つながろう仲間たちと ささえようみんなのチカラで 熊本支援センターニュース「火の国がんば」 No.12 日本障害フォーラム(JDF)熊本支援センター 2016 年8月8日発行(毎週月曜日発行) JDF熊本支援センター (〒861-8039 熊本県熊本市東区長嶺南2丁目3番2号 熊本県身体障がい者福祉センター1 階プレイルーム) TEL 096-285-8569 FAX 096-285-8591 E-mail jdfkumamoto@gmail.com 待っている人がいる 〜第 13 クール(7月31日〜8月6日)支援活動報告〜 被災地障害者センターくまもと 震災直後から被災地障害者センターくまもとで配布されていたSOSチラシを、 熊本市が 市内のすべての障がい手帳保持者に郵送を開始して4週間が経過しました。 「SOSチラシを見ました」、「こんなことで困っているんです」など、 事務所にかかってくる電話は 鳴り止みません。 1日に新規の相談でかかってくる電話は、30件以上。 多くの方が支援を求めていらっしゃることを痛感しました。 連日の猛暑日の中、今クールで行った支援は、がれきや家の中の片付け、 引越しに向けた準備などでした。 依頼者の中には、震災により病状が悪化された方もいらっしゃいました。 また、依頼のあった困りごとへの対応を通して、 初めて福祉サービスにつながった方もいらっしゃいました。 支援の中で依頼者の新たな困りごとに気づくことができるのも、 日ごろから障害のある方々に密接に接しているJDFのみなさんだからではないでしょうか。 これまで誰にも相談ができなかった障害のある方が、 SOSチラシを通して初めて支援とつながったその思いと喜びは、 我々支援スタッフが支援を終えた後帰っていく姿を、 最後まで見送ってくださった様子に伺うことができました。 我々の支援を待っている人がいるのです。 SOSチラシは、益城町の仮設住宅にも掲示を開始しています。 熊本市内の避難所も9月15日に閉鎖する見通しとなりました。 避難所の生活から仮設住宅やみなし仮設住宅へ、 震災後から新たな生活ステージへと進んでいます。 落ち着いて生活ができるようになったという方もいますが、 障害のある方々にとって新しい生活環境には大きな 不安があります。 福祉避難所に避難している視覚障害のある方が、住み慣れた家から、 物がどこにあるのかが分からない仮設住宅への入居を躊躇しているという 相談もその一つです。 支援の内容は多岐に渡ります。 その一つ一つに丁寧に対応しているからこそ、 支援依頼者が最後まで支援スタッフを見送ってくださっているのではないでしょうか。 熊本の障がいのある方も、彼らを支援していくJDF支援センターも 多くの支援者を待っています。 にしはらたんぽぽハウス 今回は、食事提供支援中心で、昼食40食以上、 夕食は15食以上という食数をこなしました。 どのようなメニューであれば、みなさんにおいしく召し上がっていただけるのか、 熊本の方向きに味を濃くしたり、量と彩りなどに注意したりするなど、 支援員2名で1日1日知恵を絞り、試行錯誤しながら行いました。 決まった時間に食事を提供しなければいけないため、厨房では常に動き回っています。 職員さんも、施設の取材対応や、ボランティアさんの対応に追われ、 ここでも人手不足が深刻な問題です。 そんな状況の中で、利用者の方とお話する時間をとることも難しいのですが、 不慣れな私たちに、調理器具や材料の場所などをすべて把握している利用者の方に 何度も助けてもらいました。 避難所での食事は、決まったもので、暖かい食事ばかりではないと言います。 少しでも、出来立ての暖かい食事を食べていただき、活力になればと思います。 ワークセンターやまびこ 今回の支援内容は、利用者の方とタオルの毛玉取りやお菓子の箱折り作業、 県庁で授産製品の販売に同行する等を行いました。 スタッフから支援員に求めることは、「外部の方と話すことで、 「仲間も明日からがんばろう」と、 励みになるので仲間とのコミュニケーションをとって欲しい。」 という話を伺いました。 利用者の方は、どなたも気さくに話しかけてくれ、 「一緒にやろうと」作業も誘ってくれました。 県庁で販売をしたとき、「ライフラインが止まった」、 「公園で寝泊りした」と、 震災当時のことを話してくださいました。 後から思えば、大きな地震だったが、 時間帯も季候も不幸中の幸いだったといわれていました。 震災の影響で調子を崩した利用者さんもいたと伺いました。 金曜日のミーティング中にも、地震があり、 1日も早く落ち着いた生活を取り戻せることを願います。 就労支援センターくまもと 今回は、事業所の作業の箱折りや、ドリンクの箱入れなどを行いました。 また、8月3日(火)から 8月14日で閉所となる中央区の避難所へ、 聴き取り調査も始まりました。 しかし、8月3日は、「対象者がいません」とのことで、中止になりました。 次の日の8月4日(水)から再度、気を取り直し、子ども文化会館、5日(金)は、 「はあもに」へ行きました。 聴き取り調査の体制としては、区役所中心に、就労支援センターくまもとの職員2名、 不動産の方、JDFから2名という体制で行います。新しいミッションです。 今回お話を伺ったケースでは、震災後、家族間でケンカが絶えず、 依頼された方がお一人でいくつもの問題を かかえてらっしゃいました。 自殺までも考えたということで、かなり追い込まれている状況でした。 ご本人は、これまでにいろんな機関に相談をされたそうですが、 「だれも話を聞いてくれなかった」と不信感をもたれているようでした。 実際に助けを求めて、SOSを出されているにもかかわらず、 しっかりと受け止める場所がない、ということはとても深刻な問題だと感じました。 今後も、避難所は閉所されていき、集約される方向へ向かっています。 その前に、きちんとどのようなニーズをもっているのか、しっかり聴き取り、 形にしていくことが求められているのだと思います。 =JDF関係者のみなさまへ= <派遣支援員を募集しています> 障害のある人の暮らしの支援や、 熊本県内事業所での作業や活動支援等をおこなっています。 主な活動 ☆被災地障害者センターくまもととの協力(生活支援等) ☆事業所支援(活動支援、食事提供支援等) ☆その他 ・3年以上の福祉職経験者を募集します。 ・日曜日14時に集合し、次の土曜日(7日間)11時頃に解散となります。 ・集合場所:JDF熊本支援センター (熊本県身体障害者福祉センター1階・プレイルーム) ※現地のニーズに応じた活動を展開するため、予定が変更となる場合があります。 ご了承ください。 <募金にご協力ください> 被災した障害のある人、事業所への支援活動や訪問調査などを行なうための 費用にとさせていただきます。ご協力お願します! ■銀行振込:ゆうちょ銀行 ○一九(ゼロイチキュウ)店 当座:0750236 口座名:日本障害フォーラム災害支援金 ■郵便振替口座:00120-2-750236 口座名:日本障害フォーラム災害支援金 自殺の男性「関連死」〜被災後発病 熊本市が初認定〜 【熊本日日新聞 2016.8.2日付、一面より】 熊本市は1日、熊本地震後にうつ病となり、 自殺した男性を含む7人を、新たに震災関連死と認定した。 熊本地震で、自殺の関連死認定は初めて。 市が認定した関連死は、計17人となった。 市によると、自殺した男性は、親族が経営する会社の工場長を務めていた。 工場が被災したことで落ち込み、精神科でうつ病の診断を受けた。 受診の翌日に自殺したという。 市は「震災のショックが自殺の原因となった可能性は否定できない」と説明した。