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一市民として政治に参加する権利

障害を持つ女性、そして権利への尊厳を守るために

マリア・アレハンドラ・ビジャヌエバ・コントレラス
(Maria Alejandra Villanueva Contreras)
ペルーダウン症協会

国連障害者の権利条約 第4回加盟国会議
2011年9月7日-9日
ニューヨーク
円卓会議 2 「政治的および公的活動への効果的かつ完全参加の保証」(9月8日)での発表


こんばんは。
私はマリア・アレハンドラ・ビジャヌエバ・コントレラスです。29歳です。ペルーダウン症協会の劇団で女優をしています。私は世界七不思議の一つ、マチュピチュがあるペルーからやってきました。

私はこの重要なイベントに招待されたことをとても光栄に思っています。私は、私と同じようにこの国で政治的活動および公的活動に参加する権利を持っていなかった人々の意見を伝えに来ました。障害者権利条約の第29条にもとづくと、私が投票権を奪われたことは、この権利が侵害されたことになります。

ペルーで最近行われた選挙では、約2万人の障害を持つ人たちが投票することができませんでした。なぜなら全国身分登録局(RENIEC)が障害を持つ人々を投票者名簿に加えなかったからです。

次に、私の国での政治活動における私の体験を話します。

私が子どものとき、家族みんなが立候補者についてどのように話していて、投票に行っていたのかを見ていました。両親は私の手をとり、サインペンで私の指に字を書き、「投票は終わり」と言っていました。それはまるで遊びでした。
しかし、私が成人になったとき、はじめて身分証明書をもらい、その遊びが現実のものになりました。その日から、私はすべての選挙で私の州出身の立候補者に投票しました。

2010年の3月のはじめに私の身分証明の期限が切れ、パスポートを取得するために身分証明書を更新する必要が生じました。そのとき、係りの人は、すべての質問を私自身ではなく私の母に投げかけ始めました。それはまるで私が存在していなかったかのような態度でした。私はまるで透明人間になってしまった気持ちでした。係りのひとが母親に、私のためにサインするようにいったとき、彼女はそれを拒否し、私がサインすることができ、選挙では投票したことがあると伝えました。

担当者は、「彼女は、これからはもう投票に行けない」と答えました。私たちは抗議をし、クレーム窓口に連れていかれました。そこでは身体障害者のみが投票できる列があると言われました。そのうえ、私をその場にひきとどめておくように母に忠告しました。その瞬間、私はとても気分を害されました。除け者扱いされた気分でした。私は投票グループのない身分証を受け取らなければなりませんでした。

その年の3月21日(世界ダウン症の日)に、私は国会で劇団の仲間と共にペルーダウン症協会の集会に出席し、そこにはオンブズマン(公的仲裁機関)も招待されていました。オンブズマンの代表は、いかなる差別も暴力も事務所に届け出されなければならないと発表しました。彼が話し終えた後、我々は起こったできごとを伝えるため彼に近づきました。その次の日、私たちはオンブズマンの事務所で告発を行いました。というのも、全国身分登録局が、憲法と障害者権利条約で述べられている協定を守っていなかったからです。オンブズマンは我々が自分たちを治める代表者を選ぶ権利を取り戻す手助けをしてくれました。

12月2日、オンブズマンの代表は私の母に電話をかけ、私の身分証が投票グループに加えられるためには12月11日までに全国身分登録局に行かなければならないと伝えました。2011年の大統領選挙を行うために投票者名簿への登録がその日に締め切られるからです。

投票者名簿に私を含めるよう命令が下っていたにもかかわらず、実現させるのは容易なことではありませんでした。幸運なことに手書きの命令書のコピーを持っていました、というのも役所の人たちがその存在についてあまりよく知らなかったからです。3時間待ち、母からの要求もあり、遂に私の身分証を現在の投票グループに登録することができたのです。私たちは大きな満足感を得ることができましたが、その瞬間を傷つけることが一つだけありました。それは、「所見欄」に「精神障害」と書かれるのを受け入れなければならなかったということです。その方法でなければペルーで行われた前回の大統領選で私は他の人と同様に投票することができなかったのです。この1フレーズを除外することが、私が直面するもう一つの戦いです。

私は他の人と同じ一市民でありたいです、そして、障害を持つ女性とその権利への尊厳を守るために戦いたいと思います。

私の夢は、障害を持つ女性が虐待されず、差別されず、屈辱や暴力を受けなくなることです。国家が我々に認められている権利を尊重することを求めます。そしてこの集会が、ダウン症の人は、父や母の意見ではなく、私達自身の意見を持っているということにすべての人々が気付くきっかけになりますように願っています。私達は代表者にどうやって投票するかを知っているし、投票したいと思っているのです。同様に、選出されることもできるのです。あたりまえのことです。

最後に、家族、先生方、ダウン症協会、オンブズマン、障害者権利基金、オープンソサエティー財団、そして私がこの集会に出席するための援助をしてくれたすべての人達に感謝します。

ご清聴ありがとうございました。