2 太陽:地球の生命を育む母なる星

 私たちに一番なじみのある星は太陽でしょう。太陽は、自ら光や熱などを放射しています。(このような星を恒星といいます。)太陽は46億年もの間、安定して光り続け、地球上の生命活動を支えてきました。太陽をよく見ると、黒い点、黒点があります。黒点はにきびのようにできたり消えたりします。太陽表面の絶対温度は約6000度ですが、黒点は約4000度です。温度が低いので暗く見えるのです。しかしX線で見ると逆に黒点の部分が明るく見えます。黒点の周囲にX線を出す高温ガスがあるからです。

可視光(上)およびX線(下)で見た太陽

可視光およびX線で見た太陽

2枚の写真。上は、2007年3月2日に京都大学飛騨ひだ天文台で撮られた可視光線の写真で、下は、同じ日に日本の「ひので」衛星によって撮られたX線写真です。太陽をX線で見るとコロナとよばれる100万度の大気がよく見えます。中心よりやや右に黒点が一つあり、X線写真ではその近くが特に明るく光っています。ここは活動的な領域で、高いエネルギーをもつ粒子を多く放出しています。その一部は地球にまで届きます。

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