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障害のある人々の人生の機会の改善 最終報告 2005年1月

Prime Minister's Strategy Unit, Government of United Kingdom:
Improving the life chances of disabled people
Final Report, January 2005

原文:(http://webarchive.nationalarchives.gov.uk/+/http:/www.cabinetoffice.gov.uk/media/cabinetoffice/strategy/assets/disability.pdf)

監訳:植村英晴・佐藤久夫(日本社会事業大学教授)
翻訳:大山早紀子・織田宏・高橋正幸・楢府憲太・新井山克徳・林茂史・松浦俊之・李載徳(2008年度日本社会事業大学大学院社会福祉学研究科)

この報告書は労働年金省、保健省、教育技術省および副首相部局の参加のもと作成されました。

翻訳は概要と第1章のみ

目次

付属資料A 首相戦略班の役割
付属資料B プロジェクトチーム、提案者、顧問、専門家グループの見解
付属資料C 総合的議論と協議プロセスの概要
以下の付属資料は戦略班のホームページ(www.strategy.gov.uk)参照
付属資料D 専門家の意見
付属資料E 調査報告に対する主な意見
付属資料F もっとも複雑なニーズを持つ障害のある人々の特殊な課題に関する文献検討結果

序文

仕事をしたり、教育を受けたり、通勤したり、友人と飲みに行ったり、映画を観に行くことは私たちにとってごく普通のことと思います。しかし、多くの障害のある人々にとってそれらは容易なことではありません。

そのため、私は障害のある人々の機会を改善し、彼らの生活の質を高め、私たちの社会を強化するために私たちに何ができるのかを検討するよう戦略班に頼みました。相当前進しているにもかかわらず、障害のある人々は依然として不利益や差別に苦しんでいます。障害のある人々の機会を狭め、可能性の実現を妨げている態度、建物の仕様、施策などに見られる障壁は取り除かれなければなりません。多くのサービスは障害のある人々の個々のニーズに合わせてというよりも提供者に合わせて構築されています。

これはとても重要な問題です。英国では、成人5人に1人は障害を持っており、障害のない人々が享受する機会を奪われています。彼らの能力を十分に活用しなければ私たちの経済と社会も負けることになります。

現政府は、障害のある人々の人生の機会の改善を委ねられています。DDA(障害のある人々の差別禁止法)とDRC(障害のある人々の権利委員会)の創設を通して、新しい権利が認められ、力説されています。私たちは障害のある人々がニューディールを通して復職したり、ダイレクト・ペイメントによって個別的な支援が受けられるように支援しています。

しかし、こうした前進にもかかわらず、まだなすべきことはたくさんあります。障害のある人々は想像以上に貧困の中で暮らしており、教育の機会が限られ、仕事や経験もなく、差別や虐待を受けています。彼らは満足なサービスを受けていないと日々感じています。

この報告書は、2025年までに障害のある人々が生活の質(QOL)を改善するために完全参加の機会と選択肢を持ち、社会の平等なメンバーとして尊敬され、インテグレートされるように彼らの人生の機会を改善するための意欲的なビジョンを述べています。

私はこの報告書と勧告が今後の政府の方針として採択され、実施されることを心から歓迎します。勿論、社会のあらゆる分野もこのビジョンの実現に向けて役割を持つことになります。私たちはともに働くことによって、私たちのすべてが探し求めている障害のある人々の人生の機会の転換は実現できると、私は確信しています。

Tony Blairトニー・ブレア

(訳:大山早紀子/李載徳)