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マリタイムスDINF掲載にあたり

平成21年11月26日、岡本真理さんとお母様の美知子さんを訪ね、横浜市鶴見区にある地域作業所「虹」を訪れた。最近取材を受けることが多いという真理さん親子。仕事をしている同僚のじゃまにならないよう気を配りながらも、快くイタンタビューに応じていただいた。

書くことが大好きな真理さん。人に読んでもらうことを意識して書くようになったのは高校時代。マリタイムスは作業所に勤めてから発行するようになった。

全国障害者問題研究会発行の「みんなのねがい」では1年間、マリタイムスを連載で掲載した。2008年2月号の「みんなのねがい」の特集「ダウン症の人たち」では、マリタイムス ねがい版」として<ダウン症とはどんなもんだろう>と、ダウン症としての自身の体験や気持ちを綴っている。原稿の最後に真理さんは以下のように書いている。 「今回の依頼に関しては書こうか書くまいかと迷い、でも自分の事でもあるのでやっぱり、書こうと思ったのです。」

マリタイムスは、真理さんの日常生活の中や社会で起こった出来事に対して、感じたことを真理さん自身の言葉で綴ったものだ。真理さんの描いた絵がマリ・タイムスをより生き生きとしたものにしている。

マリタイムス100号を発行したときには、記念誌「そらまめ」を発行した。「そらまめ」には1992年に発行した1号から2005年4月の100号まで全て掲載されており、マリタイムスを毎回送っている方々からのお祝いの言葉がたくさん寄せられている。マリタイムスは多くの人たちに愛され、真理さんから届くのを楽しみに待っている。その数は50名近いという。

マリタイムスを発行するまでの経緯を伺った。 記事を書きため、構成を考え、パソコンでタイプし、手書きで封筒に1人1人の宛名を書き、季節の切手を貼ってポストに投函する。 お母様も構成については助言することがあるという。

私たちは真理さんが心をこめて執筆しているマリタイムスをインターネットを通じて多くの方々に読んでいただきたいと考え、DINFへの転載をお願いし、すぐに許可をいただいた。最近は体調がすぐれないことが多く、定期的に掲載するのは難しいが、真理さんのペースで2ヶ月に1度程度発行するマリ・タイムスを今後はインターネットでも読むことができる。

このお話をしたとき、真理さんのお母様は「今パソコンは文章を入力するために使っているが、インターネットやメールはできないので、これを機会にやってみたいが、接続など勉強するのはむずかしそう」とおっしゃっていた。そこで、当協会で実施しているパソコンボランティア指導者養成講座を受講された方々にボランティアで真理さんに教えていただけないか、メーリングリストを通じて募集をすることになった。ありがたいことに数名の方からすぐにお申し出があり、その中からご自宅に近い方にお願いすることになった。

先日、そのボランティアさんとDINFのスタッフが一緒にご自宅に伺い、真理さん親子と初顔合わせをした。ボランティアさんの協力を得て、インターネットやメールができる環境を目指し、描いた絵をデジカメで撮影してデータを送ってもらうことなども近いうちにできるようになるかもしれない。また、元来いろいろなことに興味があっておしゃべりも好きという真理さんだが、真理さんにとってインターネットが情報を得て発信するひとつの方法になるかもしれない。

2009年の重大ニュースを真理さんの視点から執筆したマリタイムス124号(2009年10月30日発行)はインターネットで掲載が始まった記念すべき第1号として、皆さまに読んでいただける事をDINF一同心より願っている。