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障害者とメディア 「マスメディアと障害者」ヨーロッパ大会

クロージングセッション

Mr. Donald Tait
-欧州委員会雇用社会業務総合理事会障害者統合部

Tait氏は、ヨーロッパ障害者年の一環として組織された本大会は、障害者問題を最重要課題に据え、障害者に対するネガティブな固定観念に立ち向かい、障害者問題への意識を高める絶好の機会となったと述べました。

Tait氏は、本大会で行われた討論を要約しました。マスメディアの各部門は、社会に対する私たちの見方を決定するという意味で、各々が重要な役割を有しています。社会のある重要なグループが、無視され忘れられていることは明らかです。このグループはメディア、テレビ、ラジオおよび新聞の重要な潜在的受け手であるものの、そのような存在として十分に認識されていません。効果的な方法で障害者をメディア利用者に含めることは、メディアにとっても障害者にとっても有益です。それはメディアの利益になると同時に、障害者のイメージ向上につながります。障害者という経済市場を考慮することは、全く理に適っています。一つ明らかなのは、慈善事業の対象やスーパー・ヒーローとしてではなく、他の全ての市民と同じやり方で障害者の存在を示し、障害者が他人の目に触れ、日常生活のあらゆる側面に関与できるようにする必要があるということです。また障害者の幅広いイメージを提供し、その多様な面を全て見せていく必要があります。そしてメディア部門にはより多くの障害者を雇用していくべきです。

これらはどれも偶然におこったものではありません。戦略と政策と、そして、高度の意志決定が必要でした。広告主に対しては、障害者を自然な状態で描写するように促す必要がありました。ビデオやテレビの制作者に対しても同様でした。また職場のアクセシビリティの改善が必要でした。新技術については、それらが可能にしてくれることを最大限に活用し、「デザイン・フォー・オール」という考え方を取り入れることで、障害者差別が生まれないようにしなければなりません。

そして政策決定者は法律を制定し、関係者に自信を与え、納得させなければなりません。全ての立役者が努力を結集し、障害者が直面している障壁を打破し、この変化の主役は障害者自身であることを確認しつつ、適切なメッセージを伝えていく必要があります。

これまでに著しい前進が見られました。本会議が10年前に開催されていたら、論調は全く別のものになったでしょう。EUレベルにおいても各々の加盟国においても、今後すべきことはたくさんあります。しかしこのヨーロッパ障害者年は、EU全土に新鮮な弾みを与え、あらゆる取り組みを軌道に乗せる結果となったことには、疑う余地もありません。