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TWG-DC(障害問題作業部会)

TWG-DC第8回会議(2004年6月15~16日)議事録

(財)日本障害者リハビリテーション協会

項目 内容
発表年月 2004年7月19日
備考 英語版:原文

UNITED NATIONS
REGIONAL COORDINATION MECHANISM
THEMATIC WORKING GROUP ON DISABILITY-RELATED CONCERNS

障害問題作業部会(TWG-DC)第8回部会
日時:2004年6月15~16日
場所:国連会議場 バンコク

議事録

付録

  • 付録 I:参加者リスト
  • 付録II:第8回障害問題作業部会議事録のタスクフォース議事録草案
  • 付録 II (a): 情報通信技術(ICT)
  • 付録 II (b): 障害をもつすべての子どもと若者のための教育
  • 付録 II (c): 職業リハビリテーション、雇用、貧困緩和
  • 付録 II (d): 障害をもつ女性
  • 付録 II (e): 障害者の当事者団体(SHOs)
  • 付録 II (f): 東チモールとアフガニスタン
  • 付録 II (g): 障害者に関する国際条約案
  • 付録 III: ジュネーブ宣言(英文参照)
  • 付録IV:シンガポール宣言とアジア太平洋障害フォーラム規約

I.開会

国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の社会問題部(ESID)、人口・社会統合課(PSIS)課長のJerry Huguet氏が、Thelma Kay部長の代理で開会の辞を述べた。

Huguet氏は国連ESCAPの2004年の重要な事業は、障害者の権利および尊厳の促進および保護に関する包括的かつ総合的な国際条約に焦点を当てられたと語った。国連ESCAPの代表は、TWG-DCの第八回会議に先立ち、2004年5月24日~6月4日ニューヨークで行われた国連障害者の権利条約の第三回特別委員会に出席した。この委員会で加盟国は、27の政府と12の国際NGOからなる特別ワーキング・グループによって作成された草案文面について議論した。ワーキング・グループは、完全に障害者の代表で2004年1月にニューヨークで行われた。

Huguet氏は、国連ESCAP地域の46加盟国は、障害者の完全参加と平等の宣言にサインしたことをスピーチの最後でで語った。最近加盟した3カ国の一つであるトルコ政府代表のヤーチン氏の出席に感謝の意をあらわした。

第八回TWG-DC会議はAPDF会長の氏Judy Weeを議長に、参加者総数75名、:14カ国政府代表22名、5国連特別機関から7名、25非政府組織から46名。付録Iに参加者リストを添付した。

II.議事の採択

TWG-DCは以下の議題を採択した。

A.タスクフォース:
(a): 情報通信技術(ICT)
(b): 障害をもつすべての子どもと若者のための教育
(c): 職業リハビリテーション、雇用、貧困緩和
(d): 障害をもつ女性
(e): 障害者の当事者団体(SHOs)
(f): 東チモールとアフガニスタン
(g): 障害者に関する国際条約案
B.本会議:
1.社会問題部人口・社会統合課課長Jerrold Huguet氏による開会の辞
2.議題の採択
3.2003年12月1~2日に開催された第7回障害問題作業部会議事録の確認
4.議事録への質疑応答
5.タスクフォースの活動報告
6.アジア太平洋障害フォーラム(APDF)の第1回役員会の報告
7.2004年12月までのびわこミレニアム・フレームワーク(MBF)実施に向けた具体的な活動報告(国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、国際労働機関(ILO)、世界保健機構(WHO))
8.その他(ロゴ、TWG-DC/BMF アンケート他)

III.第7回障害問題作業部会議事録の確認

2003年12月1~3日にバンコクで行なわれた第7回障害問題作業部会の議事録は、多少変更され、採択された。

IV.議事録への質疑応答

小修正の後、第7回会議の議事録への質疑応答はなかった。

V.タスクフォースの活動報告

議題に記載されている7つのタスクフォースから簡単な報告があった。タスクフォースの全議事録は付録IIに添付した。

英文参照:http://www.unescap.org/esid/psis/disability/thematic/8th/Minutes8thAnnexII.htm

a.情報技術(ITC)

タスクフォース議長のBuntan氏は、世界情報サミット(WSIS)フェーズ1が2003年12月にジュネーブで開催され、その結果として、1)原則宣言と2)行動計画の二つの文書が出されたと報告した。原則宣言の25条と行動計画のいくつかの項目で(9,10項の調査、20項の雇用、24項の文化的情報、28項Eのウェブ・アクセシビリティ)アクセシブルな装置のコンセプトとユニバーサル・デザインに触れていることを指摘した。

さらにBuntan氏は、イベントの「グローバル・フォーラム-情報社会における障害者-」はデイジー・コンソーシアムとWSIS事務局の非政府組織の共催で行われたことは意義深いと語った。それが障害のある聴衆にアクセシビリティの考え方を示したから。このフォーラムはジュネーブ宣言を採択した。宣言のコピーは付録VIに添付されている。

タスクフォースの最終セッションで議論の際、びわこミレニアム・フレームワーク(BMF)における情報アクセシビリティ分野の目標の達成を促進するための調査を行うことの重要性が確認された。アジア太平洋障害センター(APCD)の千葉寿夫氏が調査の草案を提示した。タスクフォースは、誰がこの計画の具体化に必要な資源を提供できるのか、この調査を実施するのに良い仕組みがなにであるかについて議論した。

慎重に考えられた仕組みの一つは、APCD役員の支援とタイ政府からのフォカルポイントを引き出すことにあった。タスクフォースはこの企画は価値があるということで一致した。このような企画を成功させるため、タクスフォースはAPCD役員のプレゼンテーションに先立ち、この調査に関してTWG-DCの本会議で承認を得ることを決めた。

b.障害をもつすべての子どもと若者のための教育(EFA)

タスクフォースは、メンバーが障害をもつ子ども達を含む、「万人のための教育」を普及する活動に参加した最近の活動について話し合った。最も新しいイベントの一つとして、バンコクで2004年5月26~29日に大臣級フォーラムが開催され、その本会議の主題はインクルーシブ教育であった。委員会のメンバーは、SEAMEO(東南アジア文部大臣機構)-UNESCO主催の教育会議と博覧会でプレゼンテーションを行った。会議期間中、ブルネイ・ダルサラーム国とベトナムからの閣僚代表が、この地域で自国のイニシアティブについて報告した。

障害者の教育を受ける権利に関するフラッグ・シップのもとで、アジア太平洋地域フラッグシップ作業委員会(ワーキング・グループ)の形態と委任事項を最初に話し合った。その開発と運営形態を明確にする必要があり、次のタスクフォースでさらにこの点を話し合うこととなった。

このタスクフォースとユネスコ所属の「万人に教育を」のタスクフォースの協力が評価され、確認された。ユネスコから二人の代表者がこの委員会に出席し、「多様化への取組み:インクルーシブの創造、学びやすい環境のためのツールキット」などの最近完了したプロジェクトの最新情報が提供された。

インクルーシブ教育地域ワークショップをユネスコのバンコク支部が主催する予定で、2004年10月19~21日にバンコクにて、インクルーシブ教育のサラマンカ会議(1994年)から10年を記念して、東および東南アジア国際EFAコーディネーター年次総会と共同で行なわれる予定となっている。タスクフォースメンバーの参加が奨励された。

障害者の教育のメインストリーム化に向けた継続的なアドボカシーの取組みは、2004年7月11~14日にバンコクで開催されるマネージング・ティチャー・エデュケーションに関する今後の国際会議も含めてコーディネートされた。

c.職業リハビリテーション、雇用、貧困緩和

タスクフォースは名称について貧困緩和の収入創出の問題を反映させるために「雇用、貧困緩和タスクフォース」とするべきだと明確にした。

タスクフォースは雇用・多国籍企業に関する円卓会議を2005年6月に開催する事を決定し、2005年に予定されている第10回TWG-DCと同時開催する事を決定した。本会議の目的は、タスクフォースのメンバーと多国籍企業がBMFに掲げられた雇用に関する目標をどのように実施していくか建設的に話し合うことである。
タスクフォースはILO第159号条約の批准状況を更新し、2012年までに条約を署名国の30%の国が批准するとしたBMF達成目標と照らし合わせた。ILO代表は10年の最初の段階でILO宣言署名国(8ケ国)の19.5%が批准したと報告した。しかし、その後ILO第159号条約署名国3カ国とトルコが批准国のリストに追加された。その結果2004年6月現在20.5%(9ケ国)となった。

各国政府が雇用の模範的ケースとなるべきだという議題は、さらに次回のタスクフォース、もしくはタスクフォースのリストサーブ(メーリングリスト)上で話し合われる。タスクフォースの活動実施のためのインターンの有効利用、障害をもつすべての子どもと若者のための教育に関するタスクフォースとの連携、国連で提案されている条約について、非公式雇用を議題として扱うことの必要性を含むその他の議題も次回話し合われる。
新しくIBMの制作したビデオ「助けが必要」がタクスフォースの最後に放映され公表を博した。

d.障害をもつ女性問題

タスクフォース議長Supattraporn Tanatikom氏はUNESCAP参加国の地域と世界各国における障害をもつ女性とその支援者のリスト作りの進捗状況を報告した。現在約100名がこのリストには掲載されており、先行する情報交換のリストサーブとして活用される。

タスクフォースは最近タスクフォースのメンバーが参加した以下の活動を報告した。2004年3月8日開催、国際女性デー(International Women’s Day) 、2004年2月25日~29日開催、世界青年平和サミット。両会議はバンコクで開催された。

タスクフォースは障害をもつ女性の視点から「女子に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約」(CEDAW)及び「国家活動計画」を報告、検証した。タスクフォースはレポートが作り上げられていく過程にNGOが関わることおよびジェンダー開発の議論の主流に障害をもった女性の問題がふくまれることの重要性を再確認した。

UNESCAPの社会問題局(ESID)ジェンダー・開発課(GAD)代表のMichael Chai氏は、タスクフォースのメンバーに加わり、北京行動綱領の地域における実施状況、第23回特別総会の結果検討評価のために、2004年9月7日~10日バンコクで開催されるUNESCAPハイレベル政府間評価協議に協力する方法について話し合った。この評価協議はGADが 開催するが、Chai氏は本会議で効果的な発言をすること、パネラーとしての参加すること、平行してサイドイベントを開催することがもっとも効果的なタスクフォースとしての貢献方法であるという意見述べた。

タスクフォースは最も効果的かつ戦略的な参加方法は、評価協議への女性の障害者の参加であることで一致したが、詳細の決定は委員メンバーにむけ情報を更新するという約束のもと、議長とタスクフォースのファシリテーターによって繰り延べ審議されることになった。

本タスクフォースが地域的、世界的にジェンダー開発活動、障害をもつ女性の主流化に対し、継続的に努力していくことをTWG-DC本会議において承認を求めることを決定した。

e. 障害者の当事者団体(SHO)

タスクフォースはSHOの定義を再確認した。議長のTopong Kulkhanchit氏は、障害者の組織と障害者のための組織の違いを明確にし、障害者の立場に立った考え方の大切さを強調した。
タスクフォースでは成功するSHOの設立方法、継続的発展に関する事項が議論された。タスクフォースのメンバーは発展途上国の障害者が権利擁護に取り組むにはまず、持続可能な生計を確立しなければならないという意見の一致をみた。したがってUNESCAP域内の当事者団体の活動は次の2つの側面を持っている。収入創出活動(経済活動、寄付集め等)と権利擁護。

タスクフォースは持続可能なSHOや当事者グループの発展は挑戦であり、上記の2つの側面のバランスがとられていなければならないと結論を出した。この議論は次回のタスクフォースで議論される。

f. 東チモールとアフガニスタン

開会に際し、まず東チモールおよびアフガニスタンにおける最近の開発の報告が行われた。東チモールのILO代表は5年間にわたる500万ドルの予算のSkills Training for Gainful Employmentプロジェクトの報告を行った。東チモール政府(State for Labor and Solidarity)労働連帯省大臣は、このプロジェクトの現地サイドのパートナーであり、カンボジアでの成功を参考に統合アプローチにより5%の目標をかかげる。スキルを持たない市民と政府の事務局は恩恵を受けるであろう。国際リハビリテーション協会アジア・太平洋地域委員会(RIRCAP)副会長Joseph Kwok氏は2期目に入る日本、香港、インドネシアと東チモールによる共同プロジェクトの説明を行った。このプロジェクトは、トレーナー養成のための講習会で2004年の1月に終了し、CBR関連のNGOと東チモール政府が参加した。現地からはKATILOSAと労働連帯省が参加し、現地の言葉で講習がおこなわれたため通訳の必要がなかった。インドネシア・ソロのCBRセンターは専門家による相談を提供した。最近では、さらなる協働がソロのCBRセンターと東チモール政府により特にCBRと所得創出の分野で積極的に取り組まれている。この資金調達は、Kwok氏により行われる。

(アフガニスタン)アフガニスタンのILO代表は、アフガニスタンの国内アドバイザーはカブールで新設された役職で今候補者を探しているところと報告した。タスクフォースは現在の名称を新しく配慮すべき事柄に合わせ「紛争国タスクフォース」と改めることを決定した。タスクフォースは名称変更について、TWG-DC総会での承認を求めることを決定した。

g. 障害者に関する国際条約案

タスクフォースメンバーでUNESCAPのKay Nagata氏は、ニューヨークで2004年5月24日~6月4日開催された第3回国連障害者の権利条約を検討する特別委員会における手続きや重要案件についての広範囲に及ぶ報告を行った。Nagata氏は、特別委員会は作業部会の草案の最初の解釈を合理的配慮や女性に特化した条項等について議論をしたと報告した。しかし、第3回特別委員会では草案のタイトル、構成、前文、定義やモニタリング部分は2004年8月23日~9月3日にニューヨークで開催される第4回目に継続審議となった。

唯一の公式書類の成果物、すなわち6月4日現在の条約修正案である委員会の最終文章(6月15日現在でタスクフォースが入手できたもの)は政府による介入のみでNGOや国連機関にようコメントが含まれていなかった。この時点では来るべき条約文策定作業は政府主導になると思われる。

タスクフォースはバンコク草案を出発点の文章として、そして現時点でもUNESCAP地域の国で有効であるので活用していくことを決定した。第3、4回国連障害者の権利条約特別委員会フォローアップのためのUNESCAPおよびアジア太平洋障害フォーラム(APDF)地域ワークショップが、将来の条約文策定作業に向け地域フォーラムが政府へ効果的なロビー活動の戦略を立てていくことを目標にかかげ2004年10月11~12日バンコクで開催される。

タスクフォースはフォローアップ地域ワークショップの重要性を再確認し、日本の良い例に習って(さまざまな象徴を代表する)政府(関係者)とNGOとの建設的対話を取り入れるべきだと再確認した。

VI.アジア太平洋障害フォーラム(APDF)第1回役員会の報告

アジア太平洋障害フォーラム(APDF)第1回役員会の報告:-アジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)の実施に向けて-が2004年6月14日バンコクで開催された。APDF副会長のJ.B Munro氏は、APDFの歴史的背景と最近の動向について次のように述べた。

APDFは、BMFが2002年に地域政府が、国連のミレニアムゴールに沿う形で主要な対象を定め障害者を支援すると同意した時に誕生した。APDFは、BMFの目標達成の推進と評価が第一の目的である。前の10年では、RNN(NGの地域ネットワーク)は諸団体や障害をもった人々の全体の声を表していた。APDFは、この役割が2回目の10年(2003年~2012年)に当然引き継がれるものと考えていた。昨年(2003年)11月シンガポールでAPDF総会が開催され、2年の任期で役員会役員が選出された。総会のサマリーがシンガポール宣言として出された。

選出された委員はシンガポールで総会の後、実際に顔を合わせ、2月には(インターネット)チャット会議、さらに今週の月曜に顔を合わせた会合をもった。次の会合は大きなコストをかけないためにテレビ会議が行なわれる。APDFは、BMF 目標達成および障害者の権利条約の導入と基準規則の適用を広く認めてもらうために、UNESCAPとのパートナーシップをTWG-DCを通して探っている。

RNNは1カ国1団体と地域の国際障害者団体で構成していたが、APDFはより多くの地域国の団体の参加を求めている。APDFは、会費を1年50USドル、2年100USドルに設定した。APDFの役員は、課題の一つとして地域のSHOやNGOの参加を促していくことで合意した。こうした団体の住所を入手するために皆さんの協力が必要となる。APDFは、個人でAPDFに参加する準会員の提案は後日話し合われることになった。役員は前RNNのメンバーは2004年9月30日までにAPDFに加入しなければ、新しくAPDFに申し込み直す必要があると合意した。

2003年の総会において、2年に1回総会を開催することに向け努力することで意見が一致し、こうした会議を主催する国の申し出を募った。役員会は月曜日に、Disability Australiaがオーストラリアのメルボルンで次回の総会を開催したいという申し出を受け入れた。役員会は、また2005年後半に開催を予定しているTWG-DC会議をメルボルンで開き、無駄な旅程を防ぐようUNESCAPに勧めることで合意した。先週月曜の会議では、アジア太平洋障害者センター(APCD)の代表を迎え、彼らの希望や抱負を聞いた。話し合いでは、APCD、 PADF、 UNESCAPとTWG-DCが緊密に連携して仕事をすることの必要性が強調された。APDFは、プログラム開発スタッフの支援のためにInternational Advisory Boardを設置することを計画している。APCDが入る建物は現在建設中である。この日・タイ政府共同プロジェクトは、2004年終わりまでに完了予定である。

BMF推進の目的を包括的にとらえた適切なロゴ、参加政府の進捗状況の評価を含むAPDFの書類を作成しなければならないので、皆さんからのご提案をおまちしています。APDF以下アドレスまでご連絡ください。eueno@dinf.ne.jp

この発言の後、Munro氏はUNESCAPとAPDFは2004年10月11~12日にバンコクで第3、4回国連障害者の権利条約特別委員会の地域フォローアップワークショップを共催すると述べた。開催予定の国際会議に関するタクスフォースの報告で説明されているように、このワークショップの目的は、政府とNGOが予定される国際会議に向けての交渉過程で協働するために地域フォーラムを提供することである。このワークショップは、2004年10月13~15日バンコクで開催されるアジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)の実施とモニタリング地域ワークショップに先立ち、BMFに連動して組織される。

VII.2004年12月までのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)実施に向けた具体的な活動報告

UNESCAP

UNESCAP事務局は、2004年のBMF関連活動の強化領域について説明した。1)貧困の緩和、2)権利に根ざしたアプローチの推進、3)障害統計と定義、4)CBRの強化、5)地域内協力、地域間協力を含む協力、ネットワーク化、6)モニタリングと評価

「貧困の緩和」については、UNESCAPと中国障害者連盟(CDPF)により、中国のGansu州、Lanzhonにて2004年10月25~29日に現地調査とともに障害者の貧困緩和地域ワークショップが開催される。引き続き2004年11月29~30日にCDPFとの協力のもと2回目のワークショップがバンコクの国連会議センターで開催される。2回目のワークショップでは、障害者の所得創出とコミュニティー・イニシアチブを目的とした「CBR強化」を部分的に強調している。これらの活動は、2004年12月1~2日に開催される第9回TWG-DCの直前に行なわれる。

「権利に基づくアプローチ」について、すでに表明されているようにUNESCAPとAPDFは、2004年10月11~12日にバンコクで開催される第3回、第4回国連障害者の権利条約特別委員会フォローアップのためのワークショップを共催する。「協力とネットワーク」については、UNESCAPが引き続きTWG-DCにおいて、APDFとAPCDが協力して重要な役割を担っていく。共同の活動の1つとしては、先に触れた10月のAPDF会議の際のワークショップがある。その前に、UNESCAPとAPDFは南南対話:2004年8月17日バンコクでの10年の活動を共催する。この活動は、アラブ障害者の10年(2004-2013年)および、アフリカ障害者の10年(2000-2009年)を念頭に地域間の協力を強化するものである。これらの地域からの専門家がこのイベントに参加する。
「モニタリングと評価」では、UNESCAPは、2004年10月13~15日バンコクで開催されるアジア太平洋障害者のためのインクルーシブでバリアフリーな、かつ権利に基づく社会に向けた行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(MBF)実施とモニタリングのための地域ワークショップを計画している。このワークショップは、政府や専門家にMBFの目標と実施基準に沿った効果的な障害者政策の策定と実施に関するトレーニングを提供するのが目的である。

「統計と定義」について、UNESCAP統計局は障害統計と定義を促進するワークショップの目的と内容を説明した。この2年間(2004-2005年)のプロジェクトは、何回かのワークショップを通して、地域内の発展途上国における障害データの収集と作成において、統計のキャパシティを向上することを目指している。最初のワークショップは、2004年5月24-28日バンコクでちょうど開催されたところで、参加国は障害データを収集する行動計画にあたっている。UNESCAP統計局によれば、現時点でアジア太平洋地域ではオーストラリアとニュージーランド政府のみが、国際生活機能分類(ICF)に完全に障害データ収集と作成に導入している。

2004年9月には、行動計画の進捗状況報告、標準的な質問と各要素についての議論、設問についてのさらなるトレーニング、現行のICFの一覧に沿ったテストと面接テクニックを目的とした第2回のワークショップが開催される。

ILO

ILOのBMF実施は、知識、権利擁護、技術協力の3つの方法による。ILOのアジア太平洋地域職業リハビリテーションの上級専門家Debra Perry氏は、2003年1月以降のそれぞれの方法の進捗状況を報告した。

「知識」の分野で、ILOは研究/出版プロジェクトを地域と本部の両レベルで始め、それは障害者向けの適切な仕事に向けての推進:アジア太平洋地域の職業訓練と雇用に関する事例 」を含む。

「権利擁護」の分野では、ILOはILO条約第159条を推進している。

「技術協力」の分野では、ILOはBMFの実施を促す会議、講習会そして能力開発イニシアチブに取り組んだ。例えば「ピアトレーニングによる貧困緩和」により、カンボジアでは政府と行動計画の立案に際し、非公式な見習い制度を実際に試してみた。ILOはアジア太平洋地域の障害者を雇用している作業所や会社と提携するため、イギリスの「Remploy」というNGOに協力している。

Perry氏は、ILOはできる範囲でTWG-DCにおいて、積極的役割を果たしていくと述べた。

WHO

ジュネーブのWHOの障害と雇用(DAR)専門家チームのChapal Khasnabis氏は、障害者の状況分析と行動計画を報告した。Khasnabis氏は、発展途上国の大部分の障害者は、単純な白杖、補聴器、松葉杖、移動補助具、装具、義足を入手することができない。

この状況改善のためWHOは、加盟国が保健関連プロジェクトとプログラム、国連基準規則遂行のモニタリング、早期介入のツール開発、他の国連機関、障害者団体、NGOと大学との協力関係において、障害を主流化するための権利擁護を含めて、多くの発議を出している。Khasnabis氏は、障害者は社会の障害を持っていない市民と平等であるとWHO DARは考えているので、保健分野の青年期の保健、性、生殖に関する保健といった分野から排除されるべきではないと強調した。

VIII.その他

一般議題

情報通信技術(ICT)タクスフォースは、地域全体で情報アクセスについての調査を実施したいと考えていると説明をした。タクスフォースは調査の目的についてTWG-DC本会議の承認を求め、認められた。

雇用・貧困緩和タクスフォースの議長でILOのDebra Perry氏は、TWG-DC本会議が主催する雇用/多国間円卓会議をTWG-DCの雇用・貧困緩和タクスフォースと共同で開催するように求め、承認された。この会議は、2005年6月に第10回TWG-DC会議と共同で開催される。

障害を持つ女性のタクスフォースは、障害を持つ女性の問題が地域そして国際的なレベルのジェンダー開発活動において主流化するようTWG-DC本会議の承認を求め、認められた。これは北京宣言の地域での実施状況、そして2004年9月7~10日にバンコクで開催される第23回特別総会の成果を検討するために、UNESCAPハイレベル政府間会合への参加も含んでいる。

障害を持つすべての子どもと若者のための教育に関するタクスフォースと雇用・貧困緩和タクスフォース議長は、今度のTWG-DC第9回部会ではよりよい討論結果を出すため、タクスフォースの時間を3~4時間延長し、タクスフォース会議の継続を求めた。それに関連し、参加者の一人は、TWG-DC自体の会議日程を3日にしてはどうかと提案した。

UMESCAP事務局は、2004年11月29、30日はすでに第2回雇用・貧困緩和とコミュニティー・イニシアチブのワークショップで日程が埋まっており、2004年12月1、2日は、TWG-DC第9回部会、12月3日は国際障害者の日のイベントで埋まっていると報告した。

TWG-DC第9回部会、雇用・貧困緩和タクスフォースおよび障害を持つすべての子どもと若者のための教育に関するタクスフォース(EFA)は、短い昼食休憩のみで8時間から11時間で開催することに決定した。他のタクスフォースミーティングもこれに準ずる。今回は試験的に行うこととし、次のステップの適切な判断は後で行うこととする。

TWG-DCは1年に2回開催され、自己負担で参加しなければならないので、TWG-DC本会議はメンバー間ですでに実施されているオンラインでのコミュニケーション手段であるリストーサーブやメール重要性を強調した。

現在のアジア太平洋障害者の10年(2003-2012年)のAPDFのロゴについて

次回のAPDF役員会は、2004年11月28日(TWG-DC第9回部会の直前)に予定されており、現在のアジア太平洋障害者の10年(2003-2012年)のロゴが最終的に決定する。決定の結果はTWG-DC第9回部会で報告されれる。

TWG-DC第9回部会の日程

バンコクにて2004年12月1、2日の日程での開催が決まった。部会は前述のAPDF役員会(バンコクにて2004年11月28日に開催)と第2回雇用・貧困緩和とコミュニティー・イニシアチブのワークショップ(バンコクにて2004年11月29~30日に開催)の直後、そして国際障害者の日を記念するイベント(バンコクにて2004年12月3日に開催)の直前に開催される。

TWG-DC第11回部会の開催地

UNESCAPは、TWG-DC第11回部会を、2005年オーストラリアのメルボルンで予定されている第2回APDF総会の開催に併せて行ってはどうかというAPDFによる申し出を真剣に検討している。この提案はNGOの経済的負担を軽減し、1つでも多くの団体に参加してもらうために出された。

TWG-DCは、副議長(Judy Wee氏とUNESCAP事務局)に感謝の意を示した。