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国連トップ、画期的な障害者権利条約の実現を歓迎

国連ニュース
2008年4月4日

 2008年4月4日-国連人権部門および開発部門のトップは、障害者の権利に関する初めての国際条約が、昨日20番目の国に批准されたことを受け、来る5月3日にこの画期的な条約が発効する運びとなったというニュースを、心から歓迎すると本日発表した。

「私は非常に喜んでおります。」ルイーズ・アルブール国連人権高等弁務官はジュネーブで語り、障害者とその支援者が、このような成果を達成するために、長年にわたり闘ってきたことを指摘した。

「この画期的な条約の重要性は、いくら強調してもしすぎるということはありません。この条約は、世界中の何百万もの人々に影響を与える、国際人権法の重大な欠陥を補うものです。」

50条からなる同条約は、障害者の教育、健康、労働および雇用、十分な生活水準、移動の自由、搾取からの自由、そして法律の前における平等な承認の権利を主張している。

さらに同条約は、公共の輸送機関、建物およびその他の施設に対する障害者のアクセスのニーズにも取り組んでおり、また障害者の自己決定能力を認めている。

同じく5月3日付で発効予定の、同条約の選択議定書では、個人が国際的な専門機関に対し、苦情を申し立てることができるとしている。

「世界中の障害者が、差別的な扱いと悪質な人権侵害に日々直面してきました。」アルブール氏は語った。「ついに今、障害者がこれまで世間から課せられてきた制約を取り払うことを可能にする確固たる国際法の枠組みを、私たちは手に入れたのです。」

この日、ニューヨークの国連本部では、沙祖康(シャ・ズカン)経済社会問題担当事務次長も、同条約の発効を大いに歓迎した。

「この条約は、強力な開発的側面を備えた21世紀初の包括的な人権条約であるだけではありません。」と、ヨルダン、チュニジアおよびエクアドルの常駐代表とともに記者会見に臨んだ沙祖康事務次長は述べた。これらの国々は、それぞれ18番目、19番目、そして20番目の批准国である。

「この条約は、国連でかつてないほど迅速に交渉が進められた条約でもありました。また、最も早く発効に至った条約の一つでもあります。」沙祖康事務次長は付け加えた。

同条約は2006年12月13日に総会で採択され、2007年3月30日に署名と批准のために開放された。発効に必要な20カ国の批准を得るには、時として数年間かかる場合もある。

現在、障害者権利条約批准の意思を表明している国々に加え、さらに106カ国が同条約署名に向けて準備段階に入っており、今後何らかの時点で批准するという意思を示している。

「1年目で126カ国の署名を得たことには感動しました。」アルブール氏は語り、「しかし、私たちはすべての政府に、先に批准した20カ国にならい、できるだけ早く署名と批准を行うよう要請し続けます。」と付け加えた。


この記事は、国連ニュースセンターに掲載されていた
"Fruition of groundbreaking treaty on disability rights hailed by UN officials" http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=26213&Cr=disab&Cr1=を翻訳したものです。