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手話および手話のイラスト付きの図書

これはおもに聴覚障害者のための改変である。しかし手話は、語彙が限られている知的障害者などにとっても、通常の発話を補完する手段となる。

聴覚障害者の手話は、独自の文法と構文を持つ視覚的な言語である。ボディーランゲージと模倣がこの言語のもっとも重要な部分で、これによって話している内容の意味を伝えなければならない。手話は、「手話つきの単語」、つまり手話と単語を組み合わせた手話の絵と混同されてはならない。手話は、聴覚障害者が単語と概念を学ぶ主要な手段である。それは聴覚障害者の母国語なのだ。したがって聴覚障害児には、手話を第一言語とする権利がある。

背丈が低い、及び高いを表す手話
低い(背丈) 大きい/高い(背丈)

聴覚障害のある青年や成人でも一般の文字を読むことができるが、彼らが手話による文学にもアクセスできるようにすることも重要である。彼らは聞こえの悪さが原因で話し言葉に問題があるので、一般の印刷されたテキストを読むのは難しいと感じることが多い。そこで彼らの多くは、CD-ROMやDVD、またはビデオに収録された、聴覚障害者のために手話で語られている図書を読む方を好む。

「手話のイラスト付きの図書」とは、手話と単語を組み合わせた絵が載っている図書である。これらは、手話が言語だといえることを教えてくれる。これらの図書は、幼稚園で人気が高く、聞こえる子供たちと聞こえない子供たちのコミュニケーションを促進し、インクルージョンを進める要因となっている。手話の図書は現在さらに重要となってきているが、これは、耳がほとんど聞こえない子供たちが、聞こえを強化するために耳に電子補助機器を入れていることがあるからである。これは人工内耳(CI)と呼ばれる。このような子供たちの聞こえは、依然としてやや悪いため、話し言葉をサポートするために手話を使用するのはよいことである。当然、彼らは手話を学ぶ権利も持たなければならない。

前述のように、知的障害者もまた手話の絵から恩恵を受けることができる。彼らのコミュニケーション能力の発達を助けるのは、言葉の詳しい説明と劇的な表現であるといえる。

ノルウェーでは、モラー能力開発センター(Moller Competence Centre)が、手話の図書の開発と出版を担当している。同センターでは、聴覚障害のある若い人向けに「ライティングキャンプ」を実施しており、その結果、数冊の面白い本が生まれた。