XHTML Converter

マルチメディアDAISYを製作するには、まずXHTMLファイルを作成する必要があります。
ここではXHTML自動作成ソフトウェア「XHTML Converter」を使ってマルチメディアDAISY用のXHTMLファイルを作成します。

「XHTML Converter」はDAISY研究センターのホームページよりダウンロードすることができます。
XHTML Converter http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/software/xhtmlconv.html


1. 変換用ファイルを作成する

XHTMLファイルに変換する為に、ルールに従ってテキストに記号を付けます。

(1)テキストファイルを用意します。見出しやパラグラフ(段落)で改行して見やすくしておきます。画像やページが入る位置には印を入れておくと良いでしょう。

画像を入れる位置は、その画像に関連する文章より後ろに入れると良いでしょう。
ページは、そのページが始まる部分に入れます。

「ハイテク読書」のテキストファイルは、教材データの「kyouzai」フォルダの中の「newread.txt」ファイルです。
画像が入る位置には「画像:ファイル名」、ページが入る位置には「ページ:番号」がついています。

(2)画像を表示させる為に、画像ファイルを用意します。画像変換のソフトを使って、画像のサイズを調整しておきましょう。サイズの大きい画像は、画面からはみ出したり、DAISYを再生する際に読込みに時間が掛かり、再生が詰ってしまいますので、サイズを縮小しておきます。

画像変換のソフトは、パソコンやデジカメに同梱されているものや市販のソフトウェアがあります。フリーソフトでもたくさんありますので、下記をご参考下さい。
Vector(フリーソフトのライブラリサイト)
<グラフィック変換> http://www.vector.co.jp/vpack/filearea/win/art/graphics/conv/index.html

「ハイテク読書」の画像ファイルは、教材データの「kyouzai」フォルダの中の「newread01.jpg」および「newread02.jpg」ファイルです。

(3)適当なフォルダを作り、テキストファイルと画像ファイルを同じ場所に保存しておきます。

(4)デスクトップにある「XHTML Converter」のアイコンをダブルクリックします。

(5)メニューバーから「ファイル」→「変換対象に追加」をクリックします。

ツールバーでは一番左のボタンです。

(6)「ファイルを開く」ダイアログが表示されます。作成したテキストファイルをクリックし、「特殊文字をエスケープ」にチェックを入れ、「開く」ボタンをクリックします。

「特殊文字をエスケープ」にチェックを入れると、文章中に変換ルールで使われている記号がある場合に、エスケープ(対象除外)記号 ¥ をその記号の前に自動的に付けます。

変換用の記号をすでに付けているテキストを開く場合は、「特殊文字をエスケープ」にチェックは入れません。

(7)「変換対象テキストファイル」エリアに追加されたテキストファイルをクリックし、メニューバーから「編集」→「テキスト編集」をクリックします。

ツールバーでは右から3番目のボタンです。

(8)テキストにXHTML変換に必要な記号を入力していきます。まず、タイトルに = を付けます。

DAISY図書の場合、先頭の見出しは必ずその図書のタイトルになります。

記号は、半角、全角ともに使用できます。

(9)見出しに * を付けます。レベル1なら * 、レベル2なら ** 、のようにレベル数に併せて付け、レベル6まで使用することができます。
ただし、タイトルに付ける必要はありません。

「ハイテク読書」の見出しは、

見出しレベル記号
ハイテク読書1(タイトル)=
1 これまでの読書*
2 ハイテク読書術*
ハイテク読書の利点**
ハイテク読書の欠点**
(1)OCRソフトが文字を誤認識する***
(2)コンピュータが誤読する***
(3)自分では誤りを校正できない***
3 情報バリアフリー*
4 結論*

このようにレベル(階層)が付いています。

DAISYでは見出しにレベル(階層)を設定することができます。図書には、大見出しの中に多数の中見出しがあり、その1つの中見出しの中には多数の小見出しがあります。図書の持つ構造をDAISYでは、レベル1〜6の6つのレベルを使ってあらわします。
例えば、

図書名(タイトル)レベル1
目次レベル1
第1章レベル1
第2章レベル1
第2章1節−−−−−−>レベル2
第2章2節レベルで表すとレベル2
第2章2節1項レベル3
第2章2節2項レベル3
第3章レベル1

となります。

(10)画像を入れる位置に記号を付けます。

%ファイル名%オルトテキスト%

上記のように記述しますので、テキストの「画像:newread01.jpg」の部分は、

%newread01.jpg%高速両面イメージスキャナ%

このように記述します。

「画像:newread02.jpg」の部分も同様に記述します。

ファイル名には画像のファイル名を記述します。JPEG、BMP、GIF、PNGファイル等が使えます。
オルトテキストには、その画像を簡単に説明するテキスト文章を記述します。

(11)ページを入れる位置に記号を付けます。 ~~ (チルダ2個)を付けます。

テキストの「ページ:1」の部分に ~~ を付けます。7ページまであります。

ページ番号は自動的に先頭から順番に付けられます。

(12)テキストイベントの区切り(DAISY再生時にハイライト表示される区切り)は、 。 もしくは 。」 で自動で区切られます。また、パラグラフ(段落)の末尾でも区切られます。

追加で 、(読点) .(ピリオド) ,(カンマ)で区切ることも可能です。「編集」メニューの「オプション設定」から設定します。

任意の場所で区切りたい場合は、 ▲ を付けることにより、その部分で区切ることも可能です。

(13)以上で、変換用ファイルの準備ができました。上書き保存をしてメモ帳を閉じます。次にXHTMLファイルに変換します。


2. XHTMLファイルに変換する

(1)メニューバーから「ファイル」→「XHTML変換」をクリックします。

ツールバーでは左から3番目のボタンです。

(2)変換されたXHTMLファイルが「生成ファイル」エリアに表示されます。

XHTMLファイルは、テキストファイルと同じ場所に保存されます。

(3)XHTMLファイルを確認します。「生成ファイル」エリアのXHTMLファイルをクリックし、メニューバーから「編集」→「レビュー」をクリックします。

ツールバーでは右から2番目のボタンです。

(4)表示されたXHTMLファイルを確認します。問題が無ければ、XHTMLファイルの完成です。

(5)修正が必要な場合、XHTMLファイルを閉じて「XHTML Converter」に戻ります。
「変換対象テキストファイル」エリアのテキストファイルをクリックし、メニューバーから「編集」→「テキスト編集」をクリックします。

ツールバーでは右から3番目のボタンです。

(6)テキストファイルが表示されますので、修正後、上書き保存をして閉じます。
「XHTML Converter」にて再度「XHTML変換」を行います。

問題が解消されるまで(5)、(6)を繰り返し、XHTMLファイルの完成となります。

(7)以上でマルチメディアDAISY用XHTMLファイルの完成です。次に「Sigtuna DAR 3」を使って録音・編集を行い、マルチメディアDAISYを製作します。


EX. XHTML Converter マニュアル

EX−1. 変換ルール

タイトル

行頭の = もしくは = の後ろに、タイトル文字列を記述します。
XHTML宣言文が追加され、タイトルの見出しが自動生成されます。

変換テキスト

=ハイテク読書

XHTML表示例:

ハイテク読書

見出し(レベル1〜レベル6)

行頭の * もしくは * が1つならレベル1、2つならレベル2のように処理を行ない、レベル6までの生成が可能です。
また、 ■□◆◇●○ の記号を見出しの各レベルに割り当てることも可能です。

変換記号 レベル
* レベル1
** ** レベル2
*** *** レベル3
**** **** レベル4
***** ***** レベル5
****** ****** レベル6

変換テキスト

*ハイテク読書
**ハイテク読書
***ハイテク読書
****ハイテク読書
*****ハイテク読書
******ハイテク読書

XHTML表示例:

ハイテク読書

ハイテク読書

ハイテク読書

ハイテク読書

ハイテク読書
ハイテク読書

<span>

本文中から 。 もしくは 。」 を見つけて文節を自動的に判断し、文節を<span>と</span>で挟み込んだXHTML記述を自動生成します。また、パラグラフ(段落)の末尾でも区切られます。
任意に<span>の区切りを入れたい場合には区切り位置に▲を入れます。

XHTMLの表示は変わりませんが、DAISYを製作する際に、テキストが黄色くハイライト表示される区切りとなります。

画像

画像を表示する場合にはテキストに %ファイル名%オルトテキスト% あるいは %ファイル名%オルトテキスト% のように記述します。

ファイル名には画像のファイル名を記述します。JPEG、BMP、GIF、PNGファイル等が使えます。
オルトテキストには、その画像を簡単に説明するテキスト文章を記述します。

画像ファイルは変換用テキストファイルと同じフォルダ(場所)に置いてください。

変換テキスト

%newread01.jpg%高速両面イメージスキャナ%

XHTML表示例:

高速両面イメージスキャナ

強制改行

テキストに ; もしくは ; を記述することにより、その部分で改行されます。

変換テキスト

グーテンベルグの出版革命以来、;視覚に障害のある人は「情報デバイド」を経験してきました。

XHTML表示例:

グーテンベルグの出版革命以来、
視覚に障害のある人は「情報デバイド」を経験してきました。

水平線

テキストに −−−− を記述することにより、その行に水平線が引かれます。

変換テキスト

ハイテク読書
−−−−
1 これまでの読書

XHTML表示例:

ハイテク読書


1 これまでの読書

ページ番号

本文中の 〜〜 もしくは ~~ を記述することにより、ページ番号を生成します。
また、任意の番号をページ番号として指定する場合には、本文中に 〜番号〜 および ~番号~ と記載します。
番号の部分は、半角文字でページ番号の数値を記述します。
一度、ページ番号が任意に指定されると、以降のページ番号は指定されたページ番号を起点に計算されます。

ページ番号は連続する必要はありませんが、論理的に間違っているページ番号は付けることができません。
例えば、4ページの後に2ページを付けた場合、エラーとなります。

変換テキスト

〜〜
〜〜
〜4〜
〜〜

XHTML表示例:

1

2

4

5

特殊ページ番号

page-frontのクラス設定がされた特殊ページ記述の指定をするには、 〜=内容〜 もしくは ~=内容~ のように指定します。

page-specialのクラス設定がされた特殊ページ記述の指定をするには、 〜*内容〜 もしくは ~*内容~ のように指定します。

現在、DAISY再生用ソフトウェアでは特殊ページ番号を指定しての移動はできませんが、前後1つづつの移動は可能です。

ファイル分け

行頭の & および & でXHTMLファイルを分けることができます。
この記号から後ろの行はタイトル文字列としてXHTMLの宣言部分に記述されます。
指定がない場合は、前のページのタイトル文字列を継承します。

長文の図書をDAISY化する場合は、章などでファイルを分けると良いでしょう。

ルビ

 `ルビの対象文字列`ルビ文字列` もしくは `ルビの対象文字列`ルビ文字列` と記述することで、ルビを振ることができます。

変換テキスト

ハイテク`読書`どくしょ`

XHTML表示例:

ハイテク読書どくしょ

ルビを使用する場合は、オプション設定にて「XHTML 1.1」を選択してください。

リンク

リンクの参照を表現するには ^ もしくは ^ の記号を用います。
URIを ^ もしくは ^ で囲い、参照の終了位置を ^ もしくは ^ で示します。
URIの終了位置が省略された場合には行末で参照が終了したものとみなされます。

リンクのアンカーを表現するには # もしくは # の記号を用います。
アンカー名を # もしくは # で囲い、アンカーの終了位置を # もしくは # で示します。
アンカーの終了位置が省略された場合には行末でアンカーが終了したものとみなされます。

リンクを使用すると、DAISY再生用ソフトウェアによっては正常に動作しない場合がありますのでご注意下さい。

変換テキスト

^http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/^DAISY研究センター^

XHTML表示例:

DAISY研究センター

リスト

行頭が + もしくは + で始まる場合には、順序リストを生成します。
空行もしくは + もしくは + 以外の文字で始まる行により、順序リストは終了します。
複数の + もしくは + を並べることで、リストを入れ子にすることができます。入れ子のレベルは3階層までとします。

変換テキスト

+リスト1
+リスト2
++リスト2.1
++リスト2.2
+リスト3

XHTML表示例:

  1. リスト1
  2. リスト2
    1. リスト2.1
    2. リスト2.2
  3. リスト3

行頭が − もしくは - で始まる場合には、順序無しリストを生成します。
空行もしくは − もしくは - 以外の文字で始まる行により、順序無しリストは終了します。
複数の − もしくは - を並べることで、リストを入れ子にすることができます。入れ子のレベルは3階層までとします。

変換テキスト

−リスト1
−リスト2
−−リスト2.1
−−リスト2.2
−リスト3

XHTML表示例:

順序リストと、順序無しリストを入れ子にすることも可能です。この場合には−+のように記号を入れ子にして記述します。

テーブル

行頭が | もしくは | で始まり、各セルを | もしくは | で区切るとテーブルを生成します。
! もしくは ! を使用するとヘッダとして生成します。

変換テキスト

!セルA1!セルB1!セルC1
|セルA2|セルB2|セルC2
|セルA3|セルB3|セルC3

XHTML表示例:

セルA1セルB1セルC1
セルA2セルB2セルC2
セルA3セルB3セルC3

XHTMLの直接記述

 $ もしくは $ で囲った範囲はそのままXHTMLに出力されます。変換ルールでは記述できないXHTMLを生成したい場合に用います。

エスケープ

変換ルールで使われる記号を、文字として使用したい場合があります。
この場合には ¥ もしくは \ を記号の前に記述します。
 ¥ 自体を表現するには ¥¥ とし、\ 自体を表現するには \\ とします。

特殊文字一覧
全角半角
=
&
~
*
■□◆◇●○
%
`
#
^
+
-
|
!
;
$
\
__

コメント

 __ もしくは __ から行末まではコメントとして扱われます。
また _ もしくは _ で囲った範囲はコメントとして扱われます。

コメントは表示への影響はありません。ソースプログラムにメモ書きとして記述されます。


EX−2. 画面説明

ウィンドウの上部にはメニューとツールバーが置かれています。
ウィンドウの左部には変換対象のテキストファイルが列挙され、ウィンドウの右部には生成されたXHTMLファイルが列挙されます。

ファイルメニュー

変換対象に追加
変換対象のテキストファイルを追加します。
ツールバーでは一番左のボタンです。

ウィンドウ左部の「変換対象テキストファイル:」エリアにテキストファイルをドラッグドロップすることで追加することもできます。

変換対象から解除
追加済みのテキストファイルを解除します。
事前にウィンドウ左部の「変換対象テキストファイル:」エリアのテキストファイルを選択しておきます。
ツールバーでは左から2番目のボタンです。
XHTML変換
追加済みのテキストファイルをXHTML変換します。
ツールバーでは左から3番目のボタンです。

XHTMLファイルはテキストファイルと同じフォルダ内に、.txtの拡張子を.htmlの拡張子に置き換えたファイル名で生成されます。

XHTML削除
変換済みのXHTMLファイルを削除します。
ツールバーでは左から4番目のボタンです。
終了
XHTML Converterを終了します。

編集メニュー

テキスト編集
変換対象のテキストファイルを編集します。
テキストエディタ(通常はメモ帳)が起動します。
事前にウィンドウ左部の「変換対象テキストファイル:」エリアのテキストファイルを選択しておきます。
ツールバーでは左から5番目のボタンです。

ウィンドウ左部の「変換対象テキストファイル:」エリアのテキストファイルをダブルクリックすることでも開くことができます。

レビュー
変換済みのXHTMLファイルを表示します。
ブラウザ(通常はInternet Explorer)が起動します。
事前にウィンドウ右部の「生成ファイル:」エリアのXHTMLファイルを選択しておきます。
ツールバーでは左から6番目のボタンです。

ウィンドウ右部の「生成ファイル:」エリアのXHTMLファイルをダブルクリックすることでも開くことができます。

オプション設定
XHTMLファイルで使用するスタイルシート(CSSファイル)等を設定します。
ツールバーでは左から7番目のボタンです。

スタイル:

無し
スタイルシートは設定しません。

横書き
読みやすいよう、行間、文字間を広げた横書き用のスタイルです。

縦書き
縦書き用のスタイルです。

半角数字は縦書きにはなりません。全角数字のみ縦書きになります。

横書き(チェック)
横書き用のスタイルで、<span>で囲んだ部分をハイライト表示したスタイルです。

<span>間隔のチェック用にのみ使用してください。このスタイルを用いたDAISY図書は製作できません。

縦書き(チェック)
縦書き用のスタイルで、<span>で囲んだ部分をハイライト表示したスタイルです。

<span>間隔のチェック用にのみ使用してください。このスタイルを用いたDAISY図書は製作できません。

横書き(プレイヤー)
横書き用のスタイルで、DAISY再生用ソフトウェアで再生した時にハイライト位置を固定したスタイルです。

上記の選択肢以外のスタイルシートを使用する場合には、CSSファイル名を直接入力してください。
事前にCSSファイルをインストールフォルダ(通常は、C:\Program Files\XHTML Converter)にコピーしておく必要があります。

生成XHTMLバージョン
通常はXHTML 1.0を選択してください。ルビを使用した場合にのみXHTML 1.1を選択してください。

SPANタグ区切り対象
自動的に 。(句点)の位置でSPANタグで区切りますが、これ以外の区切り文字 、(読点) .(ピリオド) ,(カンマ)の箇所でSPANタグを区切りたい時に選択します。

ヘルプメニュー

マニュアル
XHTML Converterのマニュアルです。
目次
マニュアルの目次です。
XHTML Converterについて
バージョン情報です。