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BMF-SCM (BMF関係者調整委員会)短報

野村美佐子
(財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター次長

第一回BMF関係者調整委員会

バンコクの国連ESCAP(アジア太平洋経済社会委員会)は、「びわこプラス5年(2007年):後半5年(2008~2012年)のより前向きな実践のための戦略」(以下、びわこプラス5)という文書の作成プロセスを考案し、2005年7月に開催された障害に関する作業部会第10回会議(Thematic Working Group on Disability-related Concerns ;TWGDC)で提案し、同意を得た。TWGDCは、BMF(びわこミレニアム・フレームワーク)策定に深く関わり、現在もBMFの効果的実践の推進のための活動を行っている。しかし名称がTWGDCからBMF-SCM(Stakeholders’ Coordination Meeting)に代わり、今回は第一回の会議として今回の7月17日から19日に委員会が開催された。日本語では、BMF-SCMは関係者調整委員会と訳し、第2次アジア・太平洋障害者の10年という限定された期間で機能することになる。

最初に事務局より今回の会議の目的についてのプレゼンがあり、今までのBMFの推進に関する活動、BMFの実践について再検討、および「びわこプラス5」作成プロセスについて説明があった。

「びわこプラス5」の事務局案をベースとして、BMFの7つの優先事項を考慮した5つのワーキンググループに分かれて討議を行った。筆者はTWGDCのタスクフォースに相当するグループはなかったので物理的なアクセシビリティと情報とコミュニケーションのアクセシビリティについてのグループ討議に参加した。

新ワーキンググループ(作業部会)の分類

  1. 障害者の自助団体および女性障害者
    (Self-help group of persons with disabilities, women with disabilities)
  2. 分野別課題:予防、早期発見、教育、雇用
    (Sectoral issues-prevention, early intervention, education, employment)
  3. 分野別課題:物理的なアクセシビリティと情報のアクセシビリティ
    (Sectoral issues -physical and informational accessibility
  4. 政策:国の障害者行動計画、権利に基づく法制定、条約、障害統計
    (Policy-national action plan on disability, rights-based legislation, convention, disability statistics)
  5. 開発および障害CBR、貧困の軽減
    (Development and disability-CBR, poverty alleviation)

ICTに関する勧告については、国際的なICTのアクセシビリティ国際標準の推進、ユニバーサルデザインと支援機器の利用を強調する文言を組み込むこと、またTWGDCのICTタスクフォースのメンバーの主導による障害コーカスのWSISでの活動があったことからWSISの成果となった障害者に関連する公式文書のテキストについても「びわこプラス5」に組み込んで貰う事を要請した。また2004年のESCAPのBMFの実践に関する調査を補完するものとして日本障害者リハビリテーション協会がアジア・太平洋地域における障害者のICT調査を行っている。しかしなかなか各国政府から回答を得られないというのが現状である。今回の機会を利用して参加した国の代表に調査の回答の協力をお願いした。またESCAPのほうでICT調査について説明の時間を少し取ってくださったので、現在集まっているデータについて簡単な報告を会議の中で行った。今後、政府からの回答が増えることを期待している。

今後10月にはBMF-SCMの第2回の委員会が開催され、更に「びわこプラス5」について継続して討議される予定である。