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国連世界情報社会サミット(World Summit on the Information Society : WSIS)

国連世界情報社会サミット(WSIS)最新情報(2003年10月31日現在)
「全ての人のための情報社会」を実現する機会としてのWSIS

河村宏
WSIS障害者コーカス

項目 内容
発表年月 2003年10月31日
備考 英語版:原文

国連世界情報社会サミット(WSIS)は以下を目的として国連が計画するものである。

  1. 情報格差、インターネット統治、知的所有権、文化の多様性などを含む、情報社会を取り巻く問題を明らかにする。
  2. これらの問題に取り組むために、世界の様々な関係者の基盤を構築する。
  3. 2003年にジュネーブで原則宣言を採択する。
  4. 行動計画を作成する。
  5. 各関係者の構想を推進する。
  6. 行動計画を実施する。
  7. 2005年にチュニスで成果を評価する。
  8. 2005年以降の長期的行動計画の修正案を作成する。

2003年12月10-12日のジュネーブ・サミットでは、「原則宣言」および「行動計画」を採択するサミット本会合と80以上の関連行事が開催される予定である。

ジュネーブ・サミットの準備状況

サミットに関する最新情報および全ての公式文書はWSISの公式ウェブサイトhttp://www.wsis.orgに掲載されている。

文書の内容については各国政府間で協議が進められている。第3回準備委員会会合はジュネーブで11月10-14日に再び召集され、原則文書の仕上げが行われる。全ての関係者の合意をとりつけるために、非公式な交渉も行われている。

DAISYコンソーシアムおよびアクセス・フォー・オールが提案した12月12日開催予定の障害に関するサミット関連行事は、スイス・サミット関連行事の主催者によってこの9月末に承認された。時間の制約にも関わらず、「全ての人のための情報社会」に向けたさらなる行動の世界的基盤を構築するために、両主催者は一緒に組織委員会を作り、国際障害同盟(IDA)の全ての加盟組織に対して参加を呼びかけることを決定した。この組織委員会は、発展途上国の障害者が関連行事に出席するための資金調達も行うことに決めた。

2003年ジュネーブ・サミットの本会合は12月10-12日に開催される。

障害者たちがこの最も重要な政治的行事に貢献する機会がいくつかある。例えば、

  1. 公式の開会式で、国連事務総長の次に、市民社会を代表して開会の言葉を述べる。
  2. 4つの会議への参加。各会議に参加するのは国家元首や産業界の代表などわずか30人で市民社会の代表者数は各会議につき3人となる。
  3. 関連行事で採択された憲章、宣言および行動計画はサミット本会合にて報告される。

文書の草案の状況

準備委員会議長の非公式な提案文書は、入手直後の最新の草案で(ワード形式、英語版のみ)、技術的な理由から希望すれば入手できる。ウェブサイトには掲載されていない。これに対する意見の提出期限は明日、10月末である。この文書には7月にパリで発表された草案第20b(注1)項の精神は含まれていない。これに代わる修正案の正確な本文を期限までに提出し、無事に受入れられた場合は、草案の協議を前もって実施できなくても、11月10-14日の第3回準備委員会会合で提案する機会がまだあるかもしれない。

市民社会事務局の組織

市民社会、民間部門および国際組織はオブザーバーとして準備プロセスに招かれているが、積極的なパートナーとしての役割を担うことが期待されている。市民社会の各団体は申請して認定を受ける必要がある。

準備委員会会合(これまでのところ4回行われている)に参加する認定された市民社会の団体は、率先して市民社会事務局(CSB)を創設した。CBSは内容を除くプロセスについて政府の事務局と交渉を行う。2003年3月の第2回準備委員会で、ジェンダーまたは障害などの特定の課題を扱うファミリー・グループがそれぞれ形成された。DAISYコンソーシアムが、障害者ファミリー・グループの中心となる責任を担える唯一の認定組織だったので、障害者のニーズを満たすために、情報通信技術(ICT)の設計および開発とともに首脳会談の申請を含め、準備段階の全てのプロセスに熱心に取り組んだ。

情報社会における障害に関する世界フォーラム- サミット関連行事

2003年12月12日9:30 - 18:00にスイス、ジュネーブのパレクスポで開催される「情報社会における障害に関する世界フォーラム」が、スイス視覚障害者図書館館長のベルンハルト・ハインセルを議長とする組織委員会によって組織されているところである。全てのIDAの加盟組織が、スピーカーやフェローシップの選定に関して協議するために組織委員会に招待される。

関連行事の目的は次の通り。

  • 情報社会に関して、障害者の集団のために全世界に国際的な基盤を作り始めること。
  • 関連した3つの部門(障害者のコミュニティ、障害問題を取り扱う政府の組織、ビジネス部門)をまとめる機会を作ること。
  • 行動計画を含む決議を決定すること(ジュネーブからチュニスへ)。

サミット関連行事の事務局がスイス視覚障害者図書館に開設された。組織委員会は、発展途上国から障害者50人を招待するため資金調達に奮闘している。組織委員会はまた、アクセスしやすいDAISY標準フォーマットのCD-ROMでサミット文書の用意をしており、サミットの全ての認定された代表に配布される。アクセス可能な宿泊設備を確保するために、サミット関連行事の参加者向けに150室を押さえている。

情報社会における障害に関する世界フォーラムの予定表

・開会式(09.30- 10.30) 
政治のリーダー、障害者、ビジネス界、国際機関からの代表の短い声明
基調演説
・休憩 1 (10.30 -11.00)
・第2セッション(11.00 - 13.00):
モデルとなる事例の報告: 障害者の特別の要求を満たす情報通信技術の具体的な成功例または提案の紹介。約8件を予定(各15分)。 紹介者候補が数名、すでに提案を行っている。
・休憩 2 (13.00 - 14.30):
この間に記者会見が行われる。パレクスポの中にプレスセンターがあり、記者会見はそこで行われるだろう。他にモンブラン・ルームで記者会見を行う案もある。
・第3セッション(14.30 - 16.30):
全ての人のためのICTの設計と開発: 障害者の個別の要求を満たし、その社会の全ての個人の役に立つICTの設計と開発のモデル事例。約6例の発表(各20分)。
教育/雇用、広報/交通情報、災害/疾病予防のための情報の枠が設けられる。
・休憩 3(16.30 - 17.00):
・結びのセッション(17.00 - 18.00):
決議の承認(行動計画「ジュネーブからチュニスへ」を含む、情報社会における障害者の要求/ニーズに重点を置いた、原則宣言の付属文書のようなものとして)。決議案は組織委員会が準備する。

発表の要請

合計14の発表が行われる。組織委員会は、モデル事例の発表(15分)または「全ての人のためのICTの設計」の発表(20分)のいずれかの発表に興味がある人の参加を呼びかけている。発展途上国から選ばれた発表者には、航空運賃および宿泊費を含む費用を負担するフェローシップの優先権が与えられる。発表の申請期限は11月10日である。選定は組織委員会が11月17日までに行う。

発表の申請の要求事項: 発表の要約、申請者の名前、住所、eメールアドレスおよび履歴を含む1000ワード未満での申請をする。

申請は2003年11月10日までに河村宏宛てeメール(hkawa@rehab.go.jp)に行なう。

基金

詳細については、組織委員会がまもなく発表を行う予定である。

注1:20bとは以下の文言を示している。

“Specific needs and requirements of all stakeholders, such as those with disabilities must be considered in ICT development. Accessibility and inclusiveness of ICTs is best done at an early stage of design, development and production,so that the Information Society is to become the society for all, at minimum cost.”