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社会の中で働く自閉症者 -就労事例集-

池田輝子記念福祉基金障がい者ジョブコーチ支援事業

序文

社会の中で働く自閉症者の発刊にあって

池田 輝子
池田輝子・雅太郎・實記念福祉基金

本書の発刊に際し浦和大学の寺島彰先生を始め、財団法人日本リハビリテーション協会情報センターの皆様方のご協力を賜り心より御礼申し上げます。特に大妻女子大学の小川浩先生には、長年積上げて来られた貴重なご経験を踏まえ、多くの事例を提供して戴きました。心より感謝申し上げます。

私が現在副理事長を務めており、日中の大部分を過している地域ケア福祉センター池田会館は利用者の人達(精神障がいを持った人達)に「ここは究極のデイケア、グループホームだ」と言われておりますが、実際に精神障がいのある人にとりまして就労というのはとても困難な事なのです。

国がどんなに旗振りをしてくれても現実は精神障がい者、知的障がい者に対する社会の理解は全くと言っていい程なく、むしろ差別的ないじめを受けて離職する人を数多く見てまいりました。

今回のジョブコーチ支援事業では、主に精神障がい・発達障がい・知的障がいの中でも自閉症者の就労事例を集めてジョブコーチの大切さ、障がいがあってもきちんとした援助があれば社会にとって有用な人材として働く事が出来るという事を多くの皆様に知って頂きたいと思います。その第1歩として事例集を発刊する事になりました。

身体・精神・知的の3障がいと言われますが、誰が自ら望んで傷がい者になったのでしょうか?本人の責任では決してないのです。そういう人達にとってニーズに応じた援助なしには自立は困難です。

これからも私の基金で立ち上げた障がい者自立支援事業を通して障がいがあっても適切な援助を受けて自立できる人が1人でも多く社会に羽ばたいてくれる事を切に願って止みません。

最後になりましたが、私の意向を十分に汲み取り基金の設立をして頂いた社会福祉法人日本点字図書館理事長田中徹二先生に厚く御礼申し上げます。

平成18年3月