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プロフィール

河村 宏

河村 宏

DAISYコンソーシアム会長
国立障害者リハビリテーションセンター研究所 特別研究員

1970年から1997年まで東京大学総合図書館に勤務。(財) 日本障害者リハビリテーション協会情報センター長および国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所障害福祉研究部長を経て現在にいたる。

すべての人が共有する知識と情報のデザインを追及し、情報アクセス権と著作権の調和を目指した活動に取り組む。また、すべての人が参加する社会をめざすDAISYを通じたグローバルなネットワークづくりに力を注いでいる。

  • NPO法人支援技術開発機構副理事長
  • IFLA/LPD常任委員
  • WAI/W3C委員
  • JICA障害分野支援委員

ジョージ・カーシャ

ジョージ・カーシャ

IDPF会長
DAISYコンソーシアム事務局長

「情報化時代においては、情報へのアクセスは基本的人権である。」― 2001年国連にてジョージ・カーシャ博士は、1987年情報技術改革に着手し、「印刷字を読めない障害」という言葉を初めて作った。そして、適切に設計され、XMLなどの構造化されたマークアップ言語を使用した情報システムにより、すべての情報をすべての人にとってアクセシブルにできるという確信のもと、進歩しつつある技術をその方向へと推し進めている。

カーシャ博士は、情報をアクセシブルにするだけでなく、視覚障害者あるいは印刷字を読めない障害がある人々にとって、情報が完全に役立てられるようにするための技術の開発に力を注いでいる。

DAISYコンソーシアムの事務局長として、また、アメリカ合衆国のRFB&D(視覚障害者およびディスレクシアの人々のための録音サービス機関)のアクセシブル技術担当シニアオフィサーとして、カーシャ博士はドキュメントへのアクセスに関する第一人者であると認められている。

また、DAISY/NISO規格委員会委員長、WAI/W3C運営委員会共同議長、およびNIMAS(全国指導教材アクセシビリティー標準規格)委員会委員も務めている。

2009年12月よりIDPF(米国の電子書籍標準化団体)の会長にも就任したばかりである。

グレゴリー・カーニー

グレゴリー・カーニー

西オーストラリア盲人協会アクセシブルメディア担当マネージャー

グレゴリー・カーニー氏は、1981年から2004年までハワード・パブリケーションズ社に勤務し、オンラインニュース配信システムとプログラムの開発に携わり、当時としては初めての、一般ニュース記事点字配信システムを開発した。また、アメリカ合衆国ワイオミング州キャスパー市の、キャスパースタートリビューン紙で時事漫画を担当し、ピューリッツァー賞報道部門の最終候補に選ばれたことがある。カーニー氏は、ワイオミング医療センターにも勤務し、リー・ニュースサービス社のゼネラル・マネージャーも務めた。現在は西オーストラリア盲人協会のアクセシブルメディア担当マネージャーとして、一般の人々と障害者の両方に資料を提供する録音図書サービスの開発を進めている。

カーニー氏はDAISYコンソーシアムの個人サポーター会員で、MacintoshおよびLinuxをプラットフォームとするさまざまなDAISYツールとアプリケーションの開発、およびその支援を行っている。カーニー氏は、アメリカ合衆国のランドマークスクール(ディスレクシアのための特別支援学校)とブリガム・ヤング大学の卒業生である。

ロマン・デルトワ

ロマン・デルトワ

DAISY変換技術開発チームリーダー

ロマン・デルトワ氏は2004年、ENSIMAG(国立グルノーブル情報処理・応用数学高等専門大学)で優秀な成績を収め、コンピューター科学の工学学士号を取得した。デルトワ氏の研究はソフトウェア開発が中心で、ユーザーインターフェース、WEBおよびXML技術に強い関心を示している。

2004年デルトワ氏は、INRIA(フランス国立情報・自動制御研究所)のWAM(Web Adaptation Multimedia)チームに参加し、W3C SMIL ドキュメントのオーサリングツールであるLimSee2と、その後継となる、柔軟なマルチメディアオーサリングのためのテンプレートベースの新たなソリューションであるLimSee3の開発を担当した。

デルトワ氏は2005年、INRIAが浦河プロジェクトに参加した際、初めてDAISYコンソーシアムのメンバーと出会った。このプロジェクトは、障害者にとってアクセシブルなコンテンツ設計のためのマルチメディアオーサリングツールキットを提供することを目的としていた。

ロマン・デルトワ氏は現在、フリーのソフトウェア開発者兼設計者として、DAISYコンソーシアムにフルタイムで勤務しており、特に、DAISYコミュニティのために開発された、クロスプラットフォームのオープンソース変換ツールであるDAISY Pipeline関連のプロジェクトにおいて技術的指導者として活躍している。

マーカス・ギリング

マーカス・ギリング

DAISYコンソーシアム技術開発部長
スウェーデン国立点字録音図書館(TPB)

マーカス・ギリング氏は元社会学者である。1998年にスウェーデン国立録音点字図書館(TPB)に就職する以前は、5年間精神医学研究に携わっていた。

2000年以降、ギリング氏はDAISYコンソーシアムの活動に取り組み、現在では最高技術責任者(CTO)を務めている。これまでCTOとして、いくつもの標準化プロジェクトおよびソフトウェア開発プロジェクトに参加し、ときにはその指揮をとってきた。

2001年ギリング氏は、現在世界各地で事実上DAISY録音図書配布のための標準規格となっているDAISY 2.02仕様の編集を行った。また、DAISYおよびウェブアクセシビリティ関連の研修・支援活動に多くの時間を費やしてきた。

2006年、ギリング氏はTPBのシステムエンジニアリング部長に就任した。

2007年12月には、ギリング氏がTPB在職時代に指揮したDAISY関連のオープンソースソフトウェア開発プロジェクトの功績を認められ、TPBはアンドリュー・メロン財団のメロン賞(技術協力部門)を受賞した。

ギリング氏は2001年より、ANSI/NISO Z39.86 (DAISY/NISO)維持委員会で投票権のある委員を務めており、2007年9月には同委員会の技術主任に任命された。2009年から2010年にかけて、ギリング氏はDAISY標準規格の改定を指揮している。

パネリスト

長尾 真

国立国会図書館長

1936年生まれ。1959年京都大学工学部電子工学科を卒業、1961年京都大学大学院修士課程を修了したのち、1966年京都大学にて工学博士号取得。1973年京都大学工学部教授、1997年京都大学総長(第23代)、2004年独立行政法人情報通信研究機構理事長を経て、2007年4月から国立国会図書館長をつとめる。

研究開発業績としては、自然言語処理・画像処理、情報工学、知能情報学と多分野にわたる。それらの業績や社会貢献により、1997年紫綬褒章、2005年日本国際賞、フランス共和国よりレジオンドヌール勲章シュヴァリエ章を受章、2008年平成20年度の文化功労者に選出される。

石川 准

静岡県立大学国際関係学部教授

日本の社会学者(アイデンティティ論・障害学・感情社会学)。1987年3月東京大学大学院社会学研究科社会学A専攻 博士課程単位取得退学、1987年日本学術振興会特別研究員、1989年静岡県立大学国際関係学部専任講師、1994年同助教授、1997年同教授。現在、静岡県立大学国際関係学部教授、障害学会前会長、内閣府中央障害者施策推進協議会会長。

主な著書に『身体をめぐるレッスン3』(編著、岩波書店 2007 年)、『見えないものと見えるもの』(医学書院、2004年)など多数。

アシスティブ・テクノロジー分野では自動点訳ソフト(「EXTRA for Windows」ほか)、エディタ/インターネット・ブラウザ(「ALTAIR for Windows 」ほか)、スクリーンリーダー(「JAWS for Windows プロフェッショナル日本語版」ほか)、音声・点字携帯情報端末ブレイルセンスプラス日本語版、GPS歩行支援システム等を開発している。

神山 忠

ディスレクシア当事者、特別支援学校教諭

高校卒業後、陸上自衛隊に入隊。勤務しながら夜間の短大に通い、教員免許(中学技術)を取得する。

中学校の教員となり、通常学級を6年、特殊学級(情緒障害3年、知的障害2年)計5年受け持つ。その後、特別支援学校に異動し10年勤務している。

2003年に自身も読字障害があることをカミングアウトしたことを機に、特別支援教育の実現に向けて、特殊教育学会、LD学会、DAISY関連セミナーなどで講演を行っている。

井上 芳郎

NPO法人 全国LD親の会、公立高校教諭

NPO法人「全国LD親の会」事務局員/親の会「けやき」副会長・広報担当/日本LD学会 広報委員/障害者放送協議会 著作権委員会委員長など

全国各地の約50の会が参加する「全国LD親の会」事務局員として、文科省、厚労省などへの要請活動や、日本LD学会をはじめとする学術団体等の協力を得て、広く社会一般へのLDに関する理解・啓発活動等に従事。最近はLD等の人たちの情報保障や著作権法改正に係わる活動にも取り組む。

野村 美佐子

(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長

日本DAISYコンソーシアム事務局長/IFLA/LPD常任委員/IFLA/LSN通信員/日本図書館協会障害者サービス委員会委員

1998 年に(財)日本障害者リハビリテーション協会に入会。情報センターで障害者の情報アクセスに関する国内外の情報収集・提供を担当し、特に情報先であるIFLA(国際図書館連盟)での障害者サービス分科会に1999年より委員として活動にも参加。2001年より認知/知的障害者のためのマルチメディアDAISYの研究・開発・普及に取り組む。2004年から2007年、アジアでのDFA(DAISY for All)プロジェクトに関わる。現在はDAISY版教科書が必要な児童・生徒に届くことを願って普及活動を行っている。

2007年より情報センター長。