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報告1−1 JICAにおけるCBR支援について

国際協力機構 人間開発部 高等教育・社会保障グループ 社会保障課 武智 剛人(まさと)

 

司会 それでは午後のプログラムを開始いたします。午後は、4人の日本の方々に順番にご登壇いただいて、ご報告いただきます。

日本が行っているCBRの支援、またはCBRに近い活動への支援をされている方々4人に、今日はおいでいただきました。それぞれ政府の援助について、障害当事者の立場から、そして最後のお2人はNGOの活動ということで、1人は1つの国の団体に長く関わってこられた活動をされています。もう1人は住民の参加という立場からご報告をいただきます。

あらかじめ4人の方には共通項目について、ぜひお話しくださいということで、お願いをしておりました。それは、ご報告いただく活動の背景にどのような問題意識があったのか、活動の目標をどこに置いていたのか、そして具体的な活動と、最後に成果または評価ないしは今後の展望ということでお話しくださいということでお願いしていいましたが、実はこの項目に沿ってレジュメをご用意くださったのは、4人目の沼田さんお1人でした。おそらく項目の立て方にも無理があったのかもしれませんし、まだ活動が途中で、進行中のプロジェクトについてはなかなか評価までいかないということもあったのかもしれませんが、何らかの形で、お話の中で含めていただけるのではと思っております。

それぞれの報告時間はお1人20分です。その後5分間で、1つか2つご質問をお受けいたします。内容について分かりにくかったというような質問を優先的にしていただきます。

そして4人が終わったところで、チャパルさんとマラトモさんから、4人の方へのコメントをいただきます。そして4人が終わりましたら、その後でディスカッションなり質問なり、まだまだ足りないところは最後の1時間で思う存分お話しいただきたいと思います。

それでは1人目の報告者をご紹介いたします。詳しくは資料の46ページをご覧いただきたいと思います。武智剛人さんです。武智さんは国際協力事業団人間開発部高等教育・社会保障グループ社会保障課でジュニア専門官をされています。武智さんは、理学療法士として青年海外協力隊でシリアに派遣され、そこでCBRを体験されています。今日は日本の政府のCBR支援についてお話しいただきます。では武智さん、お願いいたします。

 

武智 ご紹介ありがとうございました。国際協力機構・人間開発部社会保障課の武智です。本日はよろしくお願いします。

初めにJICAのことを少し、その後でJICAが行っているCBRについて発表したいと思います。

JICAには本部にアジア、アフリカ、アメリカ、中南米など、各地域を担当する地域部と、保健医療や教育、農業など特別な分野の開発の課題を扱う課題部があります。その課題部の中の1つに人間開発部があります。

人間開発部は教育・医療・社会保障を担当していますが、私が所属しているのは、社会保障課です。社会保障課は、障害者支援を担当しています。その他にも労働・雇用や、社会保険、社会福祉なども担当しています。

次にJICAにおける障害者支援のアプローチをご説明いたします(図1)。私たちは事業を実施する途上国において、障害者の「完全参加と平等」が実現できるよう支援すること、つまり障害者が社会生活及び社会の発展に完全に参加すること、障害をもたない人々と同じく、あらゆる機会が均等に得られるよう支援することを目的としています。その目標を実現するために「エンパワメント」と「メインストリーミング」を2本柱とするツイントラックアプローチを行っています。ご覧のとおりCBRは、その中で進める1つの戦略と位置づけられています。

図1(テキストデータ)

(テキストデータ)(図1)

次にJICAの役割をご説明したいと思います。JICAは政府開発援助(ODA)によって各国の政府レベルと契約を交わし、有償・無償資金協力、技術協力を行っています。技術協力には皆さんおなじみのボランティア事業から、各国から研修員を受け入れて様々な技術を移転する研修や、相手国が希望する技術の専門家を日本から送り、プロジェクトとして技術を提供しています。

 

JICAで行う技術協力について、いくつか詳しく説明します。技術協力プロジェクトは複数の専門家派遣・機材供与・研修などがセットになったものをいいます。技術移転や政策アドバイザーなど1人の専門家によって行われる技術協力を個別専門家といいます。研修は各国から研修員として各技術研修コースにより技術を学んでもらうものです。その他、JICA以外の団体に依頼して行う草の根技術協力があります。