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世界各国の社会保障制度

スウェーデン
為替レート:1.00米ドル=6.37クローナ

老齢・障害・遺族

法的枠組み

最初の法制化:1913年

現行法:1962年、1998年(1999年施行、2002年改正)、2000年

制度の種類:国民皆・社会保険制度(旧制度)、統一社会保険、仮想・強制的個別勘定制度(新制度)

注:1999年、社会保険仮想勘定に強制的個別「プレミアム年金」勘定を加えた新制度が創設された。1938年から1953年までに生まれた者を対象に、旧制度から新制度へ段階的移行を実施中である。1954年以降に生まれた者は、新制度の対象となり、1937年以前に生まれた者は旧制度下での扱いとなる。

適用範囲

所得比例年金(旧制度):年間所得が40,500クローナを超えるすべての被用者と自営業者

所得比例年金(新制度):年間所得が16,800クローナを超えるすべての被用者と自営業者

プレミアム年金(新制度):年間所得が16,800クローナを超えるすべての被用者と自営業者

保証年金(旧制度・新制度):スウェーデンに居住するすべての者

財源

旧制度、新制度とも財源は共通である。

被保険者:老齢年金の場合は賦課所得の7%(最高359,115クローナ)。遺族年金の拠出はなし。

さらに、新制度対象の被保険者は、プレミアム年金の管理費として資産の年平均0.67%相当額を支払う(2005年)。

自営業者:老齢年金の場合は賦課所得の7%(最高359,115クローナ)に加え、賦課所得の10.21%。遺族年金は賦課所得の1.7%

さらに、新制度対象の自営業者は、プレミアム年金の管理費として資産の年平均0.67%相当額を支払う(2005年)。

事業主:老齢年金は給与の10.21%。遺族年金は給与の1.7%

注:被保険者と事業主の保険料(加えて、育児期、兵役中、勉学期間を対象とした政府職員年金受給権に対する少額政府拠出)の合計は、所得比例分の16%とプレミアム年金分の2.5%である。

政府:保証年金(新制度)と長期障害給付の総費用。政府は、中央政府公務員の所得比例拠出分を支払う。

受給要件

所得比例老齢年金(旧制度):加入期間が3年以上の65歳

早期退職年金:61歳から64歳までは減額年金が受給可能である。

年金の繰り下げ支給:70歳まで繰り下げが可能である。

年金は海外でも受給できる。

所得比例老齢年金(新制度):退職年齢は61歳から自由に選択できる。年金額は、制度に申告した生涯所得に基づいて決まる。被保険者は、年間所得が16,800クローナを超える年度がなければならない。

年金は海外でも受給できる。

プレミアム年金(新制度):年金は、16歳から制度に申告した生涯所得に基づいて決まる。

年金は海外でも受給できる。

保証年金(旧制度・新制度):65歳で、スウェーデンに3年以上居住し、所得比例年金からの受給が低所得または無所得の者

欧州連合と欧州経済地域の域内ならびにスウェーデンとの二国間協定を結ぶ国に限り、海外居住者でも年金を受給できる。

障害年金(疾病補償):被保険者の労働能力が25%以上損なわれたと判定され、障害が始まった時点で被保険者が保険対象になっていること。この年金は、居住期間と最低加入期間3年を前提に支給される居住型保証年金と、加入期間と無関係に被保険者が一定期間内にスウェーデンで1年以上の所得があることを条件とする所得比例年金の2本柱で構成される。

所得比例年金は、海外でも受給できる。保証年金は欧州連合と欧州経済地域の域内であれば海外でも受給できる。

遺族年金:年金は故人がスウェーデンに3年以上居住している場合に支給される居住型保証年金と、故人の給付確定済み老齢年金権に依存する所得比例遺族年金の2本柱で構成される。

所得比例年金は、海外でも受給できる。保証年金は欧州連合と欧州経済地域の域内であれば海外でも受給できる。

注:1990年1月1日に導入された移行規則は、遺族年金制度に適用される。

老齢給付

所得比例老齢年金(旧制度):所得が最も多かった15年間の40,500クローナを超える被保険者の平均所得の60%相当額である。所得が40,500クローナに満たない年の所得は、独身の年金受給者の場合は96%、既婚の年金受給者の場合は78.5%が補償される。

給付額算定のための平均所得水準は、年ごとに異なる。

満額受給のためには、30年以上の加入期間が必要である。加入期間が短い場合は、その分に応じて年金が減額される。

早期退職年金:65歳以前に受給する場合、1カ月早めるごとに0.5%が恒久的に減額される。

年金の繰り下げ支給:70歳まで繰り下げが可能で、1カ月繰り下げるごとに0.7%が恒久的に増額される。

老齢年金は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

所得比例老齢年金(新制度):仮想勘定によって支給される年金は、平均賃金(この算定にあたっては、障害年金も所得として算入される)の趨勢に基づく年間指数に加え、適切な年齢群の退職時点での平均余命と将来の平均賃金の予想増分の「基準」に基づく年金係数も用いて算定される。この係数で給付確定済み年金資産を除した結果が年金額となる。平均余命は最近5年間の男女同一平均余命予測の平均値に基づく。

平均賃金の増加基準は1.6%に設定されている。

老齢年金は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

プレミアム年金(新制度):保険料に加え、個人年金、連生年金、定額年金、変額年金のいずれかに転換される正味リターンに基づいている。

老齢年金は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

保証年金(旧制度・新制度):1938年以降に生まれた者の場合、40年以上の居住があり、所得比例年金を受給していなければ、独身の年金受給者には84,561クローナが支給される(既婚の年金受給者には75,430クローナ)。1937年以前に生まれた者の場合、独身の年金受給者には86,602クローナが支給される(既婚の年金受給者には77,153クローナ)。

老齢年金は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

長期障害給付

保証型疾病補償(障害年金):居住40年以上で所得比例給付のない被保険者に年95,280クローナが支給される。居住年数が40年に満たない場合、1年少ないごとに年金額が40分の1減額される。

部分的障害:障害程度の判定に応じて年金満額の4分の3、2分の1、4分の1のいずれかの減額年金が支給される。

常時介護補足給付:年に最高27,117クローナが支給される。

長期障害給付は課税対象である。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

所得比例疾病補償(障害年金):被保険者の将来の予定年間所得の64%相当額で、297,750クローナを上限とする。

予定将来所得は、給付を請求する年の直前の所定期間内で最も所得の多い3年間の平均に基づいて決定する。

最高年間給付額は190,560クローナである。

長期障害給付は課税対象である。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

遺族給付

保証遺族年金:故人と5年以上にわたって婚姻関係があったか同居(一定の条件あり)していた65歳未満の寡婦(寡夫)に支給される。

故人のスウェーデン居住年数が40年以上(死亡時年齢と65歳の間の実際の居住年数と推定居住年数を含む)で、生存配偶者が所得比例年金を受給していない場合、年金最高額は84,561クローナである。

再婚(または一定条件を満たす同居)または遺族が65歳に達すると年金は停止する。

遺族給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

所得比例遺族年金:老齢年金制度の下、故人の給付確定済み年金権の55%相当額である。

故人の被保険者と5年以上にわたって婚姻関係または同居関係(一定条件あり)があったか、被保険者の死亡時に18歳未満の子供を養育中だった65歳未満の寡婦(寡夫)に10カ月間支給される。遺族が18歳未満の子供の監護権を有する場合、支給期間が12カ月延長される。遺族が12歳未満の子供の監護権を有する場合、最年少の子供が12歳に達するまで年金支給が継続される。

再婚(または一定条件を満たす同居)または遺族が65歳に達すると年金は停止する。

遺族給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

遺児給付:遺児年金を受給していない場合、遺児が18歳(学生の場合は20歳)になるまで年15,880クローナが支給される。

遺族給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

遺児年金(育児年金):遺児が18歳(学生の場合は20歳)になるまで支給される。老齢年金制度の下、故人の給付確定済み年金権の35%(12歳未満の遺児の場合)または30%に相当する額である。遺児が複数の場合は1人につき25%(遺児が12歳未満の場合)または20%増額され、年金総額は遺児の間で均等に分割する。

遺児給付の総額は故人の年金の100%相当額を超えてはならない。成人が所得比例遺族年金または寡婦(寡夫)年金を受給している場合、遺児給付総額は故人の年金の80%を超えてはならない。

遺族給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

寡婦(寡夫)年金:1945年以前に生まれ、1990年以前に故人と婚姻関係があった寡婦(寡夫)には移行規則が適用される。

遺族給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

管理運営主体

スウェーデン社会保険庁(http://www.forsakringskassan.se)は、集中管理運営と監督にあたる。

地域・地方の社会保険機関は制度の管理にあたる。

プレミアム年金局(http://www.ppm.nu)は、強制的個人勘定を管理する。

自営業者の保険料は所得税とともに支払う。事業主の保険料は事業主の所得税支払い時に税務署が徴収する。

疾病・出産

法的枠組み

最初の法制化:1891年(現金給付)、1931年(医療給付)

現行法:1962年(国民保険)、1991年(疾病給付)

制度の種類:社会保険(現金給付)、国民皆(医療給付)制度

適用範囲

現金給付:年9,600クローナ以上の所得がある有給就業者

医療給付:スウェーデンに居住するすべての者

財源

被保険者

現金給付:なし

医療給付:なし

自営業者

現金給付:所得の9.61%(保険料の変動あり)に、育児現金給付(育児保険)として2.2%が加算される。

医療給付:なし

事業主

現金給付:給与の8.64%に、育児現金給付(育児保険)として2.2%が加算される。

医療給付:なし

政府

現金給付:なし

医療給付:県に相当する各地方自治体(ランスティング)が総費用を支給する。

受給要件

疾病現金給付:被保険者の年間雇用所得が9,600クローナを超えること。または非自発的失業者で職業安定所に登録していること。

育児現金給付(育児保険):すべての居住者は、保証された基本レベルで給付の受給権がある。出産日前の240日以上について保証レベルを超える疾病現金給付の対象となっている場合、それぞれの親に保証レベルを超える給付の受給権がある。

妊娠現金給付(育児保険):肉体的に過酷な労働に従事する妊婦の被用者で、事業主が軽負担の作業に異動させられない場合に、支給される。

一時的育児現金給付(育児保険):子供または子供の世話をする者が病気を患っている場合、12歳(重症、慢性疾患、障害の場合は16歳、特定条件に該当する場合は21歳または23歳)未満の子供の世話のために支給される。

疾病・出産給付

疾病給付:被保険者の所得損失分の80%相当額である。ただし、年間所得上限を297,750クローナとする。就業不能15日目から就業不能の期間中、支給される。給付は週7日支給される。年金受給者は、退職後180日分の給付に制限される。

事業主は、被保険者の所得損失分の80%に相当する額の疾病給付を、2日目から14日目まで日払いで当該被保険者に支給する。

自営業者その他受給資格のある非被用者は、所得損失分の80%を2日目から14日目まで受給できる(受給資格日数は変わることがある)。

最高給付日額は652クローナである。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

出産のための育児現金給付(育児保険):被保険者の所得損失額の80%相当額(保証給付は日額180クローナ)が390日間支給され、さらに基本レベルの日額60クローナが別途90日間支給される。両親に対する総給付期間は、子供1人につき合わせて480日間で、出産予定日60日前から子供が8歳になるまで支給される。

390日間の最高給付日額は652クローナである。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

妊娠現金給付(育児保険):被保険者の所得損失分の80%相当額である。出産予定日の60日前から11日前までの間に開始され、50日間支給される。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

一時的育児現金給付(育児保険):被保険者の所得損失分の80%相当額で、年間所得上限は297,700クローナである。両親に対する総給付期間は、子供1人につき合わせて60日間である。病気を患っている子供についてはさらに子供1人につき60日間支給される(介護者には支給されない)。父親は、子供の誕生に伴ってさらに10日間の給付受給権が与えられる。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

労働者医療給付

給付には、20歳以下の子供を対象とする無料の医療・歯科医療、基本的歯科医療・予防歯科医療の助成、補てつ治療の上限額設定、無料インスリンが含まれる。

費用負担:1回の診療ごとに60クローナから300クローナの費用を負担し、12カ月間で900クローナを上限とする。公立病院での入院治療(産科病棟を含む)については、患者は日額最高80クローナを支払う(ただし低所得者は減額される)。

交通費の一定割合は払い戻される。

他の医療費については、12カ月間に900クローナを上限に患者が全額を支払う。その後、他の医療費について患者が支払う部分的費用は年1,800クローナを超えない。

扶養家族医療給付

給付には、20歳以下の子供を対象とする無料の医療・歯科医療、基本的歯科医療・予防歯科医療の助成、補てつ治療の上限額設定、無料インスリンが含まれる。

費用負担:1回の診療ごとに60クローナから300クローナの費用を負担し、12カ月間で900クローナを上限とする。公立病院での入院治療(産科病棟を含む)については、患者は日額最高80クローナを支払う(ただし低所得者は減額される)。

交通費の一定割合は払い戻される。

他の医療費については、12カ月間に900クローナを上限に患者が全額を支払う。その後、他の医療費について患者が支払う部分的費用は年1,800クローナを超えない。

管理運営主体

現金給付:スウェーデン社会保険庁(http://www.forsakringskassan.se)は、集中管理運営と監督にあたる。

地域・地方の社会保険機関は制度の管理にあたる。

被用者と自営業者の保険料は、所得税とともに支払う。事業主の保険料は事業主の所得税支払い時に税務署が徴収する。

医療給付:保健福祉庁は中央の監督を担う。

県に相当する各地方自治体(ランスティング)が制度の管理と財源を担当する。

労働災害

法的枠組み

最初の法制化:1901年

現行法:1976年(社会保険)1992年・2002年・2005年に改正、1991年(疾病給付)

制度の種類:社会保険制度

適用範囲

すべての被用者・自営業者

財源

被保険者:なし

自営業者:申告所得の0.68%

事業主:給与の0.68%

政府:なし

受給要件

労働災害給付:最低限の受給資格期間はない。

一時的就業不能給付

給付内容は、前述「疾病・出産」の項の疾病給付と同一である。

被保険者の所得損失分の80%相当額である。ただし、年間所得上限を297,750クローナとする。就業不能15日目から就業不能の期間中、支給される。給付は週7日支給される。年金受給者は、退職後180日分の給付に制限される。

事業主は、被保険者の所得損失分の80%に相当する額の疾病給付を、2日目から14日目まで日払いで当該被保険者に支給する。

自営業者は、所得損失分の80%を2日目から14日目まで受給できる(受給資格日数は変わることがある)。

最高給付日額は652クローナである。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、消費者物価指数の変動に応じて毎年調整される。

長期障害給付

長期障害給付:稼得能力の完全損失(100%)の場合、給付額は被保険者の所得損失分の100%相当額で、年間297,400クローナを上限とする。

部分的障害:稼得能力損失の判定が15分の1以上の場合、稼得能力損失の判定に応じた給付額が支給される。

長期障害給付の支給は、疾病補償給付の支給で調整される(前述の「老齢・障害・遺族」の項を参照)。

労働災害給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、賃金・消費者物価複合指数の変動に応じて毎年調整される。

労働者医療給付

給付には、補てつ治療の上限額設定が含まれる。

費用負担:1回の診療ごとに60クローナから300クローナの費用を負担し、12カ月間で900クローナを上限とする。公立病院での入院治療については、患者は日額最高80クローナを支払う(ただし低所得者は減額される)。

交通費の一定割合は払い戻される。

他の医療費については、12カ月間に900クローナを上限に患者が全額を支払う。その後、他の医療費について患者が支払う部分的費用は年1,800クローナを超えない。

遺族給付

遺族年金(調整年金):故人に支給されていたか支給予定だった長期障害給付の45%相当額である。故人の子供に遺児年金が支給されている場合は20%相当額である。

故人の被保険者と、故人の死亡直前の5年以上にわたって婚姻関係または同居関係(一定条件あり)があったか、被保険者の死亡時に18歳未満の子供を養育中だった65歳未満の寡婦(寡夫)に10カ月間支給される。遺族が18歳未満の子供の監護権を有する場合、支給期間が12カ月延長される。遺族が12歳未満の子供の監護権を有する場合、最年少の子供が12歳に達するまで年金支給が継続される。

遺児年金(育児年金):18歳(学生の場合は20歳)未満の遺児1人につき、故人に支給されていたか支給予定だった長期障害給付の40%が支給される。受給資格のある遺児が複数いる場合、1人増えるごとに20%増額される。年金総額は受給権のある遺児の数によって異なる。給付は、受給権のあるすべての遺児の間で均等に分割される。

遺族給付の総額は、故人が死亡時点での労働能力完全損失のために受給権が与えられるはずだった年金額の100%相当額を超えない。

遺族年金は課税対象となる。

葬儀手当:11,820クローナが寡婦(寡夫)に支給される。

給付額調整:給付額は、賃金指数の変動に応じて毎年調整される。

管理運営主体

スウェーデン社会保険庁(http://www.forsakringskassan.se)は、集中管理運営と監督にあたる。

地域・地方の社会保険機関は制度の管理にあたる。

失業

法的枠組み

最初の法制化:1934年

現行法:1997年、施行は1998年、改正あり

制度の種類:基本保険と任意加入の所得比例保険制度で構成される助成付き制度

適用範囲

任意加入制度:65歳未満の被用者と自営業者

基本制度:20歳以上65歳未満で所得比例保険の受給権がない被用者と求職者(任意加入制度)

注:所得比例給付を受給するためには、失業金庫(任意加入制度)の加入者でなければならない。すべての金庫は、該当する業務部門・事業分野のいかなる被用者であれ、任意加入を受け入れなければならない。金庫と組合の間には提携関係がある。

財源

被保険者:任意加入制度については、被保険者が加入費用を負担する。

自営業者:任意加入制度については、自営業者が加入費用を負担する。

事業主:給与に対する一定割合として算定される労働市場保険料の中から、事業主が失業保険の費用をまかなう。

政府:なし。必要に応じて赤字があれば補填する。

受給要件

失業給付:失業者で、求職者として公共職業安定所に登録し、1日3時間以上、週平均17時間以上、適職を受け入れる能力と意志があること。

失業前の12カ月間のうち、最低6カ月間(月80時間以上)または連続6カ月の期間中に480時間以上の雇用実績があること。自営業者も同じ受給要件を満たすこと。

自己都合退職または違法行為を原因とする失業期間中、給付対象日数のうち10日間から60日間は失業給付が停止される。適職または訓練を拒否した場合または違法行為によって求人の撤回を招いた場合、失業給付が25%または50%減額される。

失業給付

基本的失業給付:被保険者の失業前の労働時間が週40時間あった場合、日額320クローナの定額給付が支給される。週40時間に満たない場合、労働時間に応じて給付が減額される。給付は、給付期間中、最大300日支給される。18歳未満の子供が1人以上いる被保険者の場合、給付期間が150日延長されることがある。給付は週5日間支給される。

基本的給付は、5日間の待機期間を経て支給される。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、政府が臨時調整する。この調整は消費者物価指数や賃金指数と直接連動しない。

任意加入の所得比例給付:給付期間の最初の200日間については、被保険者の従前所得の80%相当額が支給され、その後は被保険者の従前所得の70%相当額が支給される。最高給付額は日額680クローナである。給付は、給付期間中、最大300日支給される。18歳未満の子供が1人以上いる被保険者の場合、給付期間が150日延長されることがある。給付は週5日間支給される。被保険者は、失業金庫の加入期間が12カ月以上なくてはならない。

任意加入給付は、5日間の待機期間を経て支給される。

給付は課税対象となる。

給付額調整:給付額は、政府が臨時調整する。この調整は消費者物価指数や賃金指数と直接連動しない。

管理運営主体

スウェーデン失業保険局(http://www.iaf.se)の監督の下、36の失業保険金庫が運営されている。

家族手当

法的枠組み

最初の法制化:1947年(児童手当)、1964年(前払い扶養金)

現行法:1947年(児童手当)改正あり、1993年(住宅手当)、1996年(扶養支援)

制度の種類:国民皆制度

適用範囲

児童手当:スウェーデン居住者で、受給資格を満たす子供がいるすべての者

扶養支援:片方の親と長期的に生活する子供で、受給資格のある者すべて

育児保険給付については、前述の「疾病・出産」の項を参照

財源

被保険者:なし

自営業者:なし

事業主:なし

政府:費用総額(扶養支援費用は、扶養に責任がある親からの返済によって部分的に補填される)

受給要件

児童手当:16歳(学生の場合は20歳、学習障害の子供のために学校に付き添っている場合は23歳)未満の子供とする。

扶養支援:18歳(当該年度の6月まで学生の場合は20歳)未満の子供で、両親のどちらか一方だけと長期的に生活しており、その親が子供に扶養支援並みの支援を与えられないことが条件である。子供が住居を替える場合、子供の法定監護権を有する親に補填扶養支援が支給される。

家族手当給付

児童手当:子供1人当たり月1,050クローナが支給される。

2人以上の子供がいる家庭には補足給付が支給される(第2子に100クローナ、第3子に354クローナ、第4子に860クローナ、第5子以降は1,050クローナ)。

扶養支援:扶養支援満額は子供1人当たり月1,273クローナである。年100,000クローナの基準を超える所得のある子供の場合、基準額超過分の半額相当が扶養支援から減額される。扶養責任を負う親が子供に一定額を後日直接支払う場合に、補填扶養支援が支給される。

給付額調整:給付額は、政府が臨時調整する。この調整は消費者物価指数や賃金指数と直接連動しない。

管理運営主体

スウェーデン社会保険庁(http://www.forsakringskassan.se)は、集中管理運営と監督にあたる。

地域・地方の社会保険機関は制度の管理にあたる。