましん)」「胎児性水俣病疑い」。自らを「布団星人(ふとんせいじん)」と呼んで開き直り、家事はかなり放棄して、布団の中でスマホとたわむれています。布団の星は愛の星。身体はしんどくても、できるだけ機嫌よく、楽しく暮らそう、というのが日々の目標です。


できる時に、できることを、ほどほどに

私の家事は「できる時に、できることを」が基本です。できる日に、できる!と思ったことの60%くらいしたら、もうおしまいにします。そうでないと、動ける時は頑張りすぎてしまう。体力のない人ほど、そうなのではないでしょうか。普段悔しい思いをしている時間の方が多いので、ついそれを取り戻したくなるのです。

以前は、週に一度時間を作って掃除して、家がきれいになるのがリフレッシュでもありました。でも今はそれをやると、他のことが何もできなくなる。しんどい日は、「ほこりでは死なない!」と心のなかでつぶやいて自分を励ましています。何かを買ったら同じ数だけ何かを捨てる、買い置きは最低限に、そういうことを繰り返して、家の中の「モノ」自体をできるだけ減らすようにしてきました。


「下処理だけの日」を作って、体力や時間を節約

手に入れた食材を冷蔵庫にしまったままで使いきれずに捨ててしまうことがしょっちゅうあり、以前はいちいち落ち込んでいました。しかし、「いろんなものが冷凍できる」ということを知ってから、私の料理の手順は、がらっと変わりました。

最近は、何か食材を手に入れたら、「これは冷凍には向かないだろう」と思い込まず、【○○○ 冷凍】とネット検索してみるようにしています。そして、手に入れた日から数日のうち、体調が良い日を選んで、まとめて下処理をして冷凍してしまうのです。

下処理の日と料理の日を分けると、洗い物も減ります。下処理の日はひたすらそれだけをやり、料理自体はしない、ご飯も炊かない。お弁当を買ったり、インスタントで済ませてその日のお仕事はおしまい。

一度冷凍してしまえば、食材が長くもつし、いざ調理する時には体力や時間の節約になり、自分が作ったものを食卓に並べる機会が、結果として増えて良いことだらけです。


洗濯物は脱いだ時に仕分ける

元気だった頃にできていたことができない、ということは皆さんたくさんあるはず。そういう時、「以前とやり方を変えたらできた!」ということが見つかると、ちょっとうれしくなります。

私の場合、その一例は洗濯。体調の良い日にまとめて洗うようになったのですが、洗濯物の量が多いために(洗濯物を)仕分けることが大変で、毎回とても辛かったのです。

ある日、「洗濯物は脱いだ時に仕分けてしまう」というアイデアを見つけました。たとえば、洗濯ネットをかごにピンチで止めておいたり、洗濯かごの中にさらに小さなカゴを入れたりして、脱ぎながら仕分けてしまうのです。

こうすると、あら不思議。洗う時は何も考えずに洗濯ネットのファスナーを閉めてぽんと洗濯機に放り込めるのがとても気持ちいい!すっかりはまってしまいました。

ちょっとした発想の転換で楽になって、達成感を得られるのがうれしくて、病院やお店で雑誌をめくり、新しい裏ワザを探すのが楽しくなっているこの頃です。