グローバル・アクセシブル・ライブラリー(GAL)プロジェクト最新情報
Julie Rae (ジュリー・レイ)
Chair, IFLA - LPD Section
Margaret McGrory (マーガレット・マグローリー)
Chair, Global Library Steering Committee
IFLA - 共同会議:
特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(LSN)
印刷物を読めない障害がある人々のための図書館サービス分科会(LPD)
2010年8月13日
グローバル・アクセシブル・ライブラリー(GAL)プロジェクト最新情報
IFLA - 共同会議:
特別なニーズのある人々に対する図書館サービス分科会(LSN)
印刷物を読めない障害がある人々のための図書館サービス分科会(LPD)
2010年8月13日
論題
- GALフェーズ1の見直し
- GALの要点
- 成果
- GAL に向けての戦略
- GAL とWIPO イニシアティブとの統合
- 今後の展望
- 質疑応答
GAL フェーズ1の見直し
- 課題
- 2008年、 IFLA-LPDとDAISYコンソーシアムが共同で、グローバル・アクセシブル・ライブラリー(GAL)の必要性と、その完全実施に向けての戦略および第一段階を明らかにするプロジェクトを策定し、運営委員会を設立
- 構想
- 「利用可能な代替フォーマットによる資料の総数を増やし、世界各地の印刷物を読めない障害がある人々が、いつでも、どこでも、アクセシブルな図書館資料を検索し、利用できるようにする」
GALの要点
検討されてきたことは?
- 検索と利用(「発見と入手」)
- 他国のどの図書館資料が代替フォーマットで利用できるかを調べる容易な方法はない。
- 上記資料の利用に対する法的制約
- 世界各地、特に先進国、開発途上国、後発開発途上国間の、技術インフラストラクチャーおよび技能の格差
- 共有蔵書開発と相互貸借(アクセシブルなタイトルの割合の増加)
- 印刷物が読めない障害がある人々が利用できるのは出版物の約 5%
- GAL が大規模な共同制作の機会を提供。アクセシブルなコンテンツの総数が増加。複製の入手と制作のための費用が減少。
GALの要点 - 続き
ガバナンス (運営機構)
- ガバナンスモデルの選択肢
- GAL参加の条件
- 危機管理
- サービスの影響
- 持続可能性
GALの要点 - 続き
資金調達!
- 連携 - 財政面と物資面
- 技術系企業 - インフラストラクチャ-
- 政府 - 財政面、著作権問題の解決
- 出版社 - 著作権、ファイルの転送
- 書店 - 共同出資、売り上げの増加
- 図書館 - サービスの利用拡大、専門知識・技術、支援
GAL フェーズ1の成果
- コンテンツの相互貸借を行う図書館に求められる基準
-- 標準規格の順守 - エンドユーザーによる検索・利用の際の要件
- GAL参加基準
- 仮説検証およびレディネス診断のための、世界の各機関を対象とした調査
- GAL設立に向けての戦略
GALに向けての戦略
提言:
以下を設けなければならない。
1.検索・利用のためのバーチャルな統合デジタルモデル
2.コンテンツを共有する参加機関の基準:
- 国内法で定められた利用資格者を対象とした「ホーム」ライブラリー
- 他のGAL会員が利用可能なオンライン目録
- 制作中の作品を含む目録およびメタデータ作成における最低基準の順守
- 代替フォーマットによる資料へのアクセスを提供する非営利機関として登録
- GALを通じて入手した資料に対する著作権制限の順守
GALに向けての戦略 - 続き
3.正式なGAL運営機構 - 最終的には会員からなる運営「委員会」により運営
4.新規のTrusted Intermediaries(TI)(信頼のおける媒介機関)(注1)による、国境を越えた相互貸借のガイドラインを検証するパイロットプロジェクトと、GALプロジェクトとの統合の実現可能性に関する、WIPOステークホルダー・プラットフォーム作業部会との討議
5.GALの試験的実施
http://www.daisy.org/projects/global-accessible-library/GALFinalReportOnStrategyMarch2010.html
統合 - GAL とWIPOステークホルダー・プラットフォームによる「TIパイロットプロジェクト」
共通の目標:
もっとも重要な「使命」を共有:
- 印刷物を読めない障害がある人々でも利用できるフォーマットによる図書の数を増やすこと
- このような図書へのアクセスを増やし、これらを必要とし、求めている、印刷物を読めない障害がある人々が、入手できるようにすること
統合 - 続き
相違点:
- GALは「図書館」蔵書に焦点を絞り、タイトルを共有し、エンドユーザーがどこからでもアクセスできるようにする。 TIプロジェクトは国境を越えた相互貸借に焦点を絞り、著作権問題を解決するガイドラインを検証し、「信頼のおける媒介機関」(企業間)というコンセプトへの信頼を築く。
- GALが目指すのは、エンドユーザーによる検索と、アクセシブルな電子フォーマットによる図書の提供。
TIプロジェクトの目的は、規模は小さいが、GAL構想実現の前提条件。
統合 - 続き
最終結論:
- TI パイロットプロジェクトでは、GALプロジェクトの成功に不可欠な著作権の枠組みを提供し、GALでは、国境を越えた相互貸借のガイドラインを検証し、策定するための枠組みを権利所有者に提供する。
- 意欲と能力を備えたTI間でのファイルの相互貸借が両プロジェクトの中心となる。
- 2つのプロジェクトが別々に進められる場合
- 活動、資金および費用が重複する危険性が高い。
- コミュニケーション上、運営上の混乱。
- TI が両プロジェクトの支援に苦労する。
今後の展望…
GAL/TI - プロジェクト計画
WIPOからプロジェクトマネージャーを派遣
プロジェクト計画- 2010年10月準備完了
- プロジェクトの運営
- 目標
- 規模
- 予想される成果
- 質基準
- 資金および費用
- コミュニケーション
- 技術的な問題
- TIの参加-段階的に
- スケジュールおよび道しるべ
- リスク
- 持続可能性
GAL/TI プロジェクト運営機構
- エグゼクティブスポンサー(Executive Sponsor)
- 運営委員会(Steering Committee)
- 諮問グループ(TI)(Advisory Group (TI organizations))
- 諮問グループ(権利所有者)(Advisory Group (Rightsholders))
- プロジェクトマネージャー(Project Manager)
- TI プロジェクトリーダー(TI Project Lead)
- WIPO プロジェクトリーダー(WIPO Project Lead)
パイロットプロジェクト フェーズ1- 1年目
焦点:参加TI間(企業間)での著作権保護作品の国境を越えた相互貸借
- WIPOステークホルダー・プラットフォームによるプロジェクト計画の支持と運営
- 電子ファイルの転送と著作権使用許諾に関する権利所有者とTI間の合意
- ファイル配信のメカニズム/インフラストラクチャーとビジネスプロセス
- TI第一グループの選出と登録(運営プロセスが安定した後、急速に参加者を増やすため)
- パイロットプロジェクトの実施
「企業間」の次は…
図書館間のコンテンツ相互貸借へ…
世界中の印刷物を読めない障害がある人々が、携帯電話やコンピューターなどの読書ができるユビキタスな機器を利用し、いつでも、どこでも、アクセシブルな図書館資料を(直接)検索し、利用できるようにする。
2010年3月
グローバル・アクセシブル・ライブラリー・プロジェクト
戦略報告書
質疑応答
質疑応答
GAL/TI パイロットプロジェクト
ご質問・ご意見はこちらへ:
Julie Rae (ジュリー・レイ)
Chair, IFLA - LPD Section
Julie.Rae@visionaustralia.org
Margaret McGrory (マーガレット・マグローリー)
Chair, Global Library Steering Committee
margaret.mcgrory@cnib.ca
TI:Trusted Intermediaries(信頼のおける媒介機関)
TIは具体的には印刷物を読むことに障害がある人々にサービスを行うことを使命としている非営利団体や政府機関を指す。