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2004年度サムハル社(スウェーデン)年次報告書

-25年間の社会的効用-

過去25年間、サムハルは97400人の障害者を雇用してきた。

サムハルは1980年1月1日にフュレターグニ社として設立された。 この組織は全ての福祉作業所、事務作業センター、失業対策製造事業及びある種の内職の仕事などを継承した。 当時、市や地方自治体、スウェーデン全国労働市場委員会、州労働委員会その他が経営する工場は全部で370あった。 新たな国営の企業グループ結成の目的の一つは、経営レベルを上げることで、財政状態を改善し、仕事を国全体により公平に分配することであった。 1970年代には、研究者が広範囲に渡る多様な活動について数々の研究を行った。

97400人の従業員

過去25年間、97400人の障害者がサムハルの従業員として働いてきた。 同社が発足したときは合計約27000人の従業員がおり、そのうち約21400人が障害を持っていた。 1980年代の終わりには、それまでで最高の仕事件数(労働時間数で表した数値)を達成するための体制を政府が打ち立て、 それが政府からの補助金を計算する際の基準とされた。しかし1990年代になると、決められた補助金の額に対して 最低限達成すべき数値目標を設定するやり方へと変更された。サムハルの障害のある従業員数は、 1980年代の21400人から1990年の最高30400人へと徐々に増加していった。それ以後、 従業員数は現在の約22000人のレベルまで着実に減少してきている。

障害のない従業員の数と割合は近年大きく減少している。1980年にサムハルは5400人の健常者を雇用していたが、現在は約1800人である。

23300人の移行者

これまで合計23300人が、しばらくの間サムハルで働いた後、他の雇用機関での仕事へと移り、 ステップアップすることに成功してきた。1980年代初めには移行者数は年間従業員数の1%を少し越える程度(約300人)であった。 移行の割合はその後着実に増加し、1988/89年に5.4%に達した。1990年代から2004年にかけては移行の割合は様々で、 2.2%から5.7%の間であった。1993年には、政府が最低3%の移行を義務づけ、2000年にはこれが5%に引き上げられた。

サービス業の増加

1980年当初、サムハルは370の工場において様々な製造業の仕事を提供することぐらいしかできなかった。 しかし1980年代及び1990年代になると事業が拡大され、地域ごとにばらばらに行われていた非常に小規模の工業生産から、 家具、電信部品などの部門における相当数の輸出を伴う製造業グループへと進化していった。 その後広範なリストラが1990年代に始まり、これによって製造活動は徐々にサービス業にとってかわられた。 1990年代初めから、サムハルは10000以上の新たなサービス業の仕事を創出しており、 子会社であるサムハル人材会社の後援により、職業リハビリテーション及び従業員の能力開発の分野におけるサービスも開発され、 地域の社会保険事務所、市その他の雇用機関に提供されている。

組織改革

1980年から1992年まで、サムハルの事業は24の地方自治体を基盤にした組織と一つの中央組織からの寄付金 によって運営される財団のような形をとって経営され、政府と各州が地域の企業のために財団を設立していた。 1992年、この組織が国営のサムハル社を親会社とした地域の子会社からなる企業グループへと再編成された。 この合併の結果、サムハル 社は自由にグループ内の会社組織を指揮し、変革することができるようになった。 1992年以降、地域子会社の数は合併の結果減少していき、2002年以降はスウェーデンにおける全ての活動がサムハル社という一企業内で実施されている。