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閉会の辞

野村 美佐子(財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長)

本日は、事例発表の講師の方々から、そしてパネルディスカッションの講師の方々から、とてもDAISYに対する熱い思いと、いろいろな意見をいただきました。そういった意見を反映しながら、私どもリハ協は、ボランティア団体の方々と共に、DAISYというものを普及していきたいと思っております。

先ほど、河村さんがおっしゃいましたように、改正著作権法、とってもうれしいんですけど、私どもは、実は明日からはDAISY教科書のダウンロードを始めることができないのです。というのは先ほど申し上げましたようにこれから申請して、やりとりをしていくという過程があるからです。しかし、その間に、改正著作権法に合わせてすぐできる公共図書館や学校図書館、それからいろんな施設の方々に頑張っていただいて、そこに私どもが追いついていくという形でもいいのかなと思っております。

読めないということは本当に人生を豊かにすることが半減してしまうし、自立や社会参加も半減させてしまうように思います。そういう意味においても、DAISYを通して、読める方法を見つける、あるいは読める本をそれぞれが持つ権利があるというアプローチで、もう少し普及ができたらと思っております。

最後に、DAISYという名前はどうしてつけられたか、ご存じでしょうか? ヒナギクという意味だけではないのです。それから、最初はDigital Audio Based Information Systemというイニシャルをとった言葉でもあるのですが、他の意味もあるのですね。実は、すごい古い映画なんですが、「2001 年宇宙の旅」というのを見たことがありますでしょうか? もう2001年はとっくに過ぎてしまいましたね。スタンリー・キューブリック監督が作った作品なのですが、その映画の中で、「ハル」というコンピュータがでてきていて、最後にハルが分解されていく場面があります。そのときに、ハルがいつも歌っていたのが、「デイジー・ベル」という名前の歌なんですが、「Daisy, Daisy, answer me please」と歌うのですね。正確に言うと「give me your answer do」と言うのですが、そこからDAISYという名前をとったという話を名前をつけた本人から聞いています。それを時々思い出して、DAISYに関連して答えがみつけられない何かがあるたびに、私も「Daisy, Daisy, answer me please」と歌ってしまいます。なかなか解答がみつけられないということは、皆様だれでもお持ちだと思います。ただ、そういう時、連携とかネットワークの中で解決できることもあったように思いますので皆様との今後の連携を希望しております。

講師の皆様、そして参加者の皆様に、今回のご参加に厚く感謝しまして、閉会の言葉とさせていただきます。ありがとうございました。