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はじめに

デジタル録音図書の国際標準DAISY(Digital Accessible Information SYstem)は、当初、視覚障害者のために開発されましたが、その後マルチメディアDAISYとして現在は、様々な障害のある人々が情報や知識を得るための有効なツールとして開発・普及が行われています。

最近では、読みの障害を持つ本人、家族、担任教員等から教科書のマルチメディアDAISY化の要望が急速に増えてきましたが、著作権の問題等でなかなか普及が進んできませんでした。しかし2008年9月に「障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律」が施行され、また、2010年1月1日に改正著作権法が施行され、著作権問題の解決への道を踏み出しました。

財団法人日本障害者リハビリテーション協会では、独立行政法人福祉医療機構「長寿・子育て・障害者基金」の助成を受けて、平成19年度、20年度には「DAISYを中心としたディスレクシアキャンペーン事業」を行い、ディスレクシアに関係する図書館関係者・教育者・当事者団体・マスコミなどの協力を得てキャンペーンを開催しました。

平成21年度は、通常の教科書の使用が困難な者が使用するDAISY版教科書について、現状のニーズを把握した上で提供を行い、DAISYによるより効果的な教育支援を進めていくために、「読みの困難な児童・生徒に向けたDAISYによる支援事業」を実施しました。

当事業の中間報告を行うため、平成22年1月9日に『講演会 読みの困難な児童・生徒に向けたDAISYによる支援』を開催しました。当日は、多くの参加者の方にお集まりいただき、今後につながる意見交換をすることができました。

各講師の方々の貴重な事例報告及びパネルディスカッションは、マルチメディアDAISY版教科書の普及に関する成果と課題を明確にし、今後の活動の方向性を示唆する内容となりました。それらの成果は、平成22年度以降にさらに深めていきたいと考えております。

本報告書が日本における障害者の情報支援、また、DAISYのさらなる広がりに少しでも貢献できれば幸いです。

平成22年3月 財団法人 日本障害者リハビリテーション協会