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報告3−3 南タイのCBRの支援

司会 包括的な活動のご紹介、ありがとうございました。それでは質問を受け付けたいと思いますが。

 

質問者 私は視覚障害当事者です。杉並区のチャレンジという作業所に通所しています。欧州とは違って、日本では、作業所利用者は労働法規の対象になりません。

今、お話を伺っていて、タイでも障害者手帳の制度があるそうですけれども、この制度が94年というのは非常に浅いと思うのですが、その背景を教えてください。日本ですと障害者手帳を所持していないと障害者として認められていないわけです。例えば「視覚障害があります」とか、松葉杖をついていたり、車いすの方でも、手帳がないと日本は障害者としての認定が受けられませんし、サービスも受けられない。

タイの場合は、手帳がある場合とない場合で、サービスにかなり違いがありますか。

それから今、作業所を利用する場合、障害者手帳を所持していなければ利用ができないのでしょうか。また、ご本人の意志で手帳を取ったり取らないという状況があるのかということを、CBRとの関係でご説明いただけますでしょうか。

 

小俣 ありがとうございます。では最初に最後のほうのご質問からですけれども、作業所のほうのメンバーの方が手帳を持っているかどうかということは要件ではまったくなくて、持っていない人もいます。

そして先ほど説明のほうで落としたんですけれども、実はこの作業所には障害者じゃない人もいるんですね。障害児の家族、お母さんだとかです。要は収入を上げられない人が少し稼げる場所が欲しいだとか、あと子どもさんを見ながらだとか、いろんな条件をかかえて一般就労が難しかったりする人も仲間にしています。そういう意味では、非常に、広すぎるかもしれませんが、ということになります。

そして障害の手帳制度自体は、91年ですかね、タイのリハビリテーションの基本法ができて以降、少しずつ整備をされてきたと思いますが、いわゆる車いすの給付だとか、そういったものには全部手帳が要件になりますし、医療サービスも、国立・公立病院での障害に関しての治療については無償になります。

今、視覚障害をお持ちの方からのご質問だったんですが、ちなみに現地では、視覚障害の学校がないということで、視覚障害者の方、とても少ないです。また、視覚障害の方がマッサージのグループを立ち上げて、いいところまで行ったんですけども、残念ながら今は解散してしまいました。内部紛争だったと思うんですね。なかなか、そういうところが課題です。

現地の障害者団体もあって、ILについて勉強された方もいたんですが、また、すぐいなくなってしまったりしたのです。今のプロジェクト地のほうで、私どもが安心して障害者団体とカウンターパートを組むのがちょっと難しいというようなところもあります。ですので、顔が見えるところで、信用し合える中でやっているというようなところがございます。ちょっと付け足しになりました。

 

司会 ありがとうございました。