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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年8月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●台所で欠かせないアイテム~ペンチ(小)、他●

提案者:斎藤映美 イラスト:はんだみちこ

斎藤映美(さいとうてるみ)さん

出産後リウマチを発症して45年になる72歳です。右手MP関節と右肘人工関節置換手術を受けています。右手が利き手なので握力がないと不自由なことが多く、それを補ってくれる物を探したり、皆さんと情報交換をして教わったり、既成のものに少し手を加えたりしながら、今のところは、人に頼らなくてもそれらに助けられて過ごせています。日本リウマチ友の会会員。


台所で欠かせないアイテム~ペンチ(小)

食事の支度をする時はいくつかの道具を使いますが、このペンチは使っている人から教えてもらいました。

豆腐やハム類のフィルムを剥(は)がす時やジッパーの付いた袋の口を開く時などは、包丁を使ったり、ハサミで周りを切り取ったりしていましたが、このペンチを使うようになって、一度にきれいに剥がすことができるようになりました。こんな些細(ささい)なことが嬉(うれ)しくて、また楽しいのです。

使い方にちょっとコツがあります。ペンチに挟(はさ)んで引く時、角度はできるだけつけないように引くときれいに剥がれます。

手が広がらなくてペンチを握ることができない方は、輪ゴムなどで自分の手に合わせた幅にゴムで止めておくと使いやすいです。


便利な手作り浴用タオル

利き手に力が入らないので、タオルを軽く握ることしかできません。お風呂で身体を洗うことも拭(ふ)くことも時間がかかり不自由でした。

そこで、タオルの両端に2.5~3cm幅の子どもの袋の持ち手に付けるようなテープ(百均で調達)を縫い付けてみました。身体を拭く時のタオルは、幅が広いほうがよいので、普通のタオル幅と同じくらいの長さのテープを縫い付けます。

普通のタオルだと少し長くなるので、扱いにくい場合には、タオルの幅を半分に折って周りを縫うのですが、その両側に、半分に折ったタオルと同じ長さのテープを挟(はさ)み込んで付けると、長さが少し短くなり扱いやすくなります。

身体を洗う時のタオルは幅があまり広くなく、市販の水はけのよい軽い素材を選び、同じように両端にテープを縫い付けます。テープが握れなくても、手に引っ掛けて使えるので便利です。


足指のケアは趾間ブラシでスッキリ

病院でも足を清潔にすることの大切さが重要視されるようになりました。フットケアという言葉も聞き慣れてきた昨年、装具士さんが作った趾間(しかん)ブラシ「テモ」が発売されました。歯間ブラシにヒントを得て作られたものだそうです。持ち手が長くなっていて、あまりかがまなくても洗えるので、股関節の人工関節置換手術をされた方にも重宝されていると聞きます。

足の指が変形して、指と指の間が両足ともくっついているので、すぐ水虫になり、水虫の薬が手放せませんでした。5本指のソックスが履(は)けるといいのですが、足指自体も変形して曲がっているのと、手に力が無いのとで、履くのに時間がかかります。頑張ってみるのですが、いつも途中で止めてしまいます。

趾間ブラシは発売と同時に買い求め、毎日使っていると、フットケアをしているようで気分がいいです。