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多機能型事業所エコーンファミリー

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更新日 2008-04-11 | 作成日 2008-01-31

障害者支援施設名称:多機能型事業所エコーンファミリー

キャッチフレーズ:個を大切にした多様な就労支援とオリジナル商品の開発

施設概要

所在地:長野県長野市川中島町今井1387-1
運営法人の名称:社会福祉法人花工房福祉会
運営法人の種別:社会福祉法人
運営法人の他事業運営状況:当該事業所以外にも障害者福祉事業を運営
施設連絡先(TEL):026-283-8787
施設連絡先(FAX):026-283-8703
施設連絡先(Eメール):ecorn @ avis.ne.jp
施設及び運営法人HPのURL:http://www.avis.ne.jp/~ecorn/
事業を開始した時期(旧体系下):平成12年4月
旧体系での施設種別:知的障害者通所授産施設
新体系へ移行した時期:平成19年4月
新体系での実施事業:生活介護,共同生活介護(ケアホ-ム),自立訓練(生活訓練),就労移行支援
キーワード:個々に応じたきめ細かいサービスを提供(個別支援重視),一般企業等への就労をサポート(就労移行重視),商品開発や工賃アップで働きがいを向上(工賃・商品開発重視)

施設の事業圏域

サービス提供範囲:長野市、千曲市、中条村、飯網町
利用者の通所範囲:長野市、千曲市、中条村、飯網町

新体系事業の定員・利用者数

事業名 定員
(20年2月)
新体系移行直後の利用者数
(19年4月)
現在の利用者数
(20年2月)
生活介護 20名 20名 20名
共同生活介護(ケアホ-ム) 4名 4名 4名
自立訓練(生活訓練) 10名 9名 10名
就労移行支援 30名 25名 26名

職員数

常勤職員数:9名(20年2月)
非常勤職員数:21名(20年2月)

パン班
パン班

新体系事業

新事業として実施する際に留意したこと:

障害者の個々の特性に合った事業を組み、個々が「楽しく生きる」ことができるようにすることを最も重視した。身体との重複の障害者も受け入れており、全面介助が必要でどうしても仕事ができない状態の利用者もいた。しかし、授産施設としては工賃を頂く限り何等かの仕事をしなければならないため、そのギャップに疑問を持っていた。新しい事業体系で、個々の特性に合った事業が組めるようになった。

サービスで力を入れていること:

もとの授産施設としての特性を生かし、自主製品を中心に、個々人に合った作業を作ること(接客の得意な人には接客の場を、手先の器用さが生かせる仕事を作るなど)に最も力を入れている。 一方で、仕事ばかりでなく生活にメリハリをつける、リフレッシュを図るために、音楽療法、ダンス、水泳などのプログラムを用意している。

取り組みの工夫:

利用者個々の特性を第一に考えたメニューを提供するようにしている。生活介護事業中心の「生活班」、就労移行メンバーが中心でヤマト運輸の配達業務を行う「ヤマト班」、就労移行の利用者支援で自主製作の「パン班」、「豆腐班」、畑・清掃・受託など多方面の仕事を行う「マルチ班」など、多様な作業班を作り、個々にあった活動ができるようにしている。 利用者を積極的に地域に出すことにも力を入れている。自主製品を通して地域とのつながりを作っていく。就労支援として時期が来たら突然地域に送るのではなく、日頃、地域の人と接点を多く作ることが大事である。作った花をリヤカーで売って回る、豆腐を宅配したり、地域の活動に参加するなど地域に出て行くことによって、地域の人と接点を作り、利用者と一生懸命働いている姿を見てもらうことで、障害者に対する不安感を拭い去り理解してもらえる。

就労移行支援、就労継続支援についてのスタンス・考え方:

パン・豆腐・竹炭・花など自主商品を開発し、利用者個々にあった就労メニューを見つけて支援している。自主商品の製作や販売を通して、個々にあった作業分野を見つけることができる。また、販売等で外に出ることによって現実の社会とのつながりを持つ実習の場になる。「あなたがいるからこの商品が出来る」「あなたがいるから良く売れる」というように、その人が活きる場、役に立てる場を提供することによって、自信ややる気を喚起出来る。 新たな自主商品開発として、平成19年12月から豆腐づくり・販売を開始したが、豆腐づくりは大量のおからが出、産業廃棄物になるので処理に困る。それでインターネットなどで調べてみると、おからのでない豆腐があることがわかり、県の農政部からその技術を持つ三重県の企業を紹介してもらい、そこから原料加工・技術指導を受け、おからの出ない「大豆まるごと豆腐」が出来た。栄養にも環境にも良く安心の商品が出来た。 今後も、現在ある自主商品の売り方の工夫や改良、販路拡大を図り、売上げアップにつなげたい。 全国の研修会で、世田谷区の施設で、ヤマト運輸のメール便の仕事を請け負って1人で自立して働き月5~6万円になっている事例が発表されたのを聞き、長野県でも出来るようお願いし、現在メール便の仕事を請け負っている。工賃が得られるだけでなく、配達作業によって地域の人との交流が増えた。 就労移行支援にも力を入れており、実習、施設外就労として6社程度から仕事を受けて工賃をもらっている。

投資内容と成果

投資の具体的内容:

新規自主商品である「豆腐」づくり・販売のための設備費 職員の増員(4名)

おおまかな投資額:

約600万円

利用者の変化:

利用者数は、新卒者と他施設から移行の人と合わせて10名ほど増えた。施設が選択される理由として、最も大きい要因は、いろんな作業メニューがあるので、その人にあった活動が出来ることだと思う。また、工賃が高い(平均約2万円/月)ことも選択理由の1つになっているようだ。 利用者の事業選択に当たっては、本人、親と個々に面談して本人に適切な事業を決めたが、スタートして1年の間に、生活介護利用者からもっと就労訓練をしたいという希望が出たり、逆に就労移行の利用者がプレッシャーでストレス状態になるということが起こっており、区分するのはなかなか難しい。見直しをし、利用者の配置換えをするなど柔軟に対応していきたい。

サービスの質の向上におけるポイント:

生活介護事業の利用者は、職員増員によって一層サービスが行き届くようになった、仕事に追われることなく利用者のペースに応じてゆっくりと作業ができる、職員主導で動くのでなく利用者の意志を確認しながら本人の意思で動けるまで待つことができるゆとりが出来た。 個々の目標レベルが違って良いのが、新事業移行のメリットである。以前の授産施設だと皆が一定働かなければいけない。利用者間でも、あまり働かない利用者がいるのになぜ自分は働かなければならないのかおかしい、といった不満が出ていたが、新体制では本人も納得して働ける。 職員には、県内の研修などに可能な限り参加させ、生の声を聞くことで時代の流れや支援のあり方を勉強させている。

運営面の状況、運営の安定におけるポイント:

利用者の人数が多いので、比較的安定した報酬がある。ただし、報酬単価は日額計算なので、休日数や利用者の休みなど月によって大きな差(多いときには100万円)が出るので不安定である。 豆腐など新事業展開により収入も着実に伸びており、工賃支給もアップする見通し。一方、定員が増えると、ひとり当たりの工賃が下がってしまうが、それをなんとか工夫することが管理者としての今後の課題である。 就労移行支援事業では2年間の期限があり、できなければ減額処分ということだが、どうしても就労できない人もいる。毎年決まった人数(当施設であれば6人)就労させるのは難しい。また、その一方で利用者が就労で減った分、定員を確保できるか不安である。特に年度途中で就労した場合、年度末まで欠員になってしまうので、各施設自身で待機者がいないか探さなければいけない。一括して待機者を掌握しておくシステムがあれば良い。

関係機関や地域等との連携

行政、医療機関など専門機関との連携状況:

行政との連携では、行政側から情報提供を受けるだけでなく、当施設を行政職員に良く知ってもらうことが大事であると考え、ここ3年、県の幹部職員の体験研修を受け入れている。福祉関係の部署に限らずいろんな部署の職員が毎年6~7人実習に来る。 地元新聞をはじめとしたマスコミを上手く使うことにも力を入れている。

企業や学校等との連携の状況:

県の「中小企業家同友会」に加盟した。加盟当初、福祉関係は異端的存在であったが、名刺交換をするうちに興味・関心を示してもらえるようになり、商品開発に役立つ情報・技術や材料等を提供してくれたり、就労移行のための実習の受け入れ先が開拓できた。 学校の実習は積極的に受け入れている。卒業後当施設を希望する人が多い。

地域の交流・連携の状況:

自主製品の販売に外に出ることで、地域の人との接点が出来ている。 地域の祭りや芸能交換会、社協の大会や地域文化祭等に参加。アトラクションで参加し、ダンスや歌の発表の場となっている。 地域の学校(中学校1件、小学校3件)とつながりを持っている。このうち1つの小学校から6年生が定期的に交流教育に来て、各作業班に入り利用者と一緒に活動している。

課題等

“障害があっても地域で当たり前の生活が送れる支援”のために 1.所得保障、即ち工賃アップの問題  管理者を含めた職員が何故工賃をアップする必要があるのかをしっかり考え話し合い、納得して行動を起こすことが必要でしょう。その上で施設の現状の見直し、商品開発、働く場の開拓等に立ち向かうことが出来るのでしょう。ここでは、福祉以外のプロの力を大いに取り入れることも大切だと思います。違った目線で物を見ることで気付かなかった何らかのアドバイスもいただけるでしょう。 2.一人の障害者を一施設が丸抱えは出来ません。  日中活動の場、生活の場、そして休日の過ごし方等々、障害者の生活は多岐にわたります。それぞれが担う役割をもった事業所がネットを組み支えあってこそ幸せな生活ができると考えます。 3.障害者の地域移行  そのためには、日頃から障害者理解の場を多くつくることでしょう。かまえず当たり前に接する機会をつくりたいです。