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シンポジウム「デイジー教科書の現状、課題、そして将来に向けて」

グループごとのテーマについての発表
テーマ:デイジー教科書の現状・課題・将来について

Bグループの発表

Bグループでは、課題が5つ出ました。まず、読みに困難がある生徒は、1000万人のうち5%ですと50万人、そしてデイジーを利用されているお子さんは0.1パーセントと少なすぎるというのが課題の一つです。また、外国人のお子さんも文科省の統計で2万5千人、日本語も読めない子ども達も潜在的な利用者と考えるべきかと思います。現状では地域の教育委員会にデイジーの普及について伺ったとしても、デイジー教科書の認識が低く対応してもらえないケースがあります。教室の中では利用できないなどという誤解もあります。教室の中に一人でも読みに困難がある児童生徒がいる場合は、教室のプロジェクターに写してみんなで学習することができるとなっていますが、これに対する先生や教育委員会の理解がないために、「できません」という制限がかかってしまうので、この理解を深める必要があります。

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また、デイジー教科書は作っていますが、副教材、試験、入試問題などに対しては、デイジー化されていないがために教科書の学習としては、理解が進んでいても、いざ試験となると紙のテストだけを渡されなんの支援もなく問いに答えなければいけないので、どんなに理解のある子どもであっても、0点しか取れないという現状があるというのが私たちの課題です。

それに対して提言ですが、まず、障害者差別禁止法もできましたので、文科省が率先して、デイジーの活用を明確にしてほしい、もっと国としてわれわれ国民のために、読みに困難がある人もいるということをもっと普及しなければいけないと思います。また、そのためには、我々のネットワーク活動を通して、デイジー教科書を製作し、利用実績を作って、こういう声があるということを示し、社会的な一つのものにしていきたいと思います。

それから、学校の図書館にデイジー教科書を置き、そういった子ども達にアクセスできるようにしていきたいと思います。そして、教科書以外のデイジー図書というものも学校の図書館に設置することによって、教科書ですと、読みに困難があるかまだわからない低学年のレベルであっても、デイジーの図書にはとても親しみを持っていて、紙の本には興味を示さない子達には、将来的に読みに困難がある子どもと認識されるような環境が作れるように、図書館に設置すれば良いのではないかということを話し合いました。

また、グループの声としては、デイジー教科書の普及が進まないのは、デイジーの教科書でないと理解できない子どもがいるということを理解している先生がいないので、デイジーがなくても、この児童は頑張ればできるのではないかというような誤解を与えているのではないか、デイジーの教科書というのは、日常的な眼鏡の視力矯正のようなものと一緒で、この時間だけデイジーを使えばわかるのではなく、24時間アクセシブルが可能で、デイジーの対応をしていくべきということで、利用者が必要としていけるように学ぶ前提として当然与えるべきというようにしてもらえたら良いと思っております。

最後に理想としましては、ボランティア頼りではなく国や教科書会社にデイジー教科書にもっと介入してもらい、広く多くの読みに困難がある子ども達に教科書を届けられるようにしたいと思っています。以上です。