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障害者と災害時の情報保障
~新潟中越地震の経験と今後の防災活動~
シンポジウム報告書

シンポジウム「利用者が参画した防災活動とマニュアルづくり
~新潟県の経験と今後の展望(先進事例を交えて)~」

◇指定発言

全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 佐野 昇
(代理 全国要約筆記問題研究会 板東敏子)

情報の文字化が必要

私どもの全国要約筆記問題研究会は、書いて伝えて、聞こえない人へ、車の両輪となるような支援を する団体です。今日は佐野の代わりに私がお話しさせていただくことと、私どもの団体からもお願い があります。
新潟の地震のとき、私どもの団体も情報収集や安否確認をしました。難聴と中途失聴者は、 当然ながら情報保障が一番に必要です。誰から速やかに情報がもらえるのか、日頃から皆さんが 切実に感じているところです。

今回有効だったのは、携帯ラジオや携帯電話でのメールでした。ラジオは聞こえないので、先ほどの お話にもありましたが、地元のFM局の方が、ラジオの音声情報を文字に変えて流してくれました。 山梨の城野さんの資料にもありましたが、パパラビジョンという大型の電光掲示板にラジオの情報を 文字で流してくださり、本当に助かりました。これは全国の市町村の避難所で、検討していただきたいと 思います。

それから情報収集と確認は、ほとんどは携帯電話のメールでしました。現時点ではドコモ以外でも できるようになりましたが、発災時はドコモだけでメールで災害情報を確認できる仕組みが開設されて いるだけでした。ただこれも使ってみると、携帯電話の番号を入力しないと使えなかったのです。 普段はアドレスでやりとりしているので、携帯番号がわからなくて、実際には使えなかった場合が 多かったのです。アドレスのままで受信できればありがたかったと思います。
一方、私たちの全難聴と全要研でも、2000年ぐらいからお互いに災害時に支援をどうするか、 マニュアルをつくって進めています。団体としてはネットワークづくりをして、県単位で災害窓口の 担当者までは決めることができました。

今回も、地元の代表者と私たち役員クラスでは、メーリングリストを立ち上げて情報収集や安否確認は できました。逆に言うと、一般会員までにはそれが広まっていないので、一般会員からは、いざという 時何も動いてくれなかったと言われ、つらい思いもしていますが。
静岡県でも携帯電話に情報を流してしてくれるレスキューナウのシステムを導入していますが、 加入率が低いので、最終的には私たち自身が、自覚をもって自分の問題としてとらえ、自らが 加入したり活動しなくてはならないと思っています。佐野も大切なので伝えてくださいと言っていましたが、 ぜひ音声情報は同時に必ず文字化して伝えていただけるようお願いします。以上です。

発行
2005年3月
編集・発行人
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
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