生活不活発病の予防・改善は生活の活発化で
- 予防・改善の鍵は「生活の活発化」
- 不自由な生活行為を見つけて改善を:生活行為自体向上を(「質」<やり方>の重視)
- 介護保険サービス・車いすをすぐに提供するなどの「補完主義」に陥らない。
不適切・過剰なサービスは生活不活発病を加速。 - 家庭・地域・社会の中での役割をもつことが大事
← 自分の努力(自助)と地域社会(コミュニティ)の活性化(共助)で - 全ての人に啓発を(専門職・ボランティアを含む)
1 生活不活発病の予防・改善の鍵は「生活の活発化」。
○ 生活不活発病の個々の症状(筋力低下など)の改善や、「できるだけ体を動かせばよい」の ではない。
○ 一番望ましいのは、その人らしい、活動的で生きがいのある「活発な生活」を送ることで、 生活不活発病の起る余地がないようにすること。
○ 災害前より以上に生活を活発化しないと、災害で生じた生活不活発病は改善できない。
2 「生活の活発化」とは、生活行為(「活動」)全体の向上をはかること。
○ 実施する回数・時間(「量」)だけでなく、「質」(自立度、やり方)の向上が大事。
<移動での「質」の例>
車いす移動よりはたとえ介護してもらってでも歩いて移動する方が質は高く、それが 歩行自立(杖などを使って一人で歩ける)ようになれば一層高くなる。
○ 個々人の生活環境と状態に応じた生活行為のやり方についての個別指導が必要。
○ 避難所や仮設住宅など新しい環境で不自由さが出現した時、「そのうち馴れますよ」などと せず、その場所での生活行為のやり方を丁寧に指導。
3 「補完主義」に陥らない:
○ 歩行が不安定になったからすぐ車いす、介護が必要になったから、また外出する場所がない からすぐに介護サービスを提供すればよいのではない。
○ まず、生活行為の向上にむけた指導をする。
4 家庭や地域や社会の中での役割を果たすこと(「参加」向上)で生活の活発化をはかる。
同時に満足感をもてるようになる。
<例>
家事・修理・整理などを手伝う、地域活動や趣味、避難所の中でも役割をもつ。
○ 仮設住宅では新しいコミュニティのなかでどのような新しい活動・参加をするかが大事。
5 全ての人(専門職・ボランティアを含む)に生活機能低下予防、生活不活発病予防についての 啓発が必要。