音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

講演会”スウェーデンとアメリカにおける「読みに障害がある人々」への情報サービス”

(財)日本障害者リハビリテーション協会情報センター長 河村宏(進行)

河村宏氏の写真

こんばんは。本日、進行をつとめます、日本障害者リハビリテーション協会の河村です。よろしくお願いします。
 本日のテーマは、スウェーデンとアメリカにおける「読みに障害がある人々」への情報サービスというテーマで、お二人の講師をお呼びしております。
 まず、皆様、プログラムがお手元にあると思いますが、最初にインガー・ベックマンさんからご講演をいただき、ジョージ・カーシャーさんが次に講演します。インガーさんは、今年の3月、こちらの関係で、スウェーデンにおけるDAISYの現況について、お話をいただきました。
 本日は、同じDAISYを使いますが少し違う、「読みに障害がある人々」への情報サービスというテーマで、御講演をいただきます。
 最初に、DAISYはどうなっているのかを、私から延べ、その後、インガーさんのお話に進みます。
 今回は、この講演に日本リハビリテーション協会とともに、日本PCA教育振興会が主催ですが、後援をいただいている団体が3つありますので、ご紹介します。まず、日本図書館協会。全国LD親の会、NPOのエッジからも後援いただきました。今回のテーマは、「読みに障害がある人々」への情報サービスで、視覚障害者および、ディスレクシア、知的障害、脳性麻痺、そういった方々、さらには聴覚障害のため、読みにしばしば困難をもつという広い範囲の方々をさして、「読みに障害がある人々」という風にとらえて、一緒に勉強させていただきます。

河村宏氏の写真2

最初に、私から今、DAISYはどうなっているのか?という簡単なイントロをして、つないでほしいと、ジョージさんから言われているので、約束を果たしたいと思います。

私が今、手に持っているのは、今、でたばかりですが、タブレットP.C.です。つながっているのは、ジョイスティックです。これが今のDAISYの1つの形です。特に今日、インガーさんからお話をいただく、ディスレクシアの方々は、多分、この形がかなり使いやすいと思います。
このタブレットPCは、指でさわるタッチパネルと違いペンで触るものです。パソコンの横からペンを取り出しました。このペンでさわると動作するというものです。やってみます。

(英語で解説が出ています。)

音が聞こえたと思います。聞こえましたか?ペンでさわると、次の章に動きます。やってみます。ボイスシンセサイザーが日本語版なので、完璧なジャパニーズイングリシュです。二回たたくと次の章です。
(P.C.音声)
オーバービュー・・・というタイトルを、素晴らしくいってくれました。実はこの画面には、ジョージ・カーシャーさんが映っています。アメリカンファンデーションブラインズが出している、雑誌のDAISY特集号です。これがタッチパネルで動くのですが、キーボードがいらない。そのぶん、直感的に操作できるという便利さがあります。

もう1つ別の顔をおみせします。
私がジョイスティックを持っているのはなぜか、お見せします。
1つ画面を動かしました。
ポップアップスクリーンが画面下に出て、英語ですが、スクリーンの上をいくつか、コマンドが並んでいます。例えば、「ネクトセクション」というふうに、並んでいます。その上を、ブルーにハイライトされた、「スキャン」と一つずつ、スキャニングしていくハイライト部分です。私が手にしてるジョイスティックですと、「C」という番号を押すと、その動作を選択したことになる。
今、スキャンを止めました。前に回って見て頂きます。「オート」がブルーになっています。「オート」がON、OFFになります。
 次に、Bをおすと、一つ先に進みます。下の枠の一番下にネクストセクションがハイライトしています。そこにハイライトされてるところ、Cボタンを押します。すると、画面が傍で見えた方はわかると思いますが。「6」と言いました。(pc英語)
なにやら、タイトルを読み上げました。二つのボタンで、DAISY図書を操作できます。ここで、この章を読もうという場合、Bを2つ押して、セレクトに進みます。このセレクトコマンドを押すと、本を読み始めます。
やってみます。

(英語)
このように、しゃべりはじめました。

ここでこれを止めるときは、「プレイ・ポーズ」を押します。
手がつかれてきた(笑)
 これにより、二つのボタンだけで、ジョイスティック2つのボタンで目次を選択して内容を読めます。
つまり、DAISYのほうを二つのボタンだけしか操作できず、他は上手く動かない方は、これをずうっと持っていき、またオートまで進めます。
 ここで「C」を押すと、今度は、「ハイライト」されてるところが走り始めます。1つ1つ動いてます。

これは何のために使うか、1つのスイッチを、どこかからだの1部が動けば、一つは操作できます。目が動けば操作できます。また、呼吸を自分でコントロールできる人は、それでコントロールできます。
 重度の障害者でもコントロールできます。目が見えない方を前提にしてますが、見えてる方が画面を見て、吹いてスイッチをONする。どんどんコマンドが動いてますから、ボタンが一つ操作できれば、本を操作できます。
 画面上のスキャンされたものが読めない方は、ボイスシンセサイザーが読んでくれます。耳で聞いていて、「このコマンド」とわかったら、そこを読み上げることができます。つまり、「タッチパネル」「ジョイスティック」などのスイッチを使って、今、DAISYは非常に多くの様々な障害を持つ人たちが、「読める」環境を提供できるようになりました。
 今皆さんにお見せした、タブレットPCは、これ自身は意味がないですが。
タブレットPCで見せた、ユーザーインタフェイス、これはAMIS(アミ)
です。
 Adaptive Multimedia Information Systemです。フランス語風にAMISと読んでます。「友達」という意味です。DAISYに友達ができました。それがAMISです。
これが一緒になると、どんな人も本が読めます。これを何に使おうか?それが課題です。
 今、DAISYは非常に広い広がりをもって、様々な人がDAISYで作ってあれば、AMISによって詠める段階まで来ました。
今日はお見せできませんが、画面の上で非常に大きな活字にして読む、それも出来ます。
 また、今読んでいるところをハイライト表示する、それを同時にピンシステムで読む。
 つまり同じDAISYのメディアはなんでもいいが、本を手にすれば、盲ろうの読者も、重度の読者も皆一緒に読めるということです。
私たちはこれが、これからの是非、出版物のあり方であってほしいという風に考えてます。みんなが読む教科書などは、絶対DAISYであってほしい。

「AMIS」という新しいインターフェイスは、新しい考え方で作られてます。
 日本障害者リハビリテーション協会が開発していますが、プログラムは自由にダウンロードできます。また、また、ソースコードも公開してます。皆さんが読めます。さきほど、AMISのDesignをみていただきましたが、いろいろな絵があります。XMLという言語で出来てます。レイアウトを取り替えれば、簡単に書き換えられます。つまり、「SKIN」という考え方。表面とが完全に独立して編集できる、どんなスキンでもかぶせることができる。中身の機能。つまり、自分で使いたいスキンを書いて、そこに自分の好きなロゴを入れたり、わかりやすいデザインにしたり、そういう環境を提供しています。

開かれたDAISYの上に、全く開かれたAMISという環境で、ぜひ、あらゆる障害を持つ人も持たない人も、一緒に読める資料を増やし、情報を世界中で、発展途上国も、工業化が進んでる国も、貧しい人も豊かな人も、みなで、情報を分かち合う。情報は大勢で分けても、自分のぶんは減りません。知識と情報は人に分けても減らない非常にユニークな資源です。それを最大限に活用するのが、これからの情報社会であってほしい。そういう願いを共有しているお二人の皆さんが、これから皆さんに、それぞれ、スウェーデンで、アメリカで、どういうサービスをしているかお話をしてくださいます。
 ちょっと前置きが長くなりましたが、今、DAISYはそういう状態に達しているということをどうぞ前提にして、これから、インガーさんのお話を聞いて頂きたいと思います。
 それでは、インガーさんをご紹介します。

インガーさんの詳しい紹介は、既にお気づきのかたもいると思いますが、当協会Webサイトにおいてあります。日本障害者リハビリテーション協会のサイトを訪ねていただき、この会議の紹介のところをみてください。そこにインガーさんとジョージさんのそれぞれの略歴、プロフィールを紹介してあります。
 準備が整ったら、直ちにインガーさんの講演に入っていただきたいと思います。