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国際セミナー
「障害者権利条約」制定への世界の最新の動き

はじめに

2004年8月9日、全国手話研修センター「コミュニテイ嵯峨野」において、JDF(日本障害フォーラム)準備会の協賛、独立法人福祉医療機構の後援による国際セミナー「『障害者権利条約』制定に向けた最新の動き」を開催いたしました。
ニューヨークの国連本部では、「障害者権利条約」が国連特別委員会で審議されており、2004年5月には「第3回特別委員会」が開催されました。日本からは、同委員会の正式メンバーである政府代表団が派遣され、障害当事者・関連団体の代表もオブザーバーとして条約の審議過程に参加しています。

今後開催される「特別委員会」でも、日本の障害当事者・関連団体からの参加者が他の国の障害NGOなどと連携しながら、同条約の早期制定に向け積極的なロビー活動を展開することが期待されています。
本セミナー前半では、政府代表団として「特別委員会」に参加された外務省の小川秀俊氏及び国連ESCAP障害担当官長田こずえ氏、さらに国際人権法に詳しい専門家の山崎公士氏を迎え、世界の最新の動きとしての「障害者権利条約」に対する分かりやすい説明、解説を提供し、当事者・福祉関係者の知識と理解を深めました。

また後半は、「特別委員会」にオブザーバー参加された東俊裕弁護士や長瀬修氏をはじめ、さまざまな当事者団体、福祉関係団体の代表が「障害者権利条約」に関連して提案、課題など問題提起を行ったほか、国内の障害関連法の整備、特に差別禁止法(仮称)の成立などを視野に入れた具体的な意見発表があり、それらを巡ってセミナー参加者からも積極的な発言が多く寄せられました。

よりよい障害者権利条約の制定を目指し開催された本セミナーは、国内外の情報を共有する中で国際的なネットワークを確立し、日本の障害者の権利擁護にかかわる当事者、専門職、関係者の連携の促進に寄与し、さらに障害者の状況の改善につながる啓蒙を行うことにもポイントが置かれました。
 この冊子は、セミナーでの講演・発言内容を報告書としてまとめたものです。関係者の皆様のお役に立ていただければ幸甚です。

2005年3月17日

財団法人日本障害者リハビリテーション協会
会長 金田一郎

財団法人全国ろうあ連盟
常任理事 高田英一