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障害者とメディア 「マスメディアと障害者」ヨーロッパ大会

全体会議Ⅳ(マスメディアにおける障害者の雇用/採用)

Mr. Olivier Harland
-フランステレビジョンズ多様性部門ーフランス

フランスのラジオ・テレビ局の番組の責任者をしているHarland氏は、多様性部門における自己の業務(特に障害関係の番組の交換)について発表しました。またこの部門の行っているメディアと障害者に関する監視センターの業務についても説明しました。

Harland氏とLaplace氏は、1997年以後フランス国営放送が障害者のイメージ向上を目指して制作してきた数々の放送番組(街のアクセス改善運動に関する情報番組、テレビニュースの報告、パラリンピックのドキュメンタリー、重度障害者の調査および生活改善のための募金活動として毎年放送される30時間の生放送番組「テレソン」等)を振り返りました。

2001年、フランス・テレビジョンズは「違い」に関する番組の制作を担当する部署を設置しました。その目的は、若者向けの放送、フィクションおよび討論番組の中で多様性を強調することと主要番組との調和を推進することでした。性別や年齢に関係なく、このような「違い」は全ての人々に影響します。そして障害者を含めこのような違いを持つ人々は、共同生活に適合すること、その中で通常の役割を演じることが難しいと感じています。フランス・テレビジョンズはいくつかの方法によってその目的を達成しようとしました。まず国際番組市場で活発な役割を演じました。例えば、ヨーロッパの放送局による多様性に関する全ての放送番組の一覧を作成しました。また、フランスの放送局で放映されている多様性に関する番組を全て掲載したカタログを配布しました。次にヨーロッパの放送局が行っている障害者に関するさまざまな取り組みのデータベースを構築しました。このデータベースには当該分野の放送番組のコピーを含め、興味を抱く番組制作部門が容易に利用できるようにしました。この取り組みに積極的に関与しているもう一つのヨーロッパのテレビ局も、このデータベースに定期的に情報を提供しています。また、多様性部門は視聴覚プロジェクトのプロデューサーやディレクターとフランスの多くのテレビ局との架け橋の役割を果たしています。この目的のために、それぞれの番組部門に同様の組織をもっています。さらにも専門知識を持たない人々も、視聴覚部門の適切な専門家の協力を得て、自己のメッセージを放送電波に乗せて多くの人々に届けることができます。多様性部門のもう一つの役割は、NGOから得た情報を番組やテレビニュースに取り入れることです。またフランス・テレビジョンズのスポーツ部門でも重要な役割を演じています。とりわけ2004年度のアテネ・パラリンピックの放送準備ではその力を大いに発揮しました。

多様性部門の様々な活動の報告に続き、Harland氏は放送に「障害者」関連の話題を取り入れているフランスの3つの公共放送について詳しく説明しました。これらの放送局は全国放送で、また地方テレビ局のニュースで障害者の話題を定期的に取り上げ、また障害者向けの番組(TV映画、ドキュメンタリー、討論番組)を毎週放送しています。

発表の締めくくりとしてHarland氏は、聴覚障害を持つ人々にアクセスを提供する取り組みについて説明しました。現時点ではフランス・テレビジョンズの番組で字幕がついているのは16%のみですが、2006年度末までにこの数値を50%に引き上げる予定です。