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シンポジウム「デイジー教科書の現状、課題、そして将来に向けて」

グループごとのテーマについての発表
テーマ:デイジー教科書の現状・課題・将来について

Aグループの発表

いろんな意見が出たのを書きならべました。病院勤務の方がおられて、まず課題について、そして今後について書いたことを発表させてもらいます。

病院で、学校などから紹介されてディスレクシアの子や発達障害の子ども達にデイジーを紹介したいけれども、保護者に使ってもらいたいが、家庭に導入する方法に困難を感じている。特に使い方については、リハ協にマニュアルはあるが、実際にインストラクターをする体制がないとうまくいかないということが指摘されました。

それから、盲学校で小学校3年生の弱視の児童に使わせたという例があったが、身体的な理由や知的な理由で点字がなかなか学習できない子には、デイジーは有効ではないかというコメントもありました。

それから、読む速度など、カスタマイズするために、最初はインストラクターが必要であり、児童・生徒に合わせた個別の対応が必要になるので、対応できるといいというのがありました。

また、聴覚障害の子どもにも、文字を読むのが困難な場合がある。手話と日本語は別の言語なので、音声化だけではなくて、手話化というのもデイジーの仕組みの中でできるといいというような意見がありました。

また、現在、デイジー教科書の提供を小学校・中学校までを対象にしているが、高校に進学した子でも、必要性はあるはずだが、実際には受験のことや、内容も高度になってくるため、提供するのが難しいという意見が出ています。

写真

それから、教科書のデジタル化が目の前に差し迫ってきている時に、今の体制でどうやって障害者には対応していくのかという指摘もありました。

今後については、公共図書館のネットワークとサピエには既に資産がいろいろあります。マルチメディアデイジーだけではなくて、テキストデイジーや音声デイジーがライブラリーには多くあります。これらに親しんでもらうためには、発達障害の生徒にも、提供できなければいけないのだが、点字図書館側が、視覚障害でないと使えないと断られてしまうケースが多くあります。これについては、法律で徹底できないのであろうかという提言です。

本来、デイジー教科書は文科省が責任をもって作るべきであると思う。標準的なデイジー教科書を製作し、その後に、生徒のニーズに合わせた対応をボランティアや教師が作るというような体制を作るべきだということです。

また、もっと多くの人に製作の方に携わってもらうことによって理解が進むのではないかというような指摘もありました。

また、ユーザーをもっと増やすためには、カスタマイズの可能性が重要である。生徒一人一人によってニーズが違う。例えば、発達障害の子の中には、「注」があったら中身は全く読めないので、本文だけが欲しいというようなこともあるので、状況によって「注」は省くといったことができるようなデイジーの製作体制、あるいはユーザー側のカスタマイズが可能にしていかないと、さらなる普及は難しいのではないかという意見もありました。

これは、発表者の意見ですが、自分が使う教材を手軽にデイジー化できるということが大事ではないかなというように私は思います。

それから、医師の方より、最近少しずつ医学界でもデイジーに関する関心が増えているので、そこをもっと増やしていくのはどうかという意見をいただきました。最初に保護者が相談する一つにお医者さんがあるので、こういうところに理解を増やしていくことによって、普及するのではないかと思います。

それから、これは私の質問ですが、LD親の会主催の会合に何度か出て勉強をさせてもらったのですが、デイジーの「デ」の字も出てこない、どうしてかなという疑問を単純に思いました。

以上です。