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TWG-DC(障害問題作業部会)

TWG-DC第6回会議(2003年6月6日)議事録

(財)日本障害者リハビリテーション協会

項目 内容
備考 英語版:原文

UNITED NATIONS
REGIONAL COORDINATION MECHANISM
THEMATIC WORKING GROUP ON DISABILITY-RELATED CONCERNS

日時:  2003年6月6日
場所:  国際連合会議場 バンコク

議事録

目次

I. 開会

II. 議題の採択

III. 第五回障害問題作業部会議事録

IV. 議事録への質疑応答

V. 障害問題作業部会の権限の採択

VI. 議題10:タスクフォースの活動報告

VII. 2003年ー2004年の障害問題作業部会の明確な目標及び「びわこミレニアム・フレームワーク」の実施

VIII. 障害者の権利および尊厳の保護および促進に関する国際条約のための地域会議と作業部会の活動報告

IX. その他

I.開会

  1. 第六回障害問題作業部会(TWGDC)は、大海渡桂子国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)事務局次長により開会された。開会の言葉の中で、大海渡次長は、(SARSの影響で)渡航が難しい時期であったにも関わらず出席してくれたことに対する謝辞を述べた。更に、アフガニスタンと東チモールの代表を特別に歓迎し、発展しつつあるTWGDCとの協力関係が続いていくことを願った。
  2. 大海渡桂子氏は、「第二回アジア太平洋障害者の十年」に最初の委員会が開催されたのは歴史的な出来事であると述べた。TWGDCが2002年の10月、滋賀県大津の政府間上級高官会議で採択された琵琶湖ミレニアムフレームワーク(BMF)の実施、モニタリング、評価に重要な役割を果たしている。議題では、TWGDCが現在の作業部会が2年という期間の中で達成すべきBMFの明確な目標を設定するように求めている。
  3. 大海渡桂子氏は、2003年ー2012年「第二回アジア太平洋障害者の十年」の将来的な成功の土台を築くにあたり、各部会の協議の成功を願うと述べた。
  4. 第六回作業部会は社会問題局人口・社会統合課内のJerry Huguet氏、Kay Nagata氏とDPIアジア太平洋地域の中西正司氏が協同で議長を務めている。この会議には、7カ国の政府代表、UNESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)、国連の5つの組織と特別機関、26の非政府機関が参加している。出席者のリストは付録1http://www.unescap.org/sps/newtwgdis.htmに掲載。

II.議題の採決

TWGDCは以下の議題を採択したが、議題10を議題7に先行させるよう求めた。

  1. タスクフォースの会合
    1. 情報技術(ICT)
    2. 障害をもつすべての子どもと若者のための教育(EFA)
    3. 雇用
    4. 東チモールとアフガニスタン
    5. 自助団体(SHOs)
    6. 障害のある女性問題
    7. 障害者の権利と尊厳を守るための国際会議
  2. 開会(本会議)大海渡桂子ESCAP事務局次長による開会の辞
  3. 議題の採決
  4. 2002年6月24日、第五回障害問題作業部会議事録の確認
  5. 議事録への質疑応答
  6. 2003年ー2004年障害問題作業部会の権限の採択
  7. 2003年ー2004年障害問題作業部会の明確な目標の決定
  8. アジア太平洋地域のインクルーシブでバリアフリーな権利に基づく社会を目指した「びわこミレニアム・フレームワーク」の実施(BMF)
  9. 2003年6月2-4日に開催された障害者の権利と尊厳を守るための国際会議の地域会合とワークショップに関する報告
  10. タスクフォースの活動報告
  11. その他

III.第五回障害問題作業部会議事録

  1. 2002年12月に開催された第五回障害問題作業部会議事録は採択された。

IV.議事録への質疑応答

  1. 小地域における協力関係のシステムは構築されているか、さらに地域の非加盟国が「アジア太平洋地域における障害者の完全な社会参加と平等に関する宣言」への署名を促す計画が確立されているかについて情報を求める質問があった。この件に関しては議題7と8で討議される。
  2. 事務局は、文書が点字で提供されちることに対し感謝の意を表すと共に、点字グレード2がより適切なフォーマットであると推奨した。
  3. BMFの正式文書についての説明があった。事務局は改訂版が完全にアクセシブルな「新しい10年」のウェブサイトで見ることができると報告した。文書は2003年4月19-24日から9月1日ー3日に延期された第59回人権委員会で正式に承認される。

V. 障害問題作業部会の権限の採択

  1. 現在の障害問題作業部会に引き続き、その権限が2004年12月まで有効と採択された。
  2. FAO(国際連合食糧農業機関)はUNESCAP(国際連合アジア太平洋経済社会委員)に対し、国連機関とNGOが非常に緊密に協力する機会を提供していることについて謝辞を述べた。TWGDCはBMFを実施することに確固とした決意をもって主要な役割を果たしている。FAOは、農村部の発展に障害者を含めるための計画の戦略的パートナーである。

VI. 議題10:タスクフォースの活動報告

議題に掲載されている7つのタスクフォースの短い報告は発表された。完全なレポートは付録2-8に掲載されている。http://unescap.org/sps/newtwgdc.htm

情報コミュニケーション技術(ICT)

  • 2002年バンコクで開催されたICTアクセシビリティ・セミナーで確立したアクセシビリティ・ガイドラインが完全にBMFに組み込まれたと報告された。
  • タスクフォースは、国のレベルでのBMFの実施状況を確認し、情報社会世界サミット(WSIS)と関連した活動を報告した。アジア太平洋地域は唯一、障害者に関する提案をした。
  • 障害者の権利と尊厳を守るための国際条約の起草文書の追加項目として推奨された文言が提出された。(ICT TFレポート、パラグラフ7、付録2)http://www.unescap.org/sps/newtwgdis.htm
  • 紛争終結後の復興時にICTのインフラがどのように強化していくべきかについて議論があった。
  • 国連ESCAPの10年とEGM(ExpertGroup Meeting) のウェブサイトのアクセシビリティを強化する追加的機能についての提案があった。
  • 話し合いの最中、インドで低コストの音声出力コミュニケーション・エイドを開発中であり、地域での利用が可能になるという報告があった。
  • 現在のデジタル・デバイド(情報格差)をかんがみると、低コストの開発が非常に重要であることが強調された。APCD(アジア太平洋障害者センター)は、ICT分野における情報アクセシビリティを促進させ、ウェブネットワーキングと共同開発の研修を行なうと報告した。

障害をもつすべての子どもと若者のための教育(EFA)

  • タスクフォースは障害をもつすべての子どもと若者のための教育(EFA)に関するの小地域のフォーラムのメンバーシップを得ており、これはUNESCO、UNICEFまた他の機への権利擁護を主張する貴重な基盤になると報告した。
  • タスクフォースはUNICEFに対し、障害に関する重要な部分を開示していないと抗議文書を送った。2002年12月、太平洋諸島教育省事務局フォーラムにおいて障害児の教育に関する報告書が提出された。WHOのPupulin博士は5月にヘルシンキで開催された「地域社会に根付いたリハビリテーション(CBR)の未来」」会議について、また、3歳以下の障害児の早期発見のための科学的に有効なスクリーニングテストの開発プログラムについて報告した。タスクフォースはPupulin博士の支援と貢献に対し感謝の意を表した。東チモールは障害児の状況は極めて深刻であると報告し、地域内の支援を求めた。タスクフォースは目標を確認し、権利擁護の役割を維持し、BMFの実施を支援する確固とした行動計画を熟慮し、地域のインクルーシブ教育を実施するためにとられる活動について地域レベルの情報を得るため、情報の共有とネットワーク機能を強化することで合意した。話し合いの中で、教育と地域社会に根付いたアプローチ(CBR)に基づく医療、そして 地域社会における障害者のリーダーを育成することの重要さが強調された。

雇用

  • タスクフォースはBMFの実施を促進するための行動計画を発展に焦点をあてた。
  • 行動計画には次のような事が含まれる。
    ILO条約159号の批准、その後のフォローアップに着手するために各政府と労働省との対話を始める。情報共有と専門知識の交換のためのメールネットワークを確立する。雇用の機会を拡大するため、障害者のことを知らないシステム(ボランティアグループ)などを調査する。農村部の障害者の機会を拡大するために、戦略的なパートナーシップを確立する。

東チモールとアフガニスタン

  • 会合には、アフガニスタンのアブドラ・ワルダック殉教者障害者省大臣を団長に、東チモールから2名、アフガニスタンから4名の代表が出席した。東チモールの新憲法には障害者の権利について2つの条文がある。アフガニスタンは現在新憲法を起草しつつあり、それは国内の障害委員会の設置につながる。両国において、障害者の訓練は、障害に関するポリシーと法律の制定と共に、最も緊急に取り組むべき課題である。そのため両国は、UNESCAPに技術的支援を要請している。東チモールはリハビリテーション・インターナショナル(RI)アジア太平洋地域の支援を受けて調査を行なっており、国際的なNGO団体も協力している。東チモール国内のKatilosaというNGOがCBRに基づいて活動しているが、より強力な活動をするために支援を必要としている。アフガニスタンは非常に多くの障害者を抱えているが、データがなく、訓練、教育、アクセシビリティ、リハビリテーションの機会もない。しかし、政府は障害問題に対して深い関心を示している。世界ろう連盟(WFD)や障害者インターナショナル(DPI)など国際的なNGO団体がアフガニスタンで支援活動を行う計画をしている。DPIは2003年8月リーダー育成研修を行なう。タイで車椅子製作所を経営しているある障害者団体は車椅子100台を寄贈した。WFDはアフガニスタンの聾団体に協力し、支援の要請に応えている。インターネットはコミュニケーションの重要な手段になっている。

自助団体(SHO)

  • タスクフォース自助団体の初めて会合が開かれた。
    新しいタスクフォースの背景として、アジア太平洋障害者年の行動計画、性別に配慮した行動計画、最初の障害者の10年の成果、BMFとアジア太平洋障害者センター(APCD)の構想についての文書について話し合いが持たれた。最初の障害者の10年では進歩があったが、持続性と様々な障害者団体から代表を出すことを確実にすることが課題である。自助団体の発展を通して、障害者のエンパワメントの重要性が強調された。APCDは5年間は毎年研修を行なうことが重点課題であると報告した。報告の中で、支援活動をSAARC( 南アジア地域協力連合)、ASEAN(東南アジア諸国連合)、PIES(太平洋諸島フォーラム)、APEC(アジア太平洋経済協力会議)などの小地域団体に組み込み、それらの議題の中に障害者問題が取り上げられることを薦めている。インクルージョン・インターナショナルはバヌアツやソロモン諸島のような小さくて、貧しい太平洋諸島が直面している困難について説明した。

障害のある女性問題(WWD)

  • 障害のある女性問題(WWD)のタスクフォースの始めての会合が開かれた。
    これは新しい議題だが、この問題は長い間顧みられなかったので、間違いなくBMFにおいて最も重要である。話し合いはBMFのターゲットに焦点があてられ、参加国の現在の状況についての報告があった。家族と社会が障害のある女性の平等の権利を認識するために地域レベルの活動についての提案があった。障害のある女性はアジア太平洋地域ではあまり活動をしていなかった。ITスキルと教育に欠けていた。地域の機関からの支援を求める必要がある。タスクフォースは今後会合に参加してくれる中心人物を求めている。APCDはウェブサイトで障害のある女性のサイトがあると紹介した。DPIアジア太平洋地域委員会はリーダー育成研修会を2回開催しネットワークができたが、支援と協力を求めていると報告した。

障害者の権利と尊厳を守るための国際条約

  • 国際条約のタスクフォースの初めての会合が開かれた。
    ほとんどの参加者はこの作業部会に先行して行なわれた条約に関する専門家会議(EGM)に出席している。事務局長が(国際条約の勧告)の状況を明らかにした。専門家会議の報告はUNESCAPのサイトに掲載されている。秋山氏は2003年6月にニューヨークで開催される特別委員会に出席する予定である。条約に関する今後の取り組みに関するタスクフォースの役割についての話し合いが行なわれた。各国への情報の提供は非常に重要であり、タスクフォースはUNESCAPが3年間、条約に関するウェブサイトを運営することを歓迎した。(http://www.worldenable.net/bamgkok2003/)国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は自助団体と国の人権機関とが提携して相互トレーニングを行なうことを薦めている。タスク・フォースが2回目の「アジア・太平洋障害者の10年」のひとつの永続的な機関になるよう薦めがあり、受諾した。タスクフォースの次回の会合の日時についての話し合いが行なわれ、2003年11月、北京で開催予定のUNESCAPの政府間会合の前に開催することが提案された。 地域社会に根付いたアプローチ(CBR)についてのタスクフォースを設置するかどうかについて話し合いが行なわれた。NFOWD(障害者団体国家フォーラム、バンクラデッシュ)のアラム氏が次回の障害問題作業部会に提出する提案書を準備するという提案がなされた。

VII.2003年ー2004年の障害問題作業部会の明確な目標及び「びわこミレニアム・フレームワーク」の実施

  1. 議題7と8は非常に関連しているので、まとめて話し合うことで合意した。この2つの議題の導入として、事務局長はTWGDCが作成したアジア太平洋障害者の10年の行動計画の実施におけるUNESCAPの役割の評価についてパワーポイントのプレゼンテーションを使って明らかにした。2年間の終了規定に沿って、TWGDCは2年間で達成可能な明確な目標を設定するという任務がある。2年間の最後には、TWGDCはその達成度を評価する必要がある。
  2. さらに広範囲な話し合いが行なわれた。びわこミレニアム・フレームワークの優先領域が提案されたが、全てが重要な領域であると判断され、達成できる目標を設定することが不可欠である。国別の優先領域は異なっているが、政府、自助団体、NGO、その他の非政府団体に「びわこミレニアム・フレームワーク」を広く普及させるという強い支持があり、その国の言語に翻訳される必要がある。さらに、以下のような提案があった。ミレニアム・ディベロプメント・ゴールにおいて、障害を取り巻く環境改善を強調する必要性、UNESCAPなどの国際機関が貧困撲滅の改善状況を報告すること、非加盟国がびわこミレニアム・フレームワークの実施と第2回「障害者の10年」の活動を実行する活力のあるメカニズムの構築と実施、(ASEAN東南アジア諸国連合)、SAARC(南アジア地域協力連合)、SEAMEO(東南アジア諸国教育大臣機構)、PIFS(太平洋諸島フォーラム)、世界銀行、アジア開発銀行、国際NGO、NGO、自助団体、その他人権団体など市民社会団体などが、びわこミレニアム・フレームワークを地域で実施するはずみをつけるため、地域及び小地域内の計画的なパートナーシップを築く。
  3. インクルージョン・インターナショナルは、地域の加盟国においてびわこミレニアム・フレームワークの優先領域に関連する現存の法規定を明らかにする調査を実施するという明確な提案をした。2回目の10年の始まりに基礎的な資料としてデータベースの蓄積を構想し、それによって10年の進歩の評価に役立てることができる。そして、UNESCAPの加盟国にリソースとして、新しい、または改定法律制定のモデルを提供することができる。インターネットによる検索で収集されるデータは、国家レベルで検証することができる。参加団体が要求し、この作業は「びわこミレニアム・フレームワーク」を実施に向けた行動として処理する義務があるとされた。
  4. APCD(アジア太平洋障害者センター)は、「びわこミレニアム・フレームワーク」を促進させ、地域で情報を共有するために、地域のデータベースを開発していると述べた。APDF(アジア太平洋地域障害者フォーラム)は日本政府内の障害者の10年認識に関する調査を実施中であると報告した。TWGDCはこれら2つのイニシアチブを支持した。
  5. 参加団体は、2002年12月に実施した調査から得た情報をUNESCAPが提供したことに対して感謝し、調査結果と提言の公開の努力を賞賛した。TWGDCの行動ターゲットについてのさらなる討議は第7回会合に延期することが合意された。以下がコンセンサスとして確認された。

「びわこミレニアム・フレームワーク」の普及」

  1. 法律制定のためのデータベースの開発(インクルージョン・インターナショナル)と一般的なデータベース(アジア太平洋障害者センター)
  2. 「アジア太平洋地域における障害者の完全な社会参加と平等に関する宣言」に加盟していない政府に対する積極的な働きかけ

VIII. 障害者の権利および尊厳の保護および促進に関する国際条約のための地域会議と作業部会(2003年6月2~4日、バンコク)の活動報告

  1. 議題9は時間の制約のため話し合うことができなかった。

IX.その他

  1. 第7回作業部会の日程。2003年12月1-2日に開催することで合意した。国際条約についてのタスクフォースをこれに先立って開催する必要がある場合は、独立して行なう。
  2. アジア太平洋地域障害者フォーラム(APDF)の暫定委員会は、2002年12月と2003年6月に予備会談を開催したと報告した。第1回会議と総会の計画が進行中であり、決定次第TWGDCに伝えられる。2回目の「障害者の10年」のロゴの選択について最初の総会で話し合う。

UNESCAP10年のウェブサイトアドレス。

事務局長は「障害者の10年」のウェブサイトアドレスを公表した。「びわこミレニアム・フレームワーク」「びわこミレニアム・フレームワーク」「びわこミレニアム・フレームワーク」もウェブに掲載されている。事務局はウェブサイトのアクセシビリティを向上させる予定だと述べた。日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)は「びわこミレニアム・フレームワーク」の普及に協力していくと報告し、事務局はウェブで「びわこミレニアム・フレームワーク」をリンクさせてはどうかと提案した。

ウェブサイトアドレス :

アジア太平洋障害者の10年、1993-2002(第1回め10年)
http://www.unescap.org/decade/index.htm

新(第2回)アジア太平洋障害者の10年、2003-2012 「びわこミレニアム・フレームワーク」
http://www.unescap.org/sps/new%20activities.htm

障害問題作業部会
http://www.unescap.org/sps/newtwgdis.htm

日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)
http://www.dinf.ne.jp

APDF(アジア太平洋地域障害者フォーラム)オンライン・フォーラム
http://www.worldenable.net/bangkok2003/online.htm

グループのパスワード:
ESCAPEGM

TWGDCは議長と協同議長に感謝の意を表した。