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2004年度サムハル社(スウェーデン)年次報告書

-取締役会報告書-

サムハルは雇用を通じて障害者に発展の機会を提供する、スウェーデンにおけるリーディングカンパニーを目指している。

2004年秋、サムハルの取締役会は2005年から2007年までの事業計画を設定した。この計画は、取締役会が定めた戦略目的に基づいている。

戦略目的

  • サムハルは障害者の長期雇用を進めるリーディングカンパニーとなることと、「能力開発のための雇用」における第一人者となることを目指す。
  • サムハルは障害のある従業員の給料として支払われる費用の最高90%を限度として支給される追加費用補助金の範囲内で職務を実行する。
  • サムハルは各従業員の能力開発のニーズに焦点を当てた極めて個人的な展望と、幅広い職務を提供する営利ビジネスとを結びつける。
  • サムハルは雇用の増加と研修及びその他の能力開発のための活動を通じ、雇用によって価値を生み出す。
  • 世界の国々がサムハルを、雇用を通じて障害者に発展の機会を提供するスウェーデンのリーディングカンパニーとして認める。

全国規模の企業、地域に根ざした経営

サムハルは全国規模の企業で、人口とニーズに応じて国中に適正に分布している職場へのアクセスを保証している。このような企業では、 国内外の取引先からの注文は国全体に配分され、「地域の」生産は、単独では決してそのような注文を受けられないユニットやロケーションに割り当てられる。

経済の国際化がかつてない速さで進んだ結果、サムハルも他の下請け企業と同様、非常に困難な国際競争に巻き込まれ、 多くの大口のビジネスが失われた。そのため、過去2,3年の間にサムハルは、製造業からサービス業へと事業の大幅なリストラを実施した。 しかしこのような傾向にもかかわらず、スウェーデン全体、特に政策が整っていない地域やサービス業の市場があまり発達していない地域では、 サムハルは今後もかなりの製造活動を続けていくものと思われる。

10000のサービス業の仕事を創出

僅か10年間で、サムハルはサービス部門において10000を越える新たな仕事を創出し、 現在サムハルの従業員の半数がサービス業に従事している。これに伴い、多くの従業員が仕事や職場を完全に変えなければならなかった。 このため新たな仕事に向かう従業員を動機付け、教育し、支援する十分なイニシアティブが必要とされている

サービス部門における事業の割合が高まる傾向にあることはまた、地域でのビジネスの割合が高まっていることを意味する。 そしてこのことが、地域でのサムハルの存在感を強化するという非常に明確な目的を掲げた組織改革を常に推進していく上でも、 中心的な役割を果たしてきた。サムハルはローカルユニットで構成されており、それが実際のところ全組織の基盤となっている。 地域では、市当局との協力が発展の重要な鍵となる。

サムハルの全国性は、地域事業に焦点を当てていることとなんら矛盾するものではない。全国的な組織は、 地域のビジネス活動が仕事の基盤としてますます重要になりつつある市場においてさえも、重要な役割を果たす。 全国規模の会社は人事及びビジネスの開発に関して、総合的な見方をすることができるからである。

共通のビジネス観

迅速に成長しつつあるサービス部門においては、サムハルのような企業は地域の事業及びビジネスを支援する上で、 共通のビジネス観を展開することができる。このビジネス観に基づき、良好な職場環境と生産計画を維持しながら、 大口の仕事と小口の仕事の両方を様々な部門においてプロフェッショナルに実行することができるのである。 このようなビジネス観には、仕事のオリエンテーション及び職業訓練の実施と、新たな、かつ成長しつつある分野において障害者に 機会を提供することが含まれ、障害者が参加し、その知識と経験を貢献できる市場を築くことに役立てられる。 その結果、サムハルは障害者もこれらの市場に参加し、仕事を得るために競争する当然の役割と権利を持つということを示すことができる。

10年もたたないうちに、サムハルはサービス部門において10000を越える新たな仕事を創出した。現在サムハルの従業員の半数がこれに従事している。