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2004年度サムハル社(スウェーデン)年次報告書

我々を取り巻く世界-

労働力へのニーズの高まり

国際的な競争力をつける必要に迫られ、スウェーデンのビジネス界は大きな構造改革を強いられている。 製造の仕事は低賃金の国々へと移行していった。我々はこの構造改革が今後も続き、製造業からサービス業への移行に影響を与えるものと期待している。

労働市場政策の実施を担うサムハルは、政府の政治的立場と労働市場政策、社会政策及び障害者政策、更に労働市場の発展に左右される。 政府の政策はサムハルの任務の設定と、それを実施する際の経済状態の両方に影響を与える。

スウェーデンでは高齢化が徐々に進行しているが、このような人口統計学的傾向は、 複数の部門で今後労働力へのニーズが高まるであろうということを意味している。 スウェーデンでは経済及び福祉制度のニーズを満たすため、就労者数を増やす必要がある。 このことを背景に、サムハルは職場における真の戦力としての障害者の立場に焦点を当てたいと考えている。

我々は将来の労働市場政策では、より多くの人々を労働市場に参入させ、或いは復帰させる必要があると、 更に明確に打ち出されるものと期待している。財政面からのプレッシャーにより、政府は既存の人材や資金を 最大限利用するよう強いられるため、このような傾向は更に強まると思われる。

同時に、未来の職場が障害者にとっていかにアクセシブルになるかを問いかけてみてはどうだろうか? 適応性、仕事のペース、教育、ソーシャルスキルその他への要求が高まってきたために、 障害者の就労に当たって新たな問題が生じている。ここにおいても、職場をよりアクセシブルにし、 かつより適応しやすくするために変革が必要であろう。労働力へのニーズが高まれば、そのような変革に対するプレッシャーも増すと思われる。 しかしながら、ここしばらくの間は、特に職場での継続的な支援や改善が必要な障害者の組織的な雇用のような、 様々な形態の支援付きの仕事に対するニーズは、かなり残りそうである。

福祉制度を維持するために、スウェーデンはより多くの就労者を必要としている。 サムハルの任務は、職場における戦力としての障害者に焦点を当てることである。