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公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会創立50周年及び
全国障害者総合福祉センター開設30周年

記念式典 式辞

 本日、ここに、常陸宮正仁(まさひと)殿下、同妃殿下のご臨席のもとに、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会創立五十周年及び全国障害者総合福祉センター「戸山サンライズ」開設30周年記念式典を挙行することができますことは、大きな慶びであります。
 また、日頃、協会並びに「戸山サンライズ」の運営にご支援ご協力をいただいているご来賓の皆様、多数のご来場をいただき、厚く御礼申し上げます。
 ここで少しばかり当協会の歴史を振り返ってみたいと思います。
 当協会は、多くの先覚者のご努力により昭和39年「財団法人肢体不自由者リハビリテーション協会」として設立、昭和40年「第3回汎太平洋リハビリテーション会議」の開催、そして昭和46年の「汎太平洋職業リハビリテーション会議」の開催により、この分野における中核的地位を占めるに至ったと自負しています。この間、昭和45年には名称を「日本障害者リハビリテーション協会」と改め、昭和59年には、当時の厚生省より「戸山サンライズ」の開設と、その経営を受託、ここに開設30周年を迎えました。
 昭和56年の「国際障害者年」には、昭和天皇八十歳の誕生日を記念して御下賜金を賜り、これを基としまして「障害者リハビリテーション振興基金」が造成され、翌、昭和57年には常陸宮正仁殿下におかれましては、当協会の総裁にご就任いただいています。
 当協会の事業活動においては、国際的には、昭和63年に「第16回リハビリテーション世界会議」の東京開催を主催いたしました。また、昭和58年からの「国連・障害者の十年」、引き続く、日本国が提唱した平成五年からの「アジア太平洋障害者の十年」、更に昨年からの「新アジア太平洋障害者の十年」に至るまで、これらの動きに深くかかわって来ました。近年では、障害者の雇用を創出するソーシャルファームに関するセミナーや、障害分野で国際協力活動を行っている日本の民間団体のネットワークを通じて、地域に根ざしたリハビリテーションに関する研究会を海外から講師を招聘し、開催して参りました。また、関係機関・団体の支援を受けましてアジア太平洋地域における障害者を研修生として受け入れ、母国で活躍する障害者リーダー育成に取り組んできました。
 一方、国内においては、昭和52年以降、「総合リハビリテーション研究大会」を毎年開催、本年10月で37回を重ねるに至ります。
 障害者への情報保障分野として、情報誌・研究誌による情報提供のみならず、コンピューターネットワークによる情報提供、デジタル教科書等をはじめとするデイジー図書作成にも取り組んできました。
 また、我が国の障害者施策は、障害者基本法改正をはじめ障害者総合支援法、昨年の障害者差別解消法と大きく変革するとともに、本年1月には、日本も長い間念願していた障害者権利条約を批准しました。当協会は、日本障害フォーラムや、アジア太平洋障害フォーラムを中心とした関係団体と連携し、その推進に努めているところです。
 日本障害者リハビリテーション協会創立50周年及び全国障害者総合福祉センター開設30周年を機に、これまでの歴史を顧みつつ、障害者支援の開拓、推進のため、役職員一同力を合せ、さらに精進いたさなければと決意いたしております。
 これからも格別のご支援、ご協力を賜りたいと存じますとともに、人々が支え合い、協力し合って生きていく社会が築かれることを祈念し、開会の挨拶と致します。

平成26年9月24日
日本障害者リハビリテーション協会
会長 炭谷 茂