音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ


WWW を検索 サイト内を検索 Google

メールマガジン登録

公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会

障害者情報ネットワーク

日本障害者リハビリテーション協会の活動にご支援をお願いします。(ご寄付)

JDF東日本大震災被災障害者総合支援本部

被災者生活支援ニュース(厚生労働省)

マルチメディアDAISY(デイジー)で東日本大震災に関わる情報を

障がい者制度改革推進会議

DINFのお知らせ

シンポジウム 「もっと知ろう、デイジー教科書を!」
日時:2013年02月03日(10:30~16:00)
場所:戸山サンライズ 大研修室
 

Enjoy Daisy 読めるって楽しい!

公益財団法人日本リハビリテーション協会は国際シンボルマークの取扱いを行なっています。

障害者福祉の総合月刊情報誌『ノーマライゼーション』発売中

マルチメディアDAISYのCD-ROM付き絵本『赤いハイヒール』発売中

よつば就労センター(よつば工房/ユイマール)

| HOME | よつば就労センター(よつば工房/ユイマール) |

更新日 2008-04-11 | 作成日 2008-01-31

障害者支援施設名称:よつば就労センター(よつば工房/ユイマール)

キャッチフレーズ:プログラムの工夫で精神障害者の就労支援に取り組む

施設概要

所在地:千葉県柏市柏の葉5-3
旧体系での名称(変更した場合):よつば工房
運営法人の名称:社会福祉法人よつば
運営法人の種別:社会福祉法人
運営法人の他事業運営状況:当該事業所以外にも障害者福祉事業を運営
施設連絡先(TEL):04-7133-3046
施設連絡先(FAX):04-7133-2986
施設連絡先(Eメール):Yotsuba @ jcom.home.ne.jp
事業を開始した時期(旧体系下):平成14年3月
旧体系での施設種別:精神障害者小規模通所授産施設
新体系へ移行した時期:平成19年4月
新体系での実施事業:就労移行支援,就労継続支援(B型)
キーワード:生活・日中活動の充実をめざす(生活重視),個々に応じたきめ細かいサービスを提供(個別支援重視),一般企業等への就労をサポート(就労移行重視)

施設の事業圏域

サービス提供範囲:柏市、流山市、我孫子市、千葉市
利用者の通所範囲:柏市

新体系事業の定員・利用者数

事業名 定員
(20年2月)
新体系移行直後の利用者数
(19年8月)
現在の利用者数
(20年2月)
就労移行支援 12名 6名 9名
就労継続支援(B型) 20名 12名 13名

職員数

常勤職員数:5名(20年2月)
非常勤職員数:1名(20年2月)

事業所全景
事業所全景
作業訓練
作業訓練

新体系事業

新事業として実施する際に留意したこと:

職員だけでなく、利用者、家族にも法律の理解を進めなければならないが、「保護するのではなく自立を支援する」という中心となる考え方が深く浸透するには勉強が必要で、時間もかかる。職員が県の主催する研修会などに参加し、内部全体と事業所別で研修会を開き、毎月の本部報告会でも検討を重ね法律の理解を進めた。職員の共通理解を進めることはなかなか難しく、現在も取り組んでいる。

サービスで力を入れていること:

「自立」というと就労が前面に出るが、まず精神の安定がなければ仕事も続かない。そこで、こころの安定を図るプログラムを組んだ。まず、就労準備、就労評価、就労訓練を行う第1段階。職場実習、トライアル就労を行う第2段階。そして就職フォローを行う第3段階という流れで、スタートする段階も期間も自由に選べるようにした。グループ制で運用しており、メンバーが同じ場で時間を過ごすことで、こころの安定を図り、刺激しあって自立への意欲を高めていけるようなよい形ができた。 また、サービス責任者が1人で個別支援計画を作るのではなく、利用者のこころの状態を一番よく知っているスタッフが計画作成に必ず参加するようにしている。

取り組みの工夫:

前述のプログラムの内容は、第1段階は論語を通じてモラル形成を行う自立リハビリ、生活リズムを擁立するエコワーク、コミュニケーションワーク、職業SST、パソコン等の職業準備訓練がある。第2段階では、より高度にしたエコワークと職業SST、職業訓練を行う。

就労移行支援、就労継続支援についてのスタンス・考え方:

就労に関してアンケートをとってみると、事務系への希望が多いが、実際就労する場所は清掃、販売等作業系が多くなっている。 トライアル就労では、体育館や庁舎の売店を他事業所と共同で引き受け、1名分を2名交代で販売業務についている。売店をまるごと委託してもらえるという話がきていて、ニーズ調査や仕入れなどよい勉強・訓練になるだろうと楽しみである。 センター内では軽作業を行っている。また、食品工場や公園の清掃作業、ドラッグストア物流センターでのピッキング作業などを行っている。ピッキング作業は2時間程度ずつだが、時給は700円程度である。 企業への渉外活動はまたあまり活発ではないが、働く場所はあり、ハローワークを通じての求人も現在6社ある。求人はあるのだが、問題は1名1日単位であることで、グループ就労や短時間就労が可能になるよう、働きかけをしている。また、こちら側も誰かが急に休んでも他の誰かが代わりに仕事できるような体制を整えることが必要である。

投資内容と成果

投資の具体的内容:

投資は、建物内の一部屋がたたきだったのを板張りにした程度。移行に伴い定員もほとんど倍になったので、少し手狭になっている。職業訓練に使うパソコンは大学から中古品を無料でもらい、プリンターだけ購入した。 職員は新法に合わせて増員した。

利用者の変化:

以前も1年に1人くらいはパートに出る人がいたが、工房内で作業する人は外を見ることがなかった。現在は工房内作業からトライアル就労など外に出る流れができている。

サービスの質の向上におけるポイント:

利用者には、時給700円以上、雇用契約して働くようになる人を身近に見ることが大きな刺激となっている。結果的に就労への希望が持て、明るくなっている。

運営面の状況、運営の安定におけるポイント:

移行時にたちあげたユイマール(就労移行)だけでなく、以前からのよつば工房(就労継続B型)にも利用者が多くなってきている。補助金収入だったときと比べると、人件費は増えたが収入が増して、実質的には経営が安定した。実際の利用者が多かったからで、来年はどうなるかわからない。 冒険はできないので、大きな投資をしないようにした。

関係機関や地域等との連携

行政、医療機関など専門機関との連携状況:

自治体からの紹介で、公園清掃、体育館・庁舎の売店での販売業務などの仕事を請け負っている。ハローワークは熱心に対応してくれて、障害者担当がよく訪問してくれている。また、千葉県の障害者就労・生活支援センター「ビッグ・ハート」は地域の特別支援学校や施設、企業を集めて月1回情報交換会を行っていて、少しずつ理解が進んでいる。

企業や学校等との連携の状況:

福祉系の6つの大学、専門学校から実習を受け入れている。また、柏市の福祉講座や専門学校、心理学専攻の学生などの見学もある。

地域の交流・連携の状況:

施設周辺は工場や大病院、行政施設、大学の研究所などが多く、地域とのつながりは町内よりも柏市、流山市、千葉市を含めて広く捉えている。その場所によって、どのように地域とつながるかは異なるものだと考えている。 国は地域福祉というが、地方にその力があるのか、支えあうような地域が本当にあるのかという疑問がある。しかし、地域福祉が実現できる場所はまだあると考える。眠っている社会資源と人材、それにお金を集めて実現したい。小学校の空き教室を貸してくれと教育委員会にかけあっているが、なかなか進まない。空き店舗、公団の空室等、うまく利用させてくれないものか、なんとか進めて行きたいと考えている。

課題等

柏市の保健所管内には約5000人の精神科通院者がいるが、法人の母体である親の会の会員は130名である。精神に問題を抱えている人の多くがひきこもり状態になっているのではないかと憂慮している。在宅でひきこもっている人に対して掘り起こしができればよいのだが、人手不足で対処できていないし、親の会のメンバーも増えていない。 新法が施行され、5年以内に移行しなければと検討を重ねたが、よくわからない状況であった。経営が不安定になるのではないかと不安だったが、自立支援の考え方自体はよいと考えた。平成18年から精神障害者が法定雇用率に算定されることになったことや、支援費制度から外されていた精神障害者がこの新法によって知的・身体障害と同等になるという点は画期的である。 個別支援体制をとるには、利用者の定員に対するジョブコーチの配置が少ない。ハローワークからのジョブコーチ派遣も毎日ではない。経営上増員は難しいので、職員にジョブコーチの研修を受けさせたい。研修が頻繁に催されて、手軽に受けられるようになってほしい。