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報告書「明日のデジタル放送に期待するもの」

主催者挨拶

松友 了
(全日本手をつなぐ育成会常務理事・最終年記念フォーラムITキャンペーン委員会委員長)

皆さん、おはようございます。ご紹介いただきましたキャンペーン委員会の委員長の松友でございます。本日はお忙しいなかお集まりいただきましてありがとうございました。海外からお二人をお迎えしての今日のシンポジウムでございます。

今日は後ほど衆議院議員の八代英太先生も駆けつけていただきましてごあいさつをいただくことになっています。

このシンポジウム、皆さんご承知のことであろうかと思いますが、来年10月から始まります三つの大きな国際大会、国際会議に向けてのこの一年間のキャンペーンのスタートのキャンペーンであります。来年は札幌におきますDPIの世界大会から始まりまして、大阪は堺市におきましてアジア太平洋障害者の十年の最終年のフォーラム、さらにはリハビリテーション・インターナショナルのアジア太平洋地区の大会。さらにはという形でいくつかそれに絡んでくるわけでありますが、いちばん大きな柱はアジア太平洋障害者の十年最終年。まさに来年がこの間のアジア太平洋地区の10年活動の最終年になるわけであります。その大きな三つの国際大会を一つにくくる大きな集まりとして、一緒に手をつないで成功させていこう。さらにはそこに向かう大きな盛り上がりと申しますか、単なる三つの会議だけではなく、そこに行くプロセスのなかで私たちの願いを実現していく大きな運動をやっていこう。それが三つのキャンペーンという形で取り組んでいるものであります。

キャンペーンは、皆さんのお手元にお配りしていますけれども、法律における資格や免許等における、いわゆる欠格条項の撤廃。二つ目は障害者計画。特に市町村における障害者計画の徹底。これに加えて情報バリアフリーということ、この三つをテーマにしていくわけでありますが、今日はそのなかで情報バリアフリーについての、まさにキャンペーンのシンポジウムであります。

そしてそのなかで、私たちキャンペーン委員会は大きく政策小委員会と情報小委員会に分けて準備を進めてきたわけでありますが、今回は情報小委員会が企画した、情報バリアフリーについてのキャンペーンであります。

その議論のなかから、今回は特にBSデジタルテレビについてのテーマを取り上げ、それについての世界の動き、あるいは国内の動き、関係者の関わりということについて議論をしてみよう、勉強してみよう、アピールしてみよう、という企画であります。

今回このテーマを取り上げましたのは、後ほど河村さんのほうから基調報告といいますか、今日のシンポジウムの基本について詳しくお話があろうかと思いますが、来年に向けてのキャンペーンのなかで、BSデジタルテレビの動きというのが非常に急速で、まずこれを象徴的な動きとしてこの問題にコミットしていこう。つまり私たちの動きが具体的な実態のある動きとして成果を上げていくためには、政府や世の中の動きにきちんと合わせていこう。ということで、このテーマを取り上げたわけであります。

ですから、文字通りオープンシンポジウムでありまして、情報バリアフリーにつきましても、これからさまざまな動きをしていこう。特に具体的に障害を持つ方自身のニーズ、願いと必要を集約し、そしてそれを私たちの運動、来年度に向けてのダイナミックな運動、さらには各障害団体の連携した運動によって、それを政策として、あるいは具体的な技術、プログラムとして実現させていこうということを次のステップとして考えています。

私たちは大きな世界の、あるいは技術の動きのなかにおいて、いわゆる情報弱者というものを作ってはならない。いわゆる障害と言われているものによって、それが情報弱者につながる形になってはいけない。そのためには技術的にもプログラム的にも、そしてなんといってもそれを支える政策、財政的にも、きちんと関わりをもっていくというのが、情報バリアフリーについてのキャンペーンの基本的な願いであるし方向である、と言えるかと思います。

さらに私たちは、先程言いましたように、キャンペーン委員会としてはもう一つ、政策の実現ということで、全国ブロックごとにブロックキャンペーン集会というのを開催する形で準備を着々と進めています。

そしてその基本になる都道府県における組織体制、実行委員会体制をベースにしながら、先程言いました都道府県の障害者計画の中身を検証し、さらには市町村における障害者計画の策定状況を、できてきた分についての中身を検証する。

この作業を、各都道府県の実行委員会をベースにしながら、そして中央の評価委員会と連携しながら進めていく。その動きのなかから具体的に再来年から実行されるわが国の社会福祉構造改革、そして市町村を中心とした社会福祉の新たな時代に対応できる対策を作っていく。それがいわゆる、来年の世界大会、アジア大会とわが国の国内の動きとの連動というものをそれで図れるのではないかと考えています。

そのような形でいろいろ企画し、かつ参加を呼びかけ、関わりを持っていただいているわけですが、思い出せば私たちのこのような動きは、ちょうど20年前の1981年の国際障害者年からスタートしたのではないか。そして1983年から始まります国連障害者の十年、その最終年の年に私たちは大きなキャンペーン、全国キャラバンキャンペーンを開催しました。そしてその国連障害者の十年の引き続く現在のアジア太平洋障害者の十年の最終年のキャンペーンが今始まろうとしているわけです。

これまでの運動と今回の関わりの最も違うところは、主に財政、もちろん他のスタッフや企画は当然でありますが、財政的な問題についても、障害者、その家族、あるいは関係者、いわゆる全体的な広い意味での関係者全体が支え、作り出していこうという思いで今関わっているところであります。

もちろん社会の方々のご理解、ご支援もいただくわけでありますが、まず自らがそういう動きにおいても、いちばんの大きなところである財政においても、建設していこうという思いであります。

本日はそういう意味で、ぜひ皆さん方にこのキャンペーンの実施にあたる募金につきましても、ぜひお願いしたく、主催者としてお願いする次第であります。

たいへんまとまらないあいさつでございましたが、以上、簡単ですが、今回の取り組みの経過および目的について、主催者あいさつとして話させていただきました。

本日は本当に、お忙しいなかお集まりいただきまして、さらには海外からお越しいただきましたお二人の講師の方、ありがとうございました。今日一日、長い時間でございますが、最後までご清聴、さらには講義にご参加いただきますことをお願いいたしまして、主催者のあいさつといたします。ありがとうございました。