音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

韓国の図書館法

韓国の図書館法では、「知識情報格差の解消」を図書館の責務として明確に位置づけ、国および地方公共団体は知識情報弱者が図書館の施設とサービスを自由に利用することができるように、必要な施策を講じなければならないと明記している。(第43条、第44条)
また、知識情報弱者の中で特に障害者に対しての図書館サービスを支援するための国立障害者図書館支援センターを置くこととその役割について明記している。(第45条)
注:(財)日本障害者リハビリテーション協会

[一部改定 2006.12.20 法令 第8069号] 最近改定法令

第1章 総則

第1条(目的)

この法律は国民の情報に接する権利と、知る権利を保障し図書館の社会的責任とその役割の遂行に必要な事項を定め、図書館の育成とサービスを活性化することにより、社会全般についての資料の効率的な提供と流通、情報接近およびに利用の格差解消、生涯教育の増進など、国家ならびに社会の文化発展に貢献することを目的とする。

第2条(定義)

この法律で使用する用語の意義は下記のとおりである。

  1. “図書館”とは、図書館資料を収集、整理、分析、保存し、公衆に提供することで、情報利用、調査、研究、学習、教養、生涯教育等に貢献する施設をいう。
  2. “図書館資料”とは、図書館が収集、整理、保存している資料、印刷された資料、筆写された資料、視聴覚資料、マイクロ形態資料、電子資料、その他、障害者のための特殊資料等、知識情報資源の伝達を目的とする情報が蓄積されたすべての媒体をいう。(以下「資料」という。)
  3. “図書館サービス”とは図書館が資料と施設を活用し、国民に提供しようとする貸し出し、閲覧、レファレンスのサービス、各種資料と情報機器の利用サービス、資料の入手、および情報解読力の強化を目的とする利用指導教育、国民読書活動を広める等、一切の有形無形のサービスをいう。
  4. “公共図書館”とは公衆の情報利用、文化活動、読書活動および生涯教育のため、国または地方公共団体が設立した図書館、公衆に開放する目的で民間機関および団体が設立した図書館をいう。次の各号の施設は公共図書館の範疇の中に含まれる。
    1. イ 第5条の規定による図書館の施設、および資料の設置基準に達していない小規模の非営利読書施設であり文庫
    2. ロ 障害者に対する図書館サービスの提供を主たる目的とする障害者図書館
    3. ハ 医療機関に入院中の人に対する図書館サービスの提供を主たる目的とする病院図書館
    4. ニ 陸軍、海軍、空軍など各部隊の兵営内で、将兵に対する図書館サービスの提供を主たる目的とする兵営図書館
    5. ホ 刑務所に収容中の人に対する図書館サービスの提供を主たる目的とする刑務所図書館
    6. ヘ 子供たちに対する図書館サービスの提供を主たる目的とする子供図書館
  5. “大学図書館”とは「高等教育法」の第2条の規定による大学および他の法律の規定により設立された大学教育課程以上の教育機関で、教授と学生、職員に図書館サービスを提供することを主たる目的とする図書館をいう。
  6. “学校図書館”とは「初・中等教育法」第2条に規定する高等学校以下の各学校で、教師と学生、職員に図書館サービスを提供することを主たる目的とする図書館をいう。
  7. “専門図書館”とはその設立機関・団体に所属する職員、または公衆に特定の分野に関する専門的な図書館サービスを提供することを目的とする図書館をいう。
  8. “納本”とは資料を発行しようとして制作した者が、一定の部数を法令で定められた期間内に義務的に提出することをいう。

第3条(適用範囲)

この法律は情報館、情報センター、資料室、資料センターおよびこれと類似した名称と機能を持つ施設のなかで、大統領令により文化観光部長官が認定した施設に対しても適用される。

第4条(国家および地方公共団体の責務)

国および地方公共団体は国民が自由平等に知識情報に接し、それを利用できるように図書館の発展を支援し、それに必要な施策を講じなければならない。

第5条(図書館の施設および資料)

  1. 図書館は資料の保存・整理をし、また利用者の便宜をはかるため施設および資料を整えなければならない。
  2. 第1項の規定により、図書館の施設および資料の基準は大統領令で定めるものとする。

第6条(司書職員等)

  1. 図書館は大統領令の定めに従い図書館の運営に必要な司書職員、「初・中等教育法」第21条2項の規定により司書教師および実技教師を置かなければならない。また、運営に必要なコンピューター職員を置くこともできる。
  2. 第1項の規定に従い、司書職員の区分および資格要件と養成に関し、必要な事項を大統領令で定めるものとする。
  3. 国並びに地方自治体は、図書館職員の専門的な業務を遂行する能力の向上については、教育の機会を提供しなければならない。

第7条(図書館の利用・提供等)

  1. 図書館は資料の流通・管理および利用等に関する業務の効率を高め、知識情報の共同利用について他の図書館と協力しなければならない。
  2. 図書館は住民に多様なサービスを提供するために博物館・美術館・文化院・文化の家などの各種文化施設と、教育施設、行政機関、関連団体および地域社会と協力しなければならない。
  3. 大学図書館・学校図書館・専門図書館等は、その設立目的の遂行に差し支えのない範囲で公衆が利用できるように、施設並びに資料を提供することができる。

第8条(利用者の個人情報保護)

図書館は図書館利用者の個人情報保護について、次のそれぞれの施策を講じなければならない。

  1. 利用者の情報収集と管理、公開等に関する規定の制定に関する事項
  2. 図書館職員に対する関連教育の実施に関する事項
  3. その他、利用者の個人情報保護と関連して図書館長が必要と判断した事項

第9条(金銭等の寄付)

「民法」などによって設立された法人・団体および個人は図書館の設立・施設・資料および運営を支援するために、金銭その他の財産を図書館に寄付することができる。

第10条(類似名称の使用禁止)

この法律に従い図書館ではないのに“図書館”という名称を使用することはできない。

第11条(他の法律との関係)

図書館に関しては、他の法律に特別な規定がある場合を除き、この法律が定めるところによるものとする。

第2章 図書館政策の整備およびその推進体制

第12条(図書館情報政策委員会の設置)

  1. 図書館政策に関する主要事項を整備・審議・調整するため大統領に所属する図書館情報政策委員会(以下「図書館委員会」という。)を置く。
  2. 図書館委員会は次の各事項を樹立・審議・調整するものとする。
    1. 第14条の総合計画の樹立に関する事項
    2. 図書館関連の制度に関する事項
    3. 国家と地方の図書館の運営体系に関する事項
    4. 図書館運営の評価に関する事項
    5. 図書館並びに資料への親しみ、利用格差の解消に関する事項
    6. 図書館専門の人材の養成に関する事項
    7. その他、図書館政策について大統領令に定める事項
  3. 図書館委員会の事務を支援するため委員会に事務機構をおき、第2項による機能を遂行するため文化観光部に企画部門をおく。
  4. 図書館委員会の事務機構および企画部門の設置・運営等に関して必要な事項は大統領令で定めるものとする。
  5. 委員長は、事務機構ならびに企画部門の業務遂行に必要な場合には、関係行政機関の公務員および関連団体の役職員の派遣を要請することができる。この場合、要請を受けた機関の長は、特別な事由のない限りこれに応じなければならない。

第13条(図書館委員会の構成)

  1. 図書館委員会は委員長1名、副委員長1名を含めた30名以内の委員で構成されるものとする。
  2. 委員長は大統領が委員の中から委嘱し、副委員長は文化観光部の長官があたり、委員は次の各項に定める者とする。
    1. 大統領令が定めた関係する中央行政機関の長、およびこれに準ずる機関の長
    2. 図書館に関する専門知識および経験が豊富な者で委員長が委嘱する者、ただし、初代の委員は副委員長が委嘱する。
  3. 委員長は会議を召集・主宰するものとする。
  4. 委員長は必要な場合には、副委員長に職務を代行させることができる。
  5. 第2条第2号の規定により、委員の任期は2年とし、1回に限り再任することができる。
  6. 委員が事故で職務を遂行することができなくなり、欠員が生じた時は速やかに新しい委員を任命しなければならない。この場合の委員の任期は前任委員の残余期間とする。
  7. 図書館委員会の運営などに関して、必要な事項は大統領令で定めるものとする。

第14条(図書館発展総合計画の樹立)

  1. 図書館委員会委員長は図書館の発展のために5年ごとに図書館発展総合計画(以下「総合計画」という。)を策定しなければならない。
  2. 総合計画には次の各事項が含まれなければならない。
    1. イ 図書館の役割強化に関する事項
    2. ロ 図書館の環境改善に関する事項
    3. ハ 図書館の協力体系の活性化に関する事項
    4. ニ その他図書館政策の重要施策に関する事項
  3. 重点的に推進する課題および関係部署などの協調に関する事項

第15条(用途別施行計画の樹立等)

  1. 中央行政機関の長と、特別市の市長・広域市の市長、および道知事は総合計画を起草し、毎年12月末までに用途別施行計画(以下「施行計画」という。)を作り、推進しなければならない。
  2. 施行計画の樹立および推進に関して必要な事項は大統領令で定めるものとする。

第16条(財源の調達)

  1. 国および地方公共団体は、総合計画および施行計画の推進のために必要とされる財源を確保しなければならない。
  2. 図書館の発展のために必要な財源のすべてまたは一部を「文化芸術振興法」第17条の規定に従い、文化芸術振興基金からの支援または補助を受けることができる。

第17条(図書館に関連する協会などの樹立)

  1. 文化観光部の長官は、図書館間での資料交換、業務協力と運営・管理に関する研究、関連する国際団体との相互協力、図書館サービスの振興および図書館の発展、職員の資質向上並びに共同利益の増進のために必要とされる場合には、図書館関連の協会など(以下「協会等」という。)の法人を設立することができる。
  2. 国は第1項の規定により、協会等の運営に必要な経費を補助することができる。
  3. 協会等に関しては、この法に規定されたことを除いては「民法」に規定する非営利法人を準用するものとする。

第3章 国立中央図書館

第18条(設置など)

  1. 文化観光部長官に所属し、国を代表する図書館として国立中央図書館を置く。
  2. 国立中央図書館は、国を代表する図書館として効率的な業務処理、および地域間の図書館がバランスよく発展するために必要な場合は地域別・分野別の分館を置くことができる。
  3. そのほか国立中央図書館の組織および運営等に関する必要な事項は大統領令で定めるものとする。

第19条(業務)

  1. 国立中央図書館は次の各項の業務を行う。
    1. 総合計画に従う関連施策の施行
    2. 国内外の資料の収集・提供・保存管理
    3. 国家の書誌作成および標準作り
    4. 情報化を通して国家の文献情報の体系を構築
    5. 図書館職員の教育訓練等、国内の図書館に対する指導・支援および協力
    6. 外国図書館との交流および協力
    7. 図書館の発展のための政策の開発および調査・研究
    8. その他国家を代表する図書館としての機能を果たすために必要な業務
  2. 第1項の7の業務遂行のために国立中央図書館に図書館研究所(以下「研究所」という。)を置く。
  3. 研究所の設立・運営および業務に関しては大統領令で定めるものとする。
  4. 国立中央図書館は、その業務を効率的に行うために国会図書館と協力しなければならない。

第20条(資料の納本)

  1. 「公共記録物の管理に関する法律」第3条第1号により、公共機関は資料を発行または製作する場合には、その発行または製作した日から30日以内に、その資料を国立中央図書館に納本しなければならない。
  2. 第1項の規定に従い公共機関以外の個人や団体が資料を発行または製作する場合には、発行または製作した日から30日以内に、その資料を国立中央図書館に納本しなければならない。修正増補版を発行または製作する場合も同様とする。
  3. 国立中央図書館は第2項の規定に従い、資料を納本したものに対してすみやかに提出証明を発行しなければならない。
  4. 納本の対象となる資料の種類・部数とその手続きおよび報償に関して必要とされる事項は、大統領令で定めるものとする。

第21条(国際標準資料番号)

  1. 図書および連続刊行物を発行しようとする公共機関、個人および団体は、その図書または連続刊行物について国立中央図書館から国際標準使用番号(以下「資料番号」という。)を付与されなければならない。
  2. 国立中央図書館は第1項の規定に従い、業務を効率的に行うために出版等関連専門機関・団体等と相互に協力をしなければならない。
  3. 資料番号の付与に必要な事項は大統領令で定めるものとする。

第4章 公共図書館

第22条(地域代表図書館)

  1. 特別市・広域市・道・特別自治道(以下「市・道」という。)は、該当地域の図書館施策を作り施行し、それに関連するサービスを体系的に支援するために、地域代表図書館を設立運営しなければならない。
  2. 第1項の規定により地域代表図書館の設立・運営に関して必要な事項は大統領令で定めるものとする。

第23条(業務)

地域代表図書館は次の各項の業務を遂行するものとする。

  1. 市・道単位の総合的な資料の収集・整理・保存および提供
  2. 地域の公共図書館の支援および協力作業の遂行
  3. 図書館の業務に関する調査・研究
  4. 地域の資料収集の支援および他の図書館から移管された資料の保存
  5. 国立中央図書館の資料収集活動および図書館協力事業の支援
  6. その他、地域代表図書館で必要とする業務

第24条(地方図書館情報サービス委員会の設置等)

  1. 市・道は管轄地域内にある図書館のバランスの取れた発展と知識情報格差の解消に関する主要事項を審議するために地方図書館サービス委員会(以下「地方図書館委員会」という。)を置く。
  2. 地方図書館委員会は次の各号の事項を審議する。
    1. 地方図書館のバランスの取れた発展に関する事項
    2. 地方図書館の知識情報格差解消に関する事項
    3. その他地方図書館政策に対し、地方図書館委員会が必要と認めた事項
  3. 地方図書館委員会は、委員長1名と副委員長1名を含む15名以内の委員によって構成される。
  4. 委員長は市・道の知事、副委員長は地域代表図書館長とし、委員は図書館に関する専門知識と経験が豊富な者の中から委員長が委嘱する者とする。
  5. 委員長は会議を召集・主宰する。
  6. 委員長は必要な場合は副委員長に職務を代行させることができる。
  7. 地方図書館委員会の運営に関する必要な事項は、当該地方自治団体の条例で定めるものとする。

第25条(運営費の補助)

国は図書館への協力体系を効率的に運営するため、地域代表図書館を設置する市・道に対して、その事業費の一部を補助することができる。

第26条(資料の提出)

  1. 地方公共団体が資料を発行または製作した場合には、その発行日または製作した日から30日以内に、資料2部を管轄地域内にある地域代表図書館に提出しなければならない。
  2. 提出の対象となる資料の種類および手続きは、大統領令で定めるものとする。

第27条(公共図書館の設置等)

  1. 国家または地方公共団体は大統領令が定めるところにより、公共図書館(以下「公立公共図書館」という。)を設立・育成をしなければならない。
  2. 「民法」その他の法律によって設立された法人(以下「法人」という。)、団体または個人は公共図書館(以下「私立公共図書館」という。)を設立することができる。
  3. 第1項の規定に従い設立された公立公共図書館は、“図書館”という名称を使わなければならない。

第28条(業務)

公共図書館は情報および文化、教育センターとしての機能を発揮できるように、次の各業務を遂行する。

  1. 資料の収集・整理・保存および公衆への利用提供
  2. 公衆に必要な情報の提供、および地方行政に必要な情報の提供
  3. 読書を習慣化するための計画の作成および実施
  4. 講演会、展示会、読書会、文化行事ならびに生涯教育関連の行事の主催または奨励
  5. 他の図書館との緊密な協力、および資料の相互貸借
  6. 地域の特性により分館等の設立および育成
  7. その他、公共図書館としての機能を果たすために必要な業務

第29条(公立の公共図書館の運営および支援等)

  1. 国および地方公共団体は、図書館の設立・運営および資料の収集に関して、経費の一部を補助する等、公立の公共図書館のバランスの取れた発展と効率的運営のために必要とされる支援を行うことができる。
  2. 公立の公共図書館については、当該地方公共団体の一般会計からその運営費を負担しなければならない。
  3. 「地方教育自治に関する法律」第32条の規定により教育監が設立・運営する公立公共図書館については、該当地方公共団体の一般会計予算の範囲内でその運営費の一部を負担しなければならない。

<改定2006.12.20>

第30条(公立の公共図書館の官庁および図書館運営委員会)

  1. 公立の公共図書館の館長は司書を任命する。
  2. 公立の公共図書館は該当する図書館の効率的な運営を図り、各種文化施設と緊密に協調するため、図書館運営委員会を置かなければならない。
  3. 第2項の規定については、図書館運営委員会の構成および運営に必要な事項は当該地方公共団体の条例で定めるものとする。

第31条(私立の公共図書館の登録および閉館)

  1. 法人・団体または個人が私立の公共図書館を設立しようとする時には、第5条および第6条の規定に従い、施設・資料および司書等に関する基準を満たした上で、大統領令が定めるところによる市長・郡首・自治区の区庁長(以下「市・郡・区庁長」という。)に登録の申請をすることができる。この場合は市・郡・区庁長は登録証を交付しなければならない。
  2. 第1項の規定により登録された私立の公共図書館の設立者が当該図書館を閉館しようとする時には、市・郡・区庁長に登録証を返納しなければならない。

第32条(私立の公共図書館の支援等)

国家および地方自治団体は、第31条の第1項の規定により登録された私立の公共図書館のバランスの取れた発展と、効率的な運営に必要な支援をすることができる。

第33条(使用料)

公共図書館は大統領令が定めるところにより、利用者から使用料を取ることができる。ただし、公立の公共図書館の使用料は当該地方公共団体の条例で定めるところとする。

第5章 大学図書館

第34条(設置)

「高等教育法」第2条の規定により、大学および他の法律の規定にしたがって設立された大学教育課程以上の教育機関には、大学図書館を設置しなければならない。

第35条(業務)

大学図書館は、教授と学生の研究および教育活動と、教職員などの知識情報を深めるために、必要とされる次の各号の業務を遂行するものとする。

  1. 大学教育に必要な各種の情報資料の収集・整理・保存およびサービスの提供
  2. 効率的な教育課程を行うための支援
  3. 他の図書館および関連機関との相互協力とサービスの提供
  4. その他、大学図書館としての機能を果たすために必要な業務

第36条(指導・監督)

大学図書館は「高等教育法」と「私立学校法」およびその他の法律の規定に従い、該当大学の指導・監督や教育機関の監督庁の指導・監督を受けなければならない。

第6章 学校図書館

第37条(設置)

「初・中等教育法」第2条の規定により、学校には学校図書館を設置しなければならない。

第38条(業務)

学校図書館は学生および教員等の教授、学習活動を支援するため次の各号の業務を遂行するものとする。

  1. 学校教育に必要な資料の収集・整理・保存および利用サービスの提供
  2. 学校が所蔵する教育資料統合管理、および利用の提供
  3. 視聴覚資料およびマルチメディア資料の開発・製作および利用の提供
  4. 情報管理システムと通信網を利用する情報共有体制の構築と利用の提供
  5. 図書館利用の指導および読書教育、共同授業等を通しての情報活用の教育
  6. その他、学校図書館としての機能を果たすために必要な業務

第39条(指導・監督)

学校図書館は「初・中等教育法」と「私立学校法」およびその他の法律の規定に従い、該当学校の監督庁の指導・監督をうけるものとする。

第7章 専門図書館

第40条(登録および閉館)

  1. 国家、地方自治団体、法人、団体または個人は専門図書館を設立することができる。
  2. 法人、団体または個人が専門図書館(以下“私立専門図書館”という)を設立しようとする時には、第5条および第6条の規定により施設・資料および司書などに関する基準を満たした上で、大統領令で定めたところに従い、市・郡・区庁長に登録の申請をすることができる。この場合、市・郡・区庁長は登録証を発行しなければならない。
  3. 第2項の規定により、私立専門図書館の設立者が該当図書館を閉館しようとする時には、市・郡・区庁長に登録証を返納しなければならない。

第41条(業務)

専門図書館は次の各号の業務を遂行しなければならない。

  1. 専門的な学術および研究活動に必要な資料の収集・整理・保存および利用サービスの提供
  2. 学術および研究活動に対する迅速かつ効率的な支援
  3. 他の図書館との資料の共有をはじめとする多様な協力活動
  4. その他、専門図書館としての機能を果たすために必要な業務

第42条(準用)

第32条の規定は、第40条第2項の規定に従って登録された私立専門図書館に対してこれを準用するものとする。

第8章 知識情報格差の解消

第43条(図書館の責務)

  1. 図書館は「情報格差解消に関する法律」第10条の規定に従い知識情報格差を解消するために、施設と知識情報解消のための資料やプログラムの設置・運営をしなければならない。
  2. 図書館はすべての国民が身体的・地域的・経済的・社会的な条件に関係なく、公平な知識情報サービスの提供を受けられるように、必要とされるすべての措置を講じなければならない。
  3. 図書館は地域情報格差の解消のために施設とサービスを提供する場合には、障害者その他大統領令が定める知識情報弱者(以下「知識情報弱者」という。)が知識情報に接すること、および利用の便宜を図ることに最善を尽くさなければならない。

第44条(知識情報格差の解消の支援)

  1. 国および地方公共団体は知識情報弱者が図書館の施設とサービスを自由に利用することができるように、必要な施策を講じなければならない。
  2. 国および地方公共団体は「情報格差解消に関する法律」第10条第2項および第3項の規定により、知識情報弱者が知識情報に接すること、およびその利用環境を改善するために図書館が資料、施設、情報機器およびソフトウェア等を備えるのに必要な財政の一部を支援することができる。

第45条(国立障害者図書館支援センターの設立・運営)

  1. 国立中央図書館長所属下に、知識情報弱者の中で特に障害者に対しての図書館サービスを支援するために国立障害者図書館支援センター(以下「支援センター」という。)を置く。
  2. 支援センターは次の各号の業務を行う。
    1. 図書館において障害者サービスをするための国家施策の策定と総括
    2. 障害者サービスのための図書館基準並びに指針の制定
    3. 障害者のための読書資料・学習教材・利用説明書等の製作、配布
    4. 障害者のための情報サービスと特殊設備の研究および開発
    5. 障害者の情報サービスを担当する専門職員の教育
    6. 障害者の情報サービスのための国内外の図書館との協力
    7. その他、障害者に必要な図書館サービスに関する業務
  3. 支援センターの設立・運営および業務に関し必要な事項は大統領令で定めるものとする。

第9章 付則

第46条(権限の委任・委託)

この法律により文化観光部長官の権限は、その一部を市・道知事に委任するか、協会および関連団体に委託することが出来る。この場合、文化観光部長官は委託した業務の遂行のため協会および団体などに事業費を含む運営費を支援することができる。

第47条(過料)

第20条の第2項の規定に違反した者は、該当資料の定価(その資料が非売の資料である場合は該当刊行資料の原価)の10倍に該当する金額以下の過料に処せられる。

第48条(過料の決定・徴収手続き)

  1. 第47条の規定に従い過料は大統領令が定めるところに従い、文化部長官が決定・徴収する。
  2. 第1項の規定による過料処分に不服のある者は、その処分の告知を受けた日から30日以内に文化観光部長官に異議を申し立てることができる。
  3. 第1項の規定により過料処分を受けた者が第2項の規定により、異議を申し立てた場合は、文化観光部長官は速やかに管轄裁判所にその事実を報告しなければならず、その報告を受けた管轄裁判所は「非訟事件手続き法」に従い過料の審判を行う。
  4. 第2項の規定により期間内に異議を申し立てず、過料を納付しない場合には、国税滞納処分の例によりこれを徴収する。

付則<第8029号.2006.10.4>

第1条(施行日)

この法律は公布後6ヶ月が経過した日より施行する。

第2条(図書館の登録等に関する経過措置)

この法律の施行当時、従前の「図書館および読書振興法」の規定に従い登録・申告された図書館および文庫はこの法律に従うものとみなす。

第3条(図書館協会等についての経過措置)

この法律の施行当時、従前の「図書館および読書振興法」第14条の規定に従い、設立された協会等は、この法律に従って設立された団体とみなす。ただし、“セマウル文庫中央会”に対する指導・監督は、文化観光部長官と協議の上、行政自治部長官が行うものとする。

第4条(行政処分などに関する経過措置)

この法律の施行当時、従前の規定により文化観光部長官等の行政機関が行った登録、その他の行政機関の行為または各種の申告、その他の行政機関に対する行為は、それに該当するこの法による行政機関の行為、または行政機関に対する行為とみなす。

第5条(他の法律の改定)

  1. 著作権法の一部を次のように改定する。
    第28条第1項中“図書館および読書振興法”を“図書館法”とする。
  2. 文化芸術振興法の一部を次のように改定する。
    第20条6号を次のようにする。
    6.その他の図書館の支援・育成等、文化芸術の振興を目的とする文化施設の事業や活動

第6条(他の法令との関係)

この法律の施行当時、他の法令で「図書館および図書振興法」を引用した場合には「図書館法」を引用したものとみなす。

付則(地方教育自治に関する法律)<第8069号.2006.12.20>

第1条(施行日)

この法律は2007年1月1日より施行する。<但し書き省略>

第2条から第8条まで省略

第9条(他の法令との関係)

1から4まで省略

5. 法律第8029号の図書館法の一部を次のように改定する。
第29条第3項中“「地方教育自治に関する法律」第34条”を“「地方教育自治法に関する法律」第32条”とする。

6. 省略