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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2018年3月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●一人暮らしの工夫:見てわかりやすい在庫リスト、他●

提案者:平本歩 イラスト:はんだみちこ

平本歩(ひらもとあゆみ)さん

1985年生まれ。生後6か月で人工呼吸器をつける。地域の保育園、小中学校、高校に通い、現在は一人暮らし。医療的ケアを受けながらの生い立ちや生活状況、学校生活、交通バリア問題などをテーマに講演を行なっている。


一人暮らしの工夫:見てわかりやすい在庫リスト

実家にいた時は、収納を開けるたびにヘルパーさんにパッドやおしりふきの数を聞いていましたが、2011年から一人暮らしをするようになってからは、ホワイトボードに数を書いて、在庫確認を自分でするようになりました。呼吸器関係の物品やパッド、おしりふきも同様にしています。それぞれ物がなくなり新たに袋を開けた時点で、ヘルパーさんがホワイトボードの在庫の数を書き換えています。


飛行機に乗る時:短時間で移動する工夫

私は時々、飛行機で旅行に行きます。飛行機に乗る時は、事前に同意書と医師の診断書と酸素ボンベを使用するための書類を航空会社に提出する必要があります。また当日は、機内用のストレッチャーに移乗するため、私のストレッチャーに積んである物や医療機器を積み替えないといけないので、とても面倒です。

いつもは2時間から1時間30分前に空港に着いて、ストレッチャーに積んであるけれどすぐに使わない物は手提げカバンに入れておきます。10分前に呼吸器を取り外して飛行機に乗る準備をして、機内に移動し、スムーズに出発できるようにしています。面倒なことが多いですが、これに懲りずに今後もいろんな所へ行きたいです。


防災の工夫:もしもの時に備えて定期点検

私は、災害が発生した時に備えて、3日分の栄養剤や滅菌精製水を避難カバンに入れています。そして医療器具などが期限切れになっていないかを3か月に1回点検しています。

特に呼吸器は私の体の一部で、なくてはならないものです。呼吸器のバッテリーは、外出用に1台、自宅で停電した時用に6台、合計7台所持しています。そして、3か月に1回バッテリーを充電しています。それから呼吸器は、家用と外用の2台あるので、1台が使えない時はもう1台を使うことができます。

現在、外用の呼吸器には内蔵バッテリーがあり、また、外部バッテリーも使用できます。外部バッテリーは常にストレッチャーに積んでいます。災害時のために、呼吸器は絶対に2台必要です。そして、災害時にかかりつけ医や呼吸器の業者などに駆けつけてもらえるように、緊急連絡先を書いた紙をベッド近くに掲示しています。