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チャレンジDAISY

-新しい録音資料作りをめざして-

NO.1 / 1998.8.1

1998年当時のDAISYの作成方法が分かる資料です。(2007年現在の作成方法とは異なります。)


2.プレクストークはどんな機械か

2.1 どんな形の機械ですか?
 幅18.3cm、奥29.5cm、高さ7.1cmで、卓上カセットテープレコーダーぐらいの大きさの機械です。録音図書のCDは、キャディというケースに入れて、機械の手前側から挿入します。
 機械の上面には、たくさんの操作キーやつまみが並んでいます。「再生/停止」「送り」「戻し」の各キーと、「ボリューム」つまみ、「トーン」つまみは、カセットテープレコーダーと同じように使います。「1」から「0」までの数字のキー(テンキー)は、ページ番号を指定するときなどに使います。「上」「下」「左」「右」の方向キー(十字キー)は、見出しごとに移動するときに使います。その他、しおりを付けるキーなどもあります。

2.2 見出し移動は、どうやってするのですか?
 音楽CDプレーヤーにも、次の曲や前の曲の頭出し機能は備わっています。しかし、DAISYの見出し移動機能には、階層レベルという考え方が取り入れられていて、さらに便利になっています。
 本の見出しの付け方を思い出してみると、1章・2章といった大きな見出しの下に、1節・2節といった小さな見出しがあり、さらにその下に1項・2項といったもっと小さな見出しがあるというように、見出しが階層構造になっています。DAISYでは、章の段階を「レベル1」、節の段階を「レベル2」、項の段階を「レベル3」というように呼びます。
 見出しの移動には十字キーを使います。「左」キーで前の見出しに戻り、「右」キーで次の見出しに進みます。そして、「上」キーと「下」キーで、階層レベルを変えます。例えば、ある本を再生し始めたときには、階層レベルが1の状態ですので、「左」「右」キーで章単位に移動しますが、「下」キーを1回押すと、階層レベルが2の状態となり、節単位に移動できるようになります。最初は大きな見出しで、読みたい内容が書かれているところを探し、ついで小さな見出しを追っていくというような使い方ができるのです。

2.3 ページを指定するには、どうするのですか?
 テンキーと「ページ」キーを使います。本の153ページを開きたいのであれば、「1」「5」「3」と順に押し、最後に「ページ」キーを押せばよいのです。この機能により、目次や索引から読みたいページをすぐに開くことができるのです。
 また、現在何ページを再生しているかを知るには、再生中に「ページ」キーだけを押します。すると、「ページ153」のように、音声で知らせてくれます。
 DAISYのページ機能は、原本のページ数をそのまま入れる使い方もありますが、もっと別の工夫もあります。例えば、辞書や文献リストのような資料では、原本のページ数とは関係なく、項目ごとに「ページ1」「ページ2」……と番号をふっていくことで、別の項目の参照を容易にすることができます。また、「2章3節1項」を「ページ231」にするというように、見出しの番号とページ数を関連付けてしまうという方法もあります。これらの工夫は、図書を録音・編集する段階で検討され、それに基づいたページ付けを行う必要があります。

2.4 しおりを付ける機能は、どのようにして使うのですか?
 再生中に「しおりセット」キーを押すと、その位置に印が付きます。しおりは、1つのタイトルに20ヵ所まで付けることができ、タイトルの最初の方から順に「1」「2」……と自動的に番号がふられます。
 しおりを付けたところに移動するには、テンキーで、しおりの番号を押してから「しおり」キーを押します。また、数字のかわりに「#」を押してから「しおり」キーを押すと、次のしおりの位置に移動し、「*」を押してから「しおり」キーを押すと、前のしおりの位置に移動することができます。
 しおりを付けた位置は、CDをプレクストークから抜いても、プレクストークの電源を切っても、10タイトル分については記憶されています。また、前回再生を中断した位置も記憶されていますから、本を途中まで聞いて電源を切っても、次に電源を入れれば、すぐに続きを聞くことができます。

2.5 時間を知らせる機能は、どのようなものですか?
 プレクストークには、タイトル全体の録音時間、今までの経過時間、および残りの時間を知らせる機能があります。再生を停止しているときに「時間」キーを押すと、「トータル、1時間39分」のように、全録音時間を音声で知らせます。また、再生中に「時間」キーを押すと、「25分経過、残り1時間14分」のように、経過時間と残り時間を知らせます。これにより、どれぐらいの長さの本なのか、何割ぐらい読み進んだかなどが分かります。

2.6 音楽CDも聞くことができるのですか?
 プレクストークでは、DAISY形式の録音図書CD以外に、一般の音楽CDも聞くことができます。「左」「右」キーを使ってトラックの頭出しをしたり、テンキーを使って特定のトラックの再生も可能です。本体のスピーカーはモノラルですが、ヘッドホンを使えばステレオで聞けます。
 8cmの音楽CDは、専用アダプターを使うことで再生できます。

2.7 プレクストークでは録音はできないのですか?
 現在のプレクストークは、再生専用機です。DAISY形式の録音・編集には、パソコンと専用ソフトが必要です。
 しかし、視覚障害者にとっても、音訳者にとっても、手軽にDAISYの録音ができる小型の機械が必要とされているのは事実です。今後の開発に期待するところです。


編集・発行: デジタル音声情報システム促進委員会
事務局:  日本障害者リハビリテーション協会内
TEL:  03-5273-0601

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