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オルミンゲ図書館はディスレクシアを持つ子どもの親達を支援します

Orminge bibliotek stöttar föräldrar till barn med dyslexi(2011年第2号,p.10-11)
文と写真:レーナ・ブークヴィスト

6年生の息子を持つマデレインは、オルミンゲ図書館を検索し、辿りついた親達の一人だ。なぜならばこのオルミンゲ図書館は、読み書き困難を持つ児童及び若者に特化して支援を行っているからである。

 「私はインターネットを見て、彼らがこのような方向性を持っていることを知り、この図書館がどのように私達を助けてくれるのか、興味を持ちました。息子にはディスレクシアがあり、私は彼が読書を始めることができるように助けたいのです」とマデレインは語った。

録音図書プレイヤーを貸出します

 この図書館には録音図書を読みたい人々に貸し出すための、録音図書プレイヤーが複数準備されています。各プレイヤーは、それぞれの説明書きと共に図書館の外のショーケース内に展示されています。マデレインは以前、息子のためにプレイヤーを借りたことがあります。
 「でも今では自宅用のものを、1台購入しています。ヴィクターリーダーです。メモリーカードを使い、コンピュータに直接つなげることができる小さなプレイヤーです」とマデレインは言う。

生徒達は学校で支援を受けることができます

 マデレインの息子のクリストファーは、ナッカにあるミィルシェー小学校の6年生だ。学校の主導で行われた検査により、約一年前彼はディスレクシアであると診断された。『軽度のディスレクシア』だ。
 「学校の支援が受けられて、私達は大変幸運だったと思います。彼は学校でノート型のパソコンを使っており、それが大変うまく機能しています。彼は目立ってしまうのを嫌がりますから。スペルの校正プログラムもありますし、なかでも試験時間の延長が認められます。テストの質問は読み上げられますし、それに彼は録音図書を読むことができるのです。もし彼に録音図書を読むことが許されなかったら、読むこと自体をしなかったでしょう…。私達は彼に本を読むように促さなければなりません。しかし読書を始めるとなったら、彼はもう誰にも邪魔はさせません」。

放課後の支援

 子ども達に読書をするように励ます時、親達は大きな役割を果たす。子ども達に読み書き困難がある時には、特に重要だ。それはまさに、オルミンゲ図書館の職員達が実感したことだった。
 「その支援は親達を通して行なわれなければなりません!子ども達に直接連絡を取るのは困難です」。図書館司書で、『言葉の王国』のプロジェクトリーダー、ソフィア・ディクソンは語る。このプロジェクトは、放課後に読み書き困難を持つ子ども達とその親達に支援を提供する。より詳しい記事は、8頁を参照。親の一人であるマデレインは図書館の支援を高く評価している。

親達向けの学習サークル

 オルミンゲ図書館はこの春、南東部学習促進協会(Studiefrämjandet sydost)及びディスレクシア児童の親の会(FDB=föräldraföreningen för dyslektiska barn)と共に学習サークルを開催した。この学習会のリーダーは、ストックホルムの地域図書館で行われた児童と録音図書に関するプロジェクトで働いたエリサベツ・ニルソンである。マデレインはもちろんこの学習サークルに参加した。
 「ディスレクシアの子供を持つことによって他の親御さん達がどんな体験をしてきたのか聞いてみるのは、とても興味深いことでした。また私達はどんな要求を学校に提出するべきなのか、実際的なアドバイスをももらえました」。
 「私達は5回集まりを持ち、最後の回には私の夫と息子も出席しました。その回には自分達をマウントディスレクシアUF(若者の企業マウントディスレクシア)と名付けた3人の女子高生が来ました。彼女達は自分の抱える問題と読み書き困難に対する考えについて話してくれました。彼女達はとても素敵な少女でした!息子はそのどれもがとても良かったと言っていました」。

自分でダウンロード

 私達が対談を持った日、マデレインは家で録音図書をダウンロードする方法を教わるために、図書館に来ていた。彼女は息子をダウンロードの権利保持者として登録するのだ。そうすれば彼は録音点字図書館にある85,000タイトルの録音図書を利用することができる。ソフィア・ディクソンと彼女の職員仲間のフレドリックはどのように手続きをするのかを見せた。
 まずマデレインは契約書をよく読んで、彼らが図書を再配布することはないと記入する。その後彼女は息子の名前と国民番号を記入する。その後は様々な図書を見て、選ぶだけである。マデレインは14歳のスパイ、アレックス・ライダーについて書かれた、アンソニー・ホロヴィッツの著作に目を奪われた。ボタンを1つ押せば、それは家庭用コンピュータにダウンロードされるのである。マデレインは家に帰る前に、クリストフェルが録音図書を聴きながら目でも読めるように印刷版の図書を借りていった。彼女は大変満足そうに見えた。

コメント:クリストフェルは仮名である。

掲載者注:
オルミンゲ(Orminge)、ナッカ(Nacka)の位置については、ウィキペディアを参照してください。
http://sv.wikipedia.org/wiki/Orminge
http://sv.wikipedia.org/wiki/Nacka_kommun


原本書誌情報

Bibliotek för alla
http://www.tpb.se/om_tpb/trycksaker/tidskrifter/#bfa

Bibliotek för alla. 2011, No.2, 16p.
http://www.tpb.se/filer/trycksaker/pdf/bfa22011.pdf

原本(スウェーデン語)は、TPBのサイトに掲載されています。写真はDINFには掲載しておりませんので、原本をご覧ください。