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シンポジウム「デイジー教科書の現状、課題、そして将来に向けて」

講師のコメントおよびまとめ

野村 美佐子(日本障害者リハビリテーション協会 情報センター長)

最後になってしまいましたが、今回、皆さんの意見をたくさん聞くことができて、それから、様々なアプローチの仕方を教えていただいて、今後の活動にとても役立つのではないかと思います。講師の方々の、熱い思いもたくさん聞くことができてよかったと思います。

ワークショップをするということで、今回、参加人数が少なくなりました。やっぱり、ワークショップって難しいから嫌だと思っている人、あるいは情報を得るためだけに来る人にとっては、自分の意見を言う場なんかいらないと思っている人がいるのではとちょっと心配していました。しかし、皆さんの積極的な活発な意見をいただいて、私どもの現在の活動を見直して、今後どう進めれば良いかを、教えていただいたように思います。

私が所属する情報センターが運営をするDINFサイト(http://www.dinf.ne.jp)の情報収集のために、国際図書館連盟にある障害者サービス委員会の委員をしています。そこで、現在、作業をおこなっているのが、改訂版ですが、ディスレクシアの人たちに対する、図書館サービスガイドライン作成です。前回リリースされた時は2000年で、マルチメディアデイジーやデジタル録音図書に言及があまりされていませんでした。今回はデイジーに関してたくさんの事例や、こういうふうに図書館で使えばいいといった事例が出てきたように思います。ただ、それにしてもやはり、欧州においても、ディスレクシアの認知が日本よりずっと良いとはいえ、配慮されたサービスができているとは思えません。日本は、それよりもディスレクシアの認知が低いと思うのですが、ディスレクシアの認識を高める必要があると思います。そしてその1つの方法として、デイジーを普及できればいいなと思っています。

それから、デイジー自体が進化しているといつも思います。河村さんの話を聞いていると、EPUBからEDUPUBの規格とかに注目され始めているようです。

そういう時代の流れのなかで、次世代に向けてどのように私たちが出来るかということを考えていかないといけないと思うのですが、サポーターズネットワーク、そういうものができるということであれば、ぜひ日本デイジーコンソーシアムのサポーターになっていただいて、私どもと一緒にどうやってデイジーを普及していくかについて考えていければ良いなと思います。

とても意義のあるシンポジウムだったように思います。皆さまのこれからのさらなるアクションをお待ちしています。