母親が語る『発達障害のある大学生、ユニコと歩む日々』 その15
発達障害のある子のこだわりをいかす その2 コンピューターも大好き!
ユニコは幼い頃からコンピューターにも興味を示した。
書字が苦手なことを考慮し、
将来は手書きではなく、コンピューターを使って書くこともあるだろうと想定し、
小学校3年生くらいから、タイピングの練習をさせた。
毎日30分と時間制限し(←ここ重要)、タイマーを設定して、
タイピングソフトで遊ばせたのだ。
それが面白かったこともあって、まじめに練習したユニコは、
小学校高学年の頃には、ブラインドタッチができるようになり、
中学、高校、大学時代、この技術は大いに役立ち続けている。
小中高の部活動も、ずっとコンピューターや情報関係。
けれども、コンピューターを扱う上で、
やっていいことといけないことを、早い段階できちんと教えなかったせいで、
中学の頃に大失敗をしてしまった。
親も責任重大で、反省している。
ファイルの扱い、個人情報の管理など、
大事なことを最初にしっかり教えておかないと、思いもかけない行動をすることがある。
ユニコは今、携帯電話を持っていないが、
自分専用のノートパソコンやiPadはあるので、
折に触れて、やってはいけないことを繰り返し説明している。
また、中毒にならずに、うまく使いこなせるようにするには、
使用時間を制限したり、持ち込める部屋を決めたりと、
いろいろ工夫が必要で、まだ試行錯誤中だが、
ちょっとしたメモ、アラームの設定、読みにくい文字の大きさや色の変更、記録用の写真撮影、メールでの連絡(後から見直せるので電話よりも便利)、周囲の音をシャットダウンしたい時のヘッドフォンを使った音楽鑑賞など、
これらの機器はユニコにとって、さまざまな点で役立つので、
一種の支援機器として活用している。
高校時代、ユニコは情報系の資格をいろいろと取得した。
テキストや練習用ウェブサイトなどを活用してコツコツと勉強し、練習を重ねればとれる資格には、できる限り挑戦するようにした。
とはいえ、試験の形式に慣れていないために、不合格となってしまった資格もあれば、(その後、もう一度受け直したら、今度は落ち着いて受検できたようで、合格できた)
難しいプログラミングや電気関係が苦手なユニコには難しすぎて、あきらめた資格もある。
あれもこれもではなく、学習スタイル、興味や能力に合った資格に的を絞るのがいいようだ。
晴れて合格すれば、公的にも認められたことになるので、自信がつく。(経済産業大臣の名前が入った合格証書を眺めてニヤニヤするユニコ。)
ユニコのコンピューターの勉強は、今も続いている。
あらゆる分野でデジタル化が進んでいる今、
ユニコがこれからも、コンピューターと「節度あるおつきあい」ができるように、使用環境やルールを整え、確認しながら、応援していきたい。
<ユニコからも一言>
私は小学生の時からパソコンに触れてきて、今も情報について学ぶ学科に所属している。高校生の時から情報について専門的に学習してきたのだけれど、小学生の時にタイピングをやり始めていたことが本当に役に立った。大学に入学してからはおもにiPadを使うようになったが、これが結構役に立っている。
とは言っても、LINEのようなSNSは利用していないので、ほとんどの連絡手段はメールである。メールは、ほかの人にわからなかったこと聞くのに重宝している。(私は音声で聞いてもわかりにくいことがあるから、とても助かる。)SNSでトラブルが起きたりしているけれど、それならそれができない機器を使えばいいと思う。メールとか電話しか使用できない携帯だってあるのだから。資格取得だって、デジタル機器を使うことだって、障害があっても可能だ。可能性を潰さないで、どんどん広げてほしいと思う。