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プログラム

趣旨

デイジー(DAISY: Digital Accessible Information System)は、視覚障害、発達障害、知的障害、精神障害など、様々な「読むことに障害がある人々」の問題解決のために、DAISYコンソーシアムにより国際的に開発と普及が進められているアクセシブルなマルチメディアである。デイジー形式のマルチメディアにより、見る、聞く、触る、のどれか一つができれば、読むことを保障できるので、欧米では教科書等を中心に急速に普及している。

日本では、本年1月1日に施行された著作権法の改正により、障害がある人々の読書環境が大きく改善され、これまで著作権法の制約でデイジーを利用できなかった様々な読みの障害がある人々の関心が急速に高まってきている。

そこで、デイジーと改正著作権法を最大限に活用して、これまで読書から疎外されてきたディスレクシア等の様々な読みの困難がある人々の支援を進めるために、世界中で普及が進むデイジー技術と、その姉妹技術である新しい電子出版の標準規格 ePUBに着目して、海外から研究開発の最前線に立つ専門家を招聘してその動向を学び、日本におけるデイジーの今後についてのシンポジウムを開催する。

講師には、DAISYコンソーシアム会長のほか、ePUBの開発と普及を進めるIDPF会長、フランスを拠点にするDAISY技術開発チームリーダー、自らがディスレクシアでもある第一線のデイジー製作・閲覧ソフトウエア開発者、e-Inclusionを積極的に進めるスウェーデン国立録音点字図書館のデイジー開発者を予定している。

デイジーを軸とする「誰もが読める」電子図書とデジタルライブラリーの現在と将来に関する発表の後に、教科書のデイジー版提供を法律で出版者に義務付けている米国の事例等を参考に、法律・制度の問題も含めて、日本におけるデイジーの活用についてパネリストと講師による意見交換を行い、日本における「誰もが読める」社会の実現を展望する。